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先輩をオワコン扱いして笑った私が、上司のプロジェクト発表で目が覚めた話

  • 2026.6.5
ハウコレ

「先輩ってオワコンですよね」そう言い放ったとき、私の頭にあったのは姉の姿でした。けれどプロジェクトで輝く先輩を見て、自分が本当に怖がっていたものに気づいたのです。

実家の食卓で、母がため息をつきました。仕事ばかりで結婚しない姉の話になると、両親はいつも決まって渋い顔をします。その光景を見て育った私は、結婚こそが女の幸せだと信じていました。けれどその思い込みが、職場の先輩によって揺らぐとは、考えてもいませんでした。

悪気なく発した、ひとこと

仕事ばかりで結婚の話題に乗ってこない先輩は、私にとって、どこかあの姉と重なって見える存在でした。両親に小言を言われる姉を、気の毒だと思っていた私は、先輩のことも同じように見ていたのだと思います。

結婚の話で盛り上がっていたとき、私は先輩に向かってこう言いました。

「女の幸せって、結局は結婚じゃないですか」そして笑いながら、「先輩ってオワコンですよね」と言ったのです。

先輩は小さくうなずいただけでした。その反応の意味を、私は深く考えもしませんでした。

リーダーに選ばれたのは、あの先輩

しばらくして、新しいプロジェクトが立ち上がるという話が社内に広がりました。働く女性向けのサービスを開発する、注目の企画です。私も、そのチームに加わることになりました。誰がリーダーになるのだろう。そう思っていた私は、その名前を聞いて驚きました。

リーダーは、あの先輩だったのです。気の毒だと思っていた相手が、社内でいちばん期待される立場に立つ。その事実が、私の中の何かを少しずつ揺らし始めました。

黙り込むしかなかった私

顔合わせの場で、先輩がリーダーだと正式に伝えられました。あれだけ軽口を叩いていた私は、うつむいて黙り込むことしかできませんでした。

企画が動き出すと、先輩の仕事ぶりが目に飛び込んできました。働く女性が自分の時間を取り戻せるように、細かなところまで考え抜かれたサービス。それは、先輩が仕事に向き合い続けてきたからこそ描けるものでした。

私が気の毒だと決めつけていた先輩は、先輩の強さそのものだったのです。企画は社内で高く評価され、先輩は表彰を受けました。

そして...

表彰のあと、私は思い切って先輩のもとへ向かいました。うつむきながら頭を下げて、「先輩、この前は本当にすみませんでした」と伝えました。

あのとき私が先輩にぶつけた言葉は、本当は姉に向けたものであり、もっと言えば、結婚できなかったらどうしようという自分自身の不安だったのだと思います。気の毒だったのは、先輩でも姉でもなく、ひとつの幸せに固執していた私のほうでした。

今度実家に帰ったら、姉と少し話してみようと思います。幸せの形は一つではない。そのことに気づかせてくれたのは、ほかでもない、あの先輩でした。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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