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「東京じゃないなら、もうどうでもいいです」地方配属を告げられた新入社員→仮雇用期間中に消えた本当の理由

  • 2026.5.20
「東京じゃないなら、もうどうでもいいです」地方配属を告げられた新入社員→仮雇用期間中に消えた本当の理由

配属発表の会議室で、彼の顔から表情が消えた瞬間

四月の配属発表の日、僕は会議室の壁際で、新入社員たちの様子を眺めていました。

入社三年目、OJTの補佐役として、僕も今年から新人育成に関わることになっていたのです。

名前が一人ずつ呼ばれていきます。

東京、東京、横浜、東京、大阪。

そして、線の細い体つきの彼の番が来ました。

「⚪︎⚪︎支店、配属」

その瞬間、彼の顔からすっと表情が抜け落ちたのを、いまでもはっきり覚えています。

面接で「絶対に東京で働きたい」と何度も語っていた、第一志望の彼。

合格通知書を握りしめて目を輝かせていた数か月前の表情と、いまの無表情が、別人のように見えました。

会議のあと、廊下でそっと声をかけました。

「気持ちの切り替え、難しいかもだけど、⚪︎⚪︎もいいとこだよ」

返ってきたのは、笑みのない、やけに平坦な声でした。

「東京じゃないなら、もうどうでもいいです」

視線は宙の一点に向いたまま、僕の方を見ようともしません。

その目の奥にある光が、僕には少し怖く感じられたのを、覚えています。

勤務中に消え、寮で物が壊れ、そして名前が消えた

異変はOJT初日から始まりました。

午前のミーティング中、机に置かれた彼のメモ帳が、白紙のまま動きません。

休憩時間になると、彼はふらりと外へ出ていきます。

戻ってくる気配はありません。

夕方、人事から内線が入りました。

「彼、勤務時間中に外出して、戻ってきてないんですけど」

翌週には、社員寮の管理人さんから連絡が入ります。

共有スペースの椅子の脚が折られていた、廊下の照明カバーが叩き割られていた、そんな話が次々と上がってきました。

無断欠席も三日連続。

誰も彼を責めず、ただ困惑だけが、職場の空気の中に静かに広がっていきます。

本人は会社で顔を合わせても、目を合わせません。

機械のように出社して、機械のように消える。

そして、ある朝の朝礼で、人事部長から短いアナウンスがありました。

「先日付で、退職となりました」

仮雇用期間中の解雇は、その会社の歴史で初めての出来事だったそうです。

静まり返ったフロアで、僕は彼の空席をじっと見つめていました。

怒りでもない、悲しみでもない、もっと深い場所で、何かが壊れてしまった人の目。

あの日の彼の平坦な声が、いまでも耳の奥に残っているのです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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