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「まぶしい時間帯だけ閉めればいい」新築リビングの西側ハイサッシ、40代女性が入居半年で直面した誤算

  • 2026.7.23
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。二級建築士・インテリアコーディネーターの桐野由衣です。

大きな窓がある部屋は自然光がたっぷり入って気持ちいいですよね。一方で、窓がある方角によっては日差しの強さが気になります。

特に悩ましいのが夏場の西日。ウインドウトリートメント(窓まわりを飾るアイテムの総称)の選択を間違えると、西日が入る窓がある室内の快適性は大きく損なわれてしまいます。

西日が入りやすい部屋の窓まわりに設置するアイテムを選ぶ時の注意点とおすすめのアイテムを解説します。

とにかくおしゃれにしたい!Oさんが選んだウインドウトリートメント

私が講師を担当したあるインテリアセミナーに参加してくださったOさん(40代・女性)は、眺望の良い場所に土地を購入し、家を新築したばかり。その土地は高台を開発した新興住宅街の一角で、市内を一望できる点に惹かれて即決した場所でした。Oさんは、もっとも眺望が楽しめる南西にリビングを配置し、南側と西側にはハイサッシと呼ばれる天井までの大きな掃き出し窓を設置。さらに、その窓にはバーチカルブラインドを設けました。

バーチカルブラインドとは、スラットと呼ばれる縦長の羽根が床に対して垂直方向に並んでいるタイプのブラインドです。カーテンのようにウエーブが出ないため、スタイリッシュに仕上がるのが特徴です。

Oさんはインテリアに強いこだわりがあり、設計段階から「リビングにはバーチカルブラインドを付ける」と決めていたので、その夢が実現しとても満足していました。

すき間からちらつく西日がストレスの元に…

入居後、ハイサッシから入る自然光で明るく開放的なリビングで過ごすのが楽しみのひとつとなったOさん。休日にはバーチカルブラインドを全開にし、空中に浮いているかのような感覚にひたりながら家族でのんびりする時間に癒されていました。

そんな生活が徐々に変化していったのは、入居して半年ほど経った5月頃のことです。夕方から日没までの時間帯に、西日が強く入り始め、まぶしさが気になるようになってきました。雨の日が続いた梅雨が明けて7月に入ると、快晴の日が増えてさらに強い西日が入るようになり、まぶしさも増しました。窓が大きいだけに西日が入る時間も長く、その時間帯は何だか落ち着きません。

そのうち、Oさんは午後から日没まで西側の窓のバーチカルブラインドを閉めっ放しにするようになりました。南側の窓からはやわらかい自然光が入るためリビングが暗くなるわけではありませんが、西側の窓からの自慢の眺望を午前中しか楽しめないことにOさんは落ち込んでしまいました。

「ブラインドにするなら…」選択しなかった施工会社からのアドバイス

実はOさんは、設計段階で西側にハイサッシとバーチカルブラインドという組み合わせを希望した際、住宅会社からあるアドバイスをもらっていました。

「日当たりをシミュレーションすると、リビングには西日がかなり入ってきます。ハイサッシにバーチカルブラインドをつけるなら、夕方かなりまぶしくなりますから、眺望がやや狭くなりますが深めの庇をつけたほうがいいですよ」

しかし、提案されたサイズの庇をつけると、建築基準法上の建築面積(建坪)に算入されてしまうため、居住スペースを削らなければならないというネックがありました。Oさんは「まぶしい時間帯だけブラインドを閉めればいい」と考え、庇をつけないことを選択。

しかし、実際に室内に入ってくる西日の強さは想定以上でした。アドバイスを取り入れなかったことを悔やみつつ、Oさんは施工会社に相談。庇の追加工事は足場の設置なども含めると大幅に予算を超えるため、将来の外壁リフォームの際に設置を検討することにして、今回は、下地として設置してあったカーテンレールからバーチカルブラインドの本体と専用金具を外し、遮熱レースカーテンとドレープカーテンに入れ替える工事を依頼しました。

西日対策に効果的なウインドウトリートメントの選び方

バーチカルブラインドはスラットを重ねるという構造なので、スラットの間にどうしてもすき間ができます。スラットの角度調整は簡単にできますが、変化していく西日の入射角度に合わせて調整するのはかなりの手間です。水平方向にスラットが並ぶベネシャンブラインドも含め、ブラインドは日差しがきつい窓には基本的に適していません。

最近は光を通しにくい素材のスラットによる遮光タイプも増えてきましたが、すき間があるという構造は変わりませんので、西日をシャットアウトしたいなら閉めっ放しとなる点に注意が必要です。

とはいえ、バーチカルブラインドはカーテンとは異なるスタイリッシュさがあります。西日が入る窓にバーチカルブラインドを設置したいなら、今回のような庇の設置や窓ガラスの屋内側に遮熱フィルムの施工を検討しましょう。

また、インテリア性を重視しつつ開放感も維持したいなら、まぶしさを軽減しながら適度な透け感も楽しめる遮熱(ローグレア)タイプのレースカーテンをフラット仕上げ(ヒダを取らない)にすると、ウエーブが出ずバーチカルブラインドと似た雰囲気を演出できます。Oさんも、完全に視線をシャットアウトしない遮熱レースカーテンが思いのほか気に入ったご様子でした。

新築の場合は施工会社が日当たりをシミュレーションしてくれますので、どのようなウインドウトリートメントが適しているかよく相談しましょう。リフォームの場合は、何月頃にどの程度の西日がどの方向から入ってくるかがすでに把握できていますので、カーテンショールームで商品見学を兼ねて相談してみるのがおすすめです。複数のアイテムを比較し、我が家の西日対策として効果的なアイテムを選んでくださいね。


ライター:桐野由衣
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リノベーション設計会社にて新築分譲マンションの設計変更、戸建住宅・オフィス・医療施設等の設計およびインテリアコーディネートに携わる。
建築関連分野の記事執筆・校正校閲・監修業務、企業研修講師、インテリアコーディネーター資格対策テキスト監修、工務店の施工事例集ディレクションなどの実績も多数。


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