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「才能の問題じゃない」数々の芸能人の力を伸ばしてきた夏井いつきさんに聞いた、上達の秘訣【前編】

  • 2026.5.4

5月3日、札幌で、俳人・エッセイストの夏井いつきさんによるトークショーが開かれました。

Sitakke

拍手喝さいで出迎えられると、笑顔で手を振り返しながらも、まず「午後の人、うるさい!」の一言。

「全国でトークショーをやっていて共通するのは、午前の部の人のほうが静か、午後の部のほうがにぎやか。札幌でもそうね、午後の部、楽しくなりそうね」と、軽快なトークで、冒頭から会場を笑いに包みました。

Sitakke
右から夏井いつきさん、HBCアナウンサー・梶原小春

夏井さんと言えば、大阪のMBS毎日放送制作のテレビ番組「プレバト!!」での忖度なしの俳句添削。その指導で、たくさんの芸能人の才能を伸ばしてきました。

その指導力には、俳句はもちろん、さまざまなものごとの上達につながる秘訣や、部下や後輩への接し方の参考になる面があるのでは…?
そう考え、入社2年目・初めての後輩を迎えてドキドキしているHBCアナウンサー・梶原小春(かじわら・こはる)が、「添削で心がけていることは?」「印象に残っている出演者とのエピソードは?」など、たっぷりお話を伺いました。

「才能アリ」作品がずらり

Sitakke
シールアートや水彩画、色鉛筆画などは、実物を見ることでどれだけ細やかな工夫がされているのかをじっくり鑑賞することができます

大丸札幌店で5月11日まで開催されている「プレバト才能アリ展」。
俳句の数々のほか、水彩画や色鉛筆画、シールアート、黒板アートなど、番組で「才能アリ」を獲得した作品の数々が展示されています。

トークショーは、このイベントを記念して開かれました。夏井さんがなぜ番組に出演するようになったのかの裏話や、印象に残っている俳句などについて語っていたのですが、1時間があっという間!
トークショー終わりにもう少しお時間をいただいて、インタビューをさせていただきました。

添削で心がけていることは?

Sitakke

この春、入社2年目になった梶原アナは、「自分にちゃんとした先輩ができるのか」ドキドキしているといいます。夏井さんに、「添削で心がけていること」を伺いました。

夏井さん
「添削は単純ですね。 作者が本当に言いたかったことに言葉を寄せていく作業なので、考えるもへったくれもないんだけど、プレバトの添削で1番めんどくさいのは、作者が何を言いたいかがわからないこと。 私は俳句だけもらうわけで、誰の句かもわからないので。 『凡人』以上の人は何が言いたいか分かるので言葉を寄せることができる。 でも言いたいことがわからないとどこに言葉を寄せていいかわからないので、『才能ナシ』のやつらの句が1番面倒なんですね」

「そうなったらもうね、想像力。この子は一体何が言いたくて、今この不思議な日本語を呟いているのだろう。そうやって言葉の裏側をおもんぱかるという能力が必要になってくると思いますよ」

Sitakke

梶原アナ
「叱られて伸びるタイプと褒められて伸びるタイプなどいろいろあると思うのですが、夏井さんは人によって指導の仕方を変えたりとかはされますか?」

夏井さん
「しませんよ、そんなこと!なんでそこまで丁寧に私がやらないといけないの!笑」

「私がやっているのは、ご本人の言いたかった俳句を、言いたかった句にするというミッションだけなので。そんなあなた、あのポンチくんには優しく言おうとか思ってないですよ。おっちゃんに厳しく言おうとかも思ってないし」

梶原アナ
「素直に出た言葉をそのまま…?」

夏井さん
「すいません。 全て素直です」

梶原アナ
「それが1番、直に伝わるっていうことですよね」

Sitakke

夏井さん
「うん、そうね。 ああ、1つあるとすれば、講演会とか句会ライブとかも全く一緒なんだけど、話を聞く人が中学生だと想定して話す。簡単なことを難しそうに言って伝えた気になる人っていらっしゃるでしょう?なんかすごい難しい言葉、かっこいい言葉使ってなんかいっぱい言われたけど、よくわかんなかった、とかってないですか?」

「だから、中学生が知っている語彙の範囲で、中学生に分かる言葉を、分かる順で語ろう、というのは、プレバトの解説のときは心がけているといえばそんなところかな」

俳句は「才能の問題じゃない」

梶原アナ
「指導を重ねていって、どんどん力が伸びていったなと印象的な芸能人の方はいらっしゃいすか?」

夏井さん
「みんな伸びてきてますからね。 伸びてない人は出演しなくなってますね。笑 向こうが嫌になるんでしょうね。 もう、もう許してくれ~みたいな。笑」

「ずっと続けてる人はやる気があって、仕事のため歯を食いしばっているのかもしれないけど、やる気があって俳句に挑んでくださってるわけだから。俳句って才能の問題じゃなく、ずっと続けていれば俳句の筋肉がみんな育ってくる

Sitakke

「それの最たるもんがおっちゃん(梅沢富美男さん)でしょう。 1番長くからやってて。で、おっちゃんがやってみて失敗して、やってみて失敗してを、後の人たちがみんなデータとして知っているから、おっちゃんよりも早く上手になる。 千原ジュニアさんがそれですね」

「おっちゃんとジュニアさんと、今2人がちょっと突出している感じはありますけど、ジュニアさんの失敗もまた後ろの人のデータになるので、データがいっぱいあると早く上手になる。これは当たり前のことなので、後ろの追いかけている人たちがそれをデータだと認識したらいいんですね。自分の句の直されたところだけに一喜一憂している人が『1』上手になるなら、他の人の失敗や成功をデータにする人は『5』ぐらい上手になる」

梶原アナ
「そうですよね…!社会人もそうですよね…」

夏井さん
「響かない人にはね、全然響かないです。笑 ああ、全然聞いてないだろうって思う」

梶原アナ
「そういう方にも指導の仕方は変えないんですか?」

夏井さん
「変えない!変えないというか、その人が食いついてきてくれて、本気で学びたいんだなって思ったら、『あなたあのときこうだったよね、同じ失敗してたよね』みたいな個別の言い方はするかもしれないけど」

「基本的には、褒めてもけなしても、伸びる人は伸びる。だからあんたのせいじゃない」と、これから先輩になる梶原アナへの激励もいただきました。

厳しいことを言えない世の中でも

Sitakke

梶原アナ
「今、なかなか厳しいことを言えないようにもなっていますが、指導者としてはどういう風にお考えですか?」

夏井さん
「それはねえ…甘い言葉を使ってるようで中が厳しかったり、その反対で、厳しいことを言っているようで違う面があったり、どっかにユーモアの精神を持って、最終的にはその人のことを本当に想ってあげていたら、伝わると思うんだよね

「そいつのこと嫌いって思ったら、オブラートもへったくれもないけど、この人を、この人の俳句を伸ばしてあげたいなっていう想いがまっすぐあって、多少のユーモアを一滴持っていれば、なんとかなるんじゃない?」

梶原アナ
「愛がこもっていれば届く、ということですかね」

夏井さん
「いいまとめでした。 きょう一番いいまとめでした」

梶原アナ
「嬉しいです、ありがとうございます!」

Sitakke

夏井さんからは、俳句を「自分と他人を比べる道具にしない」、「北海道だからこそ、人生を楽しくする方法がある」など、まだまだ深いお話を伺いました。
続きは次回の記事でお伝えします。

プレバト才能アリ展 芸能⼈の名作と劇的添削 2012-2026(札幌会場)

・期間:2026年4⽉22⽇(⽔)~5⽉11⽇(⽉)
・時間:午前10時~午後8時(最終入場午後7時) ※最終日は午後5時まで(最終入場午後4時)
・会場:大丸札幌店 7階ホール(北海道札幌市中央区北5条西4丁目7)
・入場料などの詳細は、イベントのホームページからご確認ください

取材:HBCアナウンサー・梶原小春
文・編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の情報は記事執筆時(2026年5月6日)の情報に基づきます

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