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【産後メンタル】なぜ自分を責めてしまうのか?「人生最大のホルモン期」から急転直下するメカニズム【医師監修】

  • 2026.5.25

妊娠・出産による体の劇的な変化によって心も揺らぎがちに。どう向き合って、整えるのが正解?産婦人科医・医学博士・スポーツドクター
高尾美穂先生に教えていただきました。

Q. 妊娠初期から産後にかけて、ホルモンバランスはどう変化しているの?

A.妊娠中が人生で一番ホルモンの分泌量が急上昇します
女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2 種類があります。このホルモンがしっかりと作られることで妊娠が維持できます。人生において、妊娠中が一番ホルモンの分泌量が多い時期。妊娠初期は卵巣がホルモン分泌を担いますが、限度があるため妊娠中は卵巣ではなく胎盤がホルモンを作るようになります。妊娠中にしか存在しない胎盤が卵巣の代わりに女性ホルモンを作る役割を果たしますが、胎盤が完成するのが、大体1 6 週くらいで一般的に安定期と呼ばれる時期。胎盤ができるとホルモンの分泌量が安定し、赤ちゃんが健やかに成長する環境を維持しやすい状態になります。

Q. 妊娠中に増量した体重がなかなか減りません…

A.神経質にならずに向き合って
産後すぐには体重はなかなか減らない人が多いです。出産時の出血によるむくみが起こっていることも原因です。また、妊娠期間は、筋肉量も減少し姿勢も変化しているので、産後日常生活に戻っていくにつれて妊娠中に変化していた体も無意識に回復していくと思っていた方がいいです。あまりネガティブに考えずに「今より少しいい」の積み重ねで回復していくと考えておく方が気が楽になりますよ。

Q. 産前産後のメンタル不調は誰にでもあるもの?

A.ホルモンの状態的に誰にでも起こりえます
エストロゲンは鬱にならないように心を守る働きをし、プロゲステロンは脳内物質と大きな関わりがあり、不安を感じにくく心の安定が得られるもの。胎盤が完成すると、人生で一番多くのエストロゲンとプロゲステロンを体が維持している状態になるので、基本的に妊娠中はメンタルが安定している時期。でも、出産後胎盤が体外へと排出され、卵巣も働きが止まっているため、ホルモンが担っていた心を守る働きができなくなることで、不安を感じやすくなります。それは、誰しもに起こりうることで、ホルモンの状態的に避けられないことと言えるのです。

Q. 出産も産後のプランも、計画的に考えた方が心や体の負担は減りますか?

A.“思い描く通りにはいかないことが多い”という心構えをもつことが大事
妊娠中にバースプランをイメージするのはいいですが、想像通りに進まないことの方が多いケースは念頭におく必要があります。普通分娩を予定していたけど急遽帝王切開での出産…など、科学が進歩していてもどんな分娩方法になるのかは予測不能です。産後の子育てにおいても、自分の思い通りになるものではないことを理解しておくことが大切。また、体も妊娠前の状態に完全に元通りになることは難しいのが現実。体と向き合って、“困っていることが少しずつよくなる”を目標にして過ごすことが肝心です。

Q. 産後うつの予防策はあるの?

A.休息や周囲のサポートでケアにつなげることが大切
まず、産後うつは誰にでも起こりうる、というのを自分自身も家族も理解しておくことが大事。ホルモンの状態は変えられないので、備える環境を準備しておくことが重要です。例えば、パートナーがしっかり育休を取るなど態勢を整えておくことが対策できるポイントになります。

Q. マタニティブルーと産後うつって?

A.どちらも産後の急激なホルモン変化により現れやすい症状です
産後数日から2週間くらいまでの早期の時期に現れて、軽度で回復できるような不調を「マタニティブルー」、産後のホルモン状態と睡眠不足などの外的要因が重なってメンタルに影響が出てくるのが「産後うつ」。「マタニティブルー」と違って2週間以上続くことが多いです。特に、普段の生理の時期にメンタルに不調が現れやすい人は産後うつになりやすいリスクがある、ということを知っておくことが大切です。


教えてくれたのは…

産婦人科医・医学博士・スポーツドクター
高尾美穂先生
女性のための総合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。婦人科診察を通し、女性の健康で幸せな人生と前向きな選択を後押しすることをライフワークとして、テレビや雑誌など数々のメディアにも出演。

Illustration=Kanako
Edit & Text=Maiko Watanabe

※InRed2026年5月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。

この記事を書いた人

InRed編集部

「35歳、ヘルシーに!美しく! 」をテーマにしている雑誌『InRed(インレッド)』編集部。 “大人のお洒落カジュアル”を軸に、ファッションや美容はもちろん、ライフスタイル全般を網羅。公式ウェブサイト『InRed web』ではライフステージの変化の多い世代ならではの、健康、お金・仕事、推し活に関する情報を発信。お洒落で楽しい毎日に役に立つヒントをお届けしています。

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