1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 母の死後、“貯金3,020万”を相続→「法事の準備のため」引き出しに行くと…銀行で判明した事実に60代娘が“驚愕したワケ”

母の死後、“貯金3,020万”を相続→「法事の準備のため」引き出しに行くと…銀行で判明した事実に60代娘が“驚愕したワケ”

  • 2026.6.26
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「生命保険の死亡保険金には、相続税の非課税枠がある」ということをご存じでしょうか。この制度を生前に活用していれば、相続税の負担を大幅に減らせるケースがあります。

今回は、母の相続税を申告した後に初めてこの制度を知り、「もっと早く知っていれば」と後悔した60代女性Aさんのエピソードをご紹介します。

「一周忌の法要の準備で久しぶりに銀行へ」

母は生前、「私のお金はあなたのために気兼ねなく使ってね」と話していました。

母が亡くなって約1年。一周忌の法要の準備のために、相続で受け取った預貯金を引き出そうと久しぶりに銀行の窓口を訪れたAさん。手続きのついでに、以前から気になっていた自分自身の保険の見直しも相談することにしました。

「お母さんが亡くなって、自分もそろそろ保険を見直さないとと思って」とAさん。

担当者と保険の内容を確認していく中で、担当者がふと尋ねました。

「お母様の相続の際、生命保険はご加入されていましたか?」

「母は保険に入っていなかったんです。相続税が143万5,000円かかってしまいました」とAさん。

「実は…生命保険には相続税の非課税枠があるんです」

担当者の言葉にAさんは思わず聞き返しました。

「生命保険に相続税の非課税枠があるんですか?」

「はい。相続人が受け取った死亡保険金には、『500万円×法定相続人の数』の非課税枠があります。Aさんのようにお子さんが1人の場合、500万円までが相続税の課税対象から外れます」と担当者。

Aさんの場合、母の遺産は不動産1,870万円と預貯金3,020万円の合計4,890万円でした。
相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×1人=3,600万円)を差し引いた課税対象は1,290万円。この1,290万円に対して相続税143万5,000円が発生していました。

しかし、もし母が生前に預貯金のうち1,000万円を生命保険に替えていたとしたらどうなっていたでしょうか。
死亡保険金1,000万円のうち非課税枠500万円を差し引いた500万円のみが遺産に加算されるため、預金のまま残しておくよりも評価額が500万円下がります。

その結果、課税対象は1,290万円-500万円=790万円に圧縮され、相続税は79万円に抑えられていたのです。

「預貯金の一部を生命保険に振り向けておくだけで、約64万5,000円も節税できた計算になるんですね…」とAさん。「数年前に知っていれば、お母さんに勧めることができたのに」と肩を落としていました。

親が元気なうちに、相続税対策を考えることが大切

では、同じ状況を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。生命保険を活用した相続税対策を検討している方は、以下の点を確認しておくことをおすすめします。

・相続人が受け取った死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の相続税非課税枠がある
・預貯金を生命保険に替えることで、相続税の課税対象額を圧縮できる場合がある
・相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)と組み合わせることで、相続税の負担を大幅に減らせる場合がある
・この非課税枠が適用されるのは、契約者・被保険者が被相続人(親など)、受取人が法定相続人である場合に限られる
・保険への加入には健康状態の審査があるため、親が元気なうちに早めに検討することが重要
・相続税対策としての生命保険活用については、保険会社や税理士、金融機関の窓口に相談することをおすすめする

「相続税がかかるほどの財産はない」と思っていても、不動産と預貯金を合わせると意外と基礎控除を超えるケースは少なくありません。親が元気なうちに一度、相続税と生命保険の関係について考えてみることをおすすめします。ご不明な点はお気軽に窓口へご相談ください。


※契約者が子など別の人物の場合、相続税ではなく所得税や贈与税の対象となり、非課税枠は使えません。契約形態については、必ず税理士や専門家に確認してください。

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

の記事をもっとみる