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【プライド月間】心に刻みたい、LGBTQ+の人々を描いた名作映画25本

  • 2026.6.5
Aflo

映画には、私たちの心を揺さぶり、学びや希望を与えてくれる力があり、素晴らしい映画との出逢いは、私たちにとって大きな財産となる。さらに重要なのは、例えば疎外され伝えられてこなかったLGBTQ+の人々の物語を知らしめるように、映画には無視されてきた声や体験を世界へ届ける力があるということ。

ここでは、プライド月間に配信で視聴しておきたい、さまざまな角度からLGBTQ+の人々にスポットを当てたおすすめ作品を紹介する。UK版『エル』より。

Translation: Ai Ono, Joji Inoue From ELLE UK

『燃ゆる女の肖像』(2019)

カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞をW受賞した、18世紀フランスを舞台とする美しいラブストーリー。レズビアンであるセリーヌ・シアマ監督が紡ぐこの物語は、凡庸な監督の手にかかれば、手垢のついたありがちなものに陥っていたかもしれない。だがこれは、映画史において最も情熱的でロマンティックな作品のひとつとして存在感を放っている。

画家のマリアンヌ(ノエミ・メルラン)は、ある貴婦人から娘エロイーズ(アデル・エネル)の見合い用の肖像画を依頼され、ブルターニュの孤島のに立つ屋敷を訪れる。エロイーズ本人は結婚を嫌がっているため、マリアンヌは正体を隠して彼女に近付き、密かに絵を完成させる。しかし、真実を知ったエロイーズからその出来栄えを批判されてしまい――。

『愛はステロイド』(2024)

バイセクシャルのローズ・グラス監督による長編2作目となる本作は、愛と暴力、共依存を繊細かつ大胆に描いた作品として、高い評価を集めている。製作はA24。

クリステン・スチュワート演じるジムのマネージャー、ルーは、ケイティ・オブライアン演じる流浪のボディビルダー、ジャッキーと出会い恋に落ちる。だが互いへの執着が次第にエスカレートし、町を仕切るルーの父親をはじめ、ルーの家族が抱える闇に2人は巻き込まれていく。



『異人たち』(2023)

2023年トップクラスの“泣ける映画”として注目された本作は、アンドリュー・ヘイがメガホンをとり、アンドリュー・スコットとポール・メスカルが主演を務めた。脚本家のアダム(アンドリュー)と謎めいた隣人青年ハリー(ポール)が偶然出会うところから、物語は動き出す。

2人の間にロマンスが芽生えていくいっぽうで、心を閉ざして生きてきたアダムは、両親を交通事故で亡くした喪失感と向き合い続けなければならない。深い悲しみや孤独に対峙するエモーショナルなストーリー展開に没頭してみよう。

『トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そして』(2020)

さまざまな作品で大活躍しているラヴァーン・コックスをはじめ、トランスジェンダーの俳優や映画関係者、歴史家などに話を聞いてゆくドキュメンタリー。

TV&映画業界においてトランスコミュニティがどのように描かれてきてたか、そして彼らの物語がアメリカのカルチャーや個人にどんな影響を与えているかを深く掘り下げ、つぶさに解説する。

『ドライブアウェイ・ドールズ』(2024)

マーガレット・クアリー、ジェラルディン・ヴィスワナサン、ビーニー・フェルドスタインが出演する、コメディロードムービー。監督はイーサン・コーエン。

ジェイミー(マーガレット)とマリアン(ジェラルディン)が演じるのは、心機一転を図る親友2人組。しかし、新たなスタートへの計画はひょんなことからたちまち狂い始め、ギャングたちと関わってしまった彼女たちは、生き残るために逃げ切らなければならなくなる。

『Love, サイモン 17歳の告白』(2018)

多くの映画は、クィアの物語を伝える際に異性愛者の役者を起用して批判を浴びてきたが、主要スタジオが初めて手がけたこのティーンゲイロマンスでは、クィア俳優のキーナン・ロンズデールが主要キャラクターを、ゲイを公表しているグレッグ・バーランティが監督を担当。

ベッキー・アルバータリの小説『サイモンvs人類平等化計画』をベースとする、ゲイであることを隠している17歳の少年サイモン(ニック・ロビンソン)が主人公の物語。たとえ温かい家庭であってもカミングアウトをすることは容易ではなく、人生がガラリと変わりかねないということを描いている。

スピンオフドラマ『Love, ヴィクター』もあわせて観ておこう。

『ワールド・トゥ・カム 彼女たちの夜明け』(2020)

ジム・シェパードによる同名小説が原作の本作は、19世紀のアメリカを舞台にしたヒューマンドラマ。ヴァネッサ・カービー、キャサリン・ウォーターストン、クリストファー・アボット、ケイシー・アフレックら名優たちが出演し、カルト作『ブロークバック・マウンテン』(後述)のような2組の夫婦を描く。

世間から離れた田舎暮らしを送るなかで、ヴァネッサ演じるタリーとキャサリン演じるアビゲイルの2人は恋に落ちるが――。2020年のベネチア国際映画祭でプレミア上映され、クィア獅子賞を受賞した。

『フランクおじさん』(2020)

時は1970年代のアメリカ。地元を離れNYに移ったティーンエイジャーのベス(ソフィア・リリス)。彼女は叔父のフランク(ポール・ベタニー)と再会するが、実は彼はゲイで、パートナーのウォーリー(ピーター・マクディシ)と暮らしていた。

そこへフランクの父が亡くなったという知らせが入り、ベスを連れて実家に戻った彼だったが、過去と向き合うことになり……。スティーブ・ザーンやジュディ・グリアら、脇を固めるキャストも魅力的。

『リリーのすべて』(2015)

1930年代に世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人、リリー・エルベの実話をもとにしたストーリー。

画家のアイナー(エディ・レッドメイン)は、同じく画家の妻ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)と幸せな毎日を送っている。ある日、ゲルダの頼みで女性モデル役を引き受けたアイナーは、自身の中に潜む女性の存在に気付くのだった。アカデミー賞に4部門でノミネートされ、アリシアは助演女優賞を受賞している。

『君の名前で僕を呼んで』(2017)

名だたる映画祭や映画賞で注目され、主演のティモシー・シャラメが世界的センセーションを巻き起こした『君の名前で僕を呼んで』。アンドレ・アシマンによる同名小説が原作で、ティモシーは北イタリアで夏休みを過ごす多感な10代の少年エリオを、そして、大学教授であるエリオの父の助手を務めるため、夏の間彼の家族のもとで暮らすことになる大学院生オリヴァーを、アーミー・ハマーがそれぞれ演じている。

初めは距離をとっていたが、次第に惹かれ合ってゆく2人。オリヴァーが去る日が迫り、セクシュアリティに折り合いをつけ、別れを告げなくてはならないエリオの不安や混乱は、誰もが共感できるだろう。

『ムーンライト』(2016)

原案は、戯曲『In Moonlight Black Boys Look Blue』(原題)。マイアミ育ちのアフリカ系アメリカ人シャロンの、幼少期から成人期までの自分探しの道と成長を3つの章で描く。

この壮大な新世代ムービーは、アメリカでゲイの黒人男性として生きていくことの難しさや複雑さを丁寧に描写。アカデミー賞では8部門にノミネートされ、作品賞を含む3冠を達成するなど、この年最も話題にのぼった作品のひとつとなった。

『ミスエデュケーション』(2018)

サンダンス映画祭でグランプリを受賞したこの作品は、クロエ・グレース・モレッツを主演に迎え、シリアスなテーマを前向きに描いている。

時代は1993年。キャメロン(クロエ)は女の子とキスしたことを保守的な叔母に知られ、「God's Promise(神の約束)」と呼ばれる同性愛者矯正施設に送られる。だが彼女は、叔母の願いに反し、そして施設の教えにもまったく従わず、自分自身やセクシュアリティについての決意を固めてゆくのだった。

『ナチュラルウーマン』(2017)

ゴールデン・グローブ賞にノミネートされ、アカデミー賞外国語映画賞を受賞したチリの映画『ナチュラルウーマン』。年上のパートナーを亡くしたことで訪れるいくつもの困難に、強く立ち向かうトランス女性マリーナ(ダニエラ・ベガ)の姿を追う。

トランスジェンダーであることが理由で、パートナーの葬儀にも来るなと言われ、彼とシェアしていたアパートからも追い出されてしまうが、マリーナはそんなトランスフォビアな彼の家族や元妻に立ち向かっていく。

目を伏せたくなる場面もあるものの、2018年に『タイム』誌の「最も影響力のある100人」に選ばれたダニエラの、痛烈で力強い演技には目を見張る。

『アレックス・ストレンジラブ』(2018)

すべてを手にしているように見える高校生アレックス・トゥルーラブが主人公の、Netflixオリジナル映画。学級委員長であり、成績優秀で、ガールフレンドもいるアレックス(ダニエル・ドエニー)だが、オープンリーゲイのエリオット(アントニオ・マルツィアーレ)と知り合ったことで、彼の世界は一変する。

「自分はいったい誰と初体験を迎えたいのか」など、悩み多き思春期におけるセクシュアリティや自己の探求について、チャーミングかつ正直に描写している。

『キャロル』(2015)

ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラ共演の本作は、同性愛が罪とされていた(軽犯罪に格下げされたものの、6カ月の懲役刑を受ける可能性があった)1950年代を背景に、女性2人の愛を描いた物語。ハリウッドのメジャースタジオがレズビアンの愛を真正面から描くのは稀なことだが、本作はその後のLGBTQ+映画のスタンダードを設定し、素晴らしい演技で世界的な称賛を集めた。

高級百貨店で働きながらカメラマンを目指すテレーズ(ルーニー)はある日、愛のない結婚生活に苦しみ離婚を考えている年上の女性客キャロル(ケイト)と出会い、彼女に惹かれてゆく――。

『パレードへようこそ』(2014)

ゴールデン・グローブ賞にノミネートされ、英国アカデミー賞も受賞した実話ベースの作品。LGBT活動家たちグループがウェールズにある小さな鉱山の町を訪れ、社会に取り残された2つのコミュニティが互いに支え合うキャンペーン「LGSM(炭坑夫支援レズビアン&ゲイ会)」を立ち上げ、困難を乗り越えて大成功を収めるまでを辿る。

ドミニク・ウェスト、イメルダ・スタウントン、アンドリュー・スコット、ビル・ナイら英国を代表する名優のケミストリーも見ものの、笑って泣けて心に強く残るハートウォーミングコメディ。

『ブロークバック・マウンテン』(2005)

批評家からの称賛とアカデミー賞での圧倒的な存在感を誇る作品を探しているなら、本作は外せない。この映画は、メジャースタジオが手がけた初の本格的なLGBTQ+映画としても知られ、ゲイ映画の金字塔となった。今は亡きヒース・レジャーとジェイク・ジレンホールが演じるのは、1960年代に出会い、ひっそりと愛を育んでいく2人のカウボーイ、イニスとジャックだ。

彼らの人生を辿るなかで浮かび上がるのは、当時のアメリカでゲイを公にすることへの深い恥辱。その痛みと切なさがあまりにも胸に迫るからこそ、ゴールデン・グローブ賞や英米のアカデミー賞をはじめ数々のアワードを総なめにしたのも納得できる。

『タンジェリン』(2015)

監督は『アノーラ』でオスカーを獲得したショーン・ベイカー。演技経験のない2人のトランスジェンダー女性(マイア・テイラーとキタナ・キキ・ロドリゲス)を起用し、LAで働く2人のトランスジェンダーのセックスワーカーの生活を描く、これまでになかった視点を持つ1本だ。

ダークでダーティ、シャープな作風が非常に高い評価を得て、GLAADメディア賞では最優秀映画賞を受賞。トランスジェンダーの生活やセックスワーカーの生々しい描写が印象的で、全編iPhoneで撮影されたことも大きな話題になった。

『プリシラ』(1994)

ドラァグカルチャーをメインストリームに押し上げたレジェンド映画。1980年代のエイズ禍に続き、ホモフォビアが社会問題になっていた1990年代を舞台としており、メディアがこのコミュニティを誤って描き続けていた当時、本作は強烈な一石を投じた。ミュージカル化もされ各国で上演されている。

2人のドラァグクイーン(ヒューゴ・ウィーヴィング&ガイ・ピアース)と1人のトランスジェンダーの女性(テレンス・スタンプ)は、砂漠地帯で開かれるショーに出演するため、プリシラ号というバスでオーストラリア大陸横断の旅へ出る。陽気な3人だが、その旅路は楽しいことばかりではなく、ヘイトクライムに直面したり、お互いの秘密が明かされたりしてゆき……?

『アデル、ブルーは熱い色』(2013)

カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝き、英国アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞にもノミネートされたフランス映画『アデル、ブルーは熱い色』。

主人公の高校生アデル(アデル・エグザルコプロス)は、エマ(レア・セドゥ)というブルーの髪の年上の美大生と出会い恋に落ちる。アデルとレアが披露する傑出した演技だけでなく、この映画で魅力的なのは、ただの初恋ではなく、破滅的で激変する、すべてを捧げるような愛の描写。若い女性が自身のセクシュアリティを知る過程が、美しく描かれている。

『ミルク』(2008)

公職に選出されたアメリカ初のオープンリーゲイ男性として知られるハーヴェイ・ミルクをショーン・ペンが演じ切り、アカデミー賞主演男優賞に輝いた『ミルク』。ゲイのための活動から市会議員への当選、1978年の悲劇の暗殺まで、波乱に満ちた彼の人生に迫る。

1970年代、カリフォルニア州サンフランシスコには大きなLGBTコミュニティがあったが、州内のほかの地域はまだまだそこに追いついていない状況だった。ホモフォビアが蔓延するなか、ミルクはその壁を壊し、LGBTQ+コミュニティの権利獲得のために尽力してゆく。

『ボーイズ・ドント・クライ』(1999)

1990年代初頭、ネブラスカ州でトランスジェンダー男性が殺害された実際の事件を描き、世界に衝撃を与えた『ボーイズ・ドント・クライ』。愛を見つけたことで命を奪われてしまった主人公ブランドン・ティーナを、ヒラリー・スワンクが熱演している。ブランドンはラナ(クロエ・セヴィニー)という女性と出会い恋に落ちるが、彼がトランスジェンダーであることを受け入れられない人たちもおり――。

本作でヒラリーはアカデミー賞主演女優賞を受賞し、クロエは助演女優賞にノミネート。残酷で救いのない内容ではあるが、トランスジェンダーの歴史における非常に重要な瞬間を描き、さらに米国のヘイトクライム法に対するロビー活動を増やすきっかけともなったとされる。

『キッズ・オールライト』(2010)

同性カップルの子育てを描いたメジャースタジオの作品のひとつで、高く評価されたファミリーコメディ。レズビアンの関係を前面に押し出さず、あくまでも物語の要素のひとつとすることで、独自の個性を放っている1作だ。

アネット・ベニング演じるニックとジュリアン・ムーア演じるジュールスのレズビアンカップルは、匿名の精子提供を受けてそれぞれが子を出産。2人の子を授かるが、成長した2人は、自分たちの実の父親に会いたいと考えるようになる。

『バードケージ』(1996)

フランスのミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』をモダンにアップデートした作品。マイアミのナイトクラブのオーナー、アーマンド(ロビン・ウィリアムズ)は、20年前にたった一度の過ちから息子ヴァル(ダン・ファターマン)をもうけた。そのヴァルが、超保守的な恋人の両親に自分の家族を紹介したいと言い出すところから物語は始まる。

“普通の家族”を装うため、アーマンドの長年のパートナーであり、クラブの人気ドラァグクイーンでもあるアルバートが、『ミセス・ダウト』さながらに妻になり切ろうとすることで騒動が巻き起こる。亡き名優ロビン・ウィリアムズの陽気なコメディセンスが光る名作。

『さらば、わが愛/覇王別姫』(1993)

チェン・カイコー監督が、2人の役者の愛憎と人生を、50年にわたる中国の動乱の歴史とともに描いた壮大な叙事詩。

物語の始まりは1924年の北京。母に捨てられるように京劇の俳優養成所に入れられた9歳の小豆子。か弱い彼を弟のようにかばい助ける石頭。2人は厳しい稽古に耐え成長し、やがて京劇界のトップスター、程蝶衣(レスリー・チャン)と段小樓(チャン・フォンイー)となっていく。

女形の蝶衣は覇王を演じる小樓に秘かに恋心を抱いていたが、小樓は娼婦の菊仙(コン・リー)と結婚してしまう。

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