1. トップ
  2. 実際の制度よりも、いじめ当事者の親子の心情描写を大事に。いじめを描く話題作【著者インタビュー】

実際の制度よりも、いじめ当事者の親子の心情描写を大事に。いじめを描く話題作【著者インタビュー】

  • 2026.6.6

【漫画】本編を読む

ある小学校で、児童が屋上から飛び降りた。児童は意識不明の重体。現場に残されていた遺書には、いじめ加害者として娘の名前が書かれていた。母・青空翼は娘・茜を問い詰めるが、茜はいじめを否定する。翼は戸惑いながらも茜を信じようとする。なぜなら飛び降りた児童・紫村俊介はかつて茜をいじめていた張本人だったから――。

いじめ加害者とされた側、そして被害者とされた側。それぞれの母親の視点から描かれる『娘はいじめなんてやってない』(しろやぎ秋吾/KADOKAWA)は、「誰を信じるのか」「親は子どもとどう向き合うのか」を読者に問いかける作品だ。

過去作『娘がいじめをしていました』(KADOKAWA)では、過去にいじめ被害者だった女性の子どもがいじめの加害者になったことで苦悩する心情を描き、話題となった。教壇に立った経験も持ち、現在は2児の父でもあるしろやぎさんに、本作に込めた思いや、いじめというテーマを描く理由についてお話を伺った。

――今作を描くにあたって、まずどんなことを考えましたか?

しろやぎ秋吾さん(以下、しろやぎ):実際に今作のような事故が起きた場合、警察はどのように調査を進め、学校とどんなやり取りをするのか。あるいは、誹謗中傷があった場合、開示請求にはどんな手続きが必要なのかなど、わからないことが多いなと思いました。

――それらについては、実際に取材などもされたのでしょうか?

しろやぎ:結果的にはしなかったんです。担当編集さんに「そうしたリアルを追求するよりも、登場人物の感情を掘り下げて描くことに注力したほうがいい」と言われまして。確かにそうだなと思いました。

――なるほど。では、参考にされたものなどはありますか?

しろやぎ:ネットでいじめに関する情報が出回った時、それに対する反応はよく見ていました。ある側を叩いていた人たちが、新しい情報が出ると今度は別の側を叩き始める。その様子はかなり参考になりました。

他にも、実際に起きたネットいじめに関するニュースやドキュメンタリーはかなり探しましたね。あとは、いじめ被害の相談を受けたYouTuberが、実際に学校訪問や話し合いをする動画なども見ました。

取材・文=原智香

元記事で読む
の記事をもっとみる