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「いい人生が手に入りますから、騙されたと思ってやんなさい」夏井いつきさんに聞いた、楽しむ秘訣【後編】

  • 2026.5.4

テレビ番組「プレバト!!」(MBS毎日放送制作)での忖度なしの俳句添削で知られる、俳人・エッセイストの夏井いつきさん。
その指導で、たくさんの芸能人の才能を伸ばしてきました。

その指導力には、俳句はもちろん、さまざまなものごとの上達につながる秘訣や、部下や後輩への接し方の参考になる面があるのでは…?

そう考え、入社2年目・初めての後輩を迎えてドキドキしているHBCアナウンサー・梶原小春(かじわら・こはる)が、「添削で心がけていることは?」「印象に残っている出演者とのエピソードは?」などについてお話を伺いました。

Sitakke
右から夏井いつきさん、HBCアナウンサー・梶原小春

前編の記事では、
・「言葉の裏側をおもんぱかる想像力」が大事
・ほかの人の失敗や成功を「データ」にする人は早く上手になる
・厳しい言葉の中にも「一滴のユーモア」と「愛」を
など、目から鱗のアドバイスが満載でした。

この記事は後編です。俳句との向き合い方について質問するうちに、「人生を楽しくする方法」「北海道の暮らしの魅力」までも見えてきました。

「あなたは楽しい?」

梶原アナは、4月からHBCラジオ「朝刊さくらい」(月~金曜の午前6時半~8時放送)で、月~水曜のパーソナリティを新たに担当しています。
それまで10年間担当していた先輩アナウンサーからバトンを引き継ぐとあって、「プレッシャーや不安が大きく、始まった当初は余裕はまったくなかった」といいます。

そんなとき、以前から変わらずパーソナリティを担う桜井宏さんから「あなたは放送をやっていて楽しい?楽しいのが1番」という言葉をもらったことが印象に残っていると話します。
「その言葉をかけていただいてから、肩の力が抜けて、桜井さんとも少しずつ息があってきた気がしています。今は本当に楽しいお仕事です」

Sitakke

「楽しさ」をキーワードに、新しい仕事に前向きに取り組めている梶原アナ。
夏井さんは俳句に対して、「楽しさ」を大切に思っているか、聞いてみました。

「自分と他人を比べる道具にしない」

夏井さん
「楽しさを大事とも思ってないっちゅうか、大事と思わなくちゃとも思ってないっていうか。俳句を作ることも、読み解くことも、句会ライブで何百人のお客さんと俳句を巡って議論したりするのも、めっちゃくちゃおもしろいし楽しいから、楽しむことが大事っていう風に言い聞かせてるわけじゃないんだけど。私としては楽しくないと俳句じゃない」

Sitakke

「楽しむっていう気持ちで俳句やってないと、俳句って優劣を思い始めると、『あの人よりも私の方が選ばれてない』とか、『あの人はこんな賞を取った』とか、自分と他人を比べる道具として俳句を使い出したら、俳句がどんどん苦しくなっていくんですよ。俳句が苦しくなってくると、うまいこと回転しなくなって新しい発想が生まれない、 俳句がどんどんつまらなくなっていく、『やっぱり私は才能がない』とか、負のループをどんどん降りていく」

「でも、『人と比べるために俳句やってるんじゃないよね』って、『自分のためだよね』、『自分が楽しむためだよね』っていうところにもう1回コマを戻すと、また『俳句やって楽しい』、『人生が楽しい』、『人と繋がって楽しい』というプラスのループに変わることができる」

「最初の質問に返ると、私はことさら楽しまなくちゃとかは思わずに、ずっと楽しんでます。 無意識のうちにも楽しんじゃってるっていう感じなんです。 俳句やってみ!楽しいから」

Sitakke
5月3日、札幌で開かれたトークショーでも、収録の裏話や印象に残っている句について話し、会場は笑いや感動に包まれていました

北海道だからこその楽しみがある

Sitakke
5月3日、トークショーで会場のお客さんに話しかける夏井さん

北海道のみなさんに向けて、メッセージをお願いしました。

夏井さん
「北海道には、北海道の人たちだけが味わえる季節っていうのがあるんですよ。 北海道に住んでこそっていう素材がたくさんあるので、もうウカウカ暮らさないで、みんな真剣に俳句を作る。 そしたら人生が、朝起きてね、見るもの聞くものが、全部俳句になると思うだけで、いい人生が手に入りますから、騙されたと思ってやんなさい」

Sitakke
画像:pixta

雪国に春の訪れを知らせる、「根開き(ねあき)」という春の季語があると教えてくれました。まだ雪の残る中で、木の根元の雪だけが先にとけている状態を表しています。

夏井さん
「雪の降らない私らの地域で、愛媛とかは本当に雪降らないし、なかなか積もらないし、そういう現象すら目にすることがない。 春になっても雪が残っている暮らしじゃないので」

「でも北海道ではそういう現象があって、そう言われてみたら、確かに木の根元だけが先に雪がとけているって、やっぱり木が生きて、木としての静かなエネルギーを発しているからこうなるんだなと思ったら、ちょっと感動しません?」

Sitakke
会場内には夏井さんとのフォトスポットもあります

「プレバト才能アリ展」で展示されている「才能アリ」の俳句の数々も、それぞれの多種多様な人生経験がもとになって生まれています。技術はもちろん、その人にしか思いつかないエピソードや想像力を楽しめるのも俳句の魅力です。

夏井さんは、展示されている俳句について、「私にとっては思い出帳みたいなもので、自分のでも誰かの句でも、その場面がありあり思い出せる。 脳の中から1場面がリアルに瑞々しいネガみたいにピューって出てきて、脳の中で再生される」と話していました。
テレビをご覧になっているみなさんにとっても、「あのときの放送で印象に残っていた句だ!」といった楽しみ方もできるかもしれません。

北海道に住む私たちだからこそ詠める情景はあるだろうか、自分だからこそ句にできる思い出はあるだろうか…。
そんなふうに想像力を膨らませながら、展示を楽しんでみてはいかがでしょうか。

プレバト才能アリ展 芸能⼈の名作と劇的添削 2012-2026(札幌会場)

Sitakke
黒板アートなど大きさから作品のインパクトを感じつつ、近くで見ると細やかな工夫が見て取れるものもあります。多彩なジャンルの作品が展示されています

・期間:2026年4⽉22⽇(⽔)~5⽉11⽇(⽉)
・時間:午前10時~午後8時(最終入場午後7時) ※最終日は午後5時まで(最終入場午後4時)
・会場:大丸札幌店 7階ホール(北海道札幌市中央区北5条西4丁目7)
・入場料などの詳細は、イベントのホームページからご確認ください

取材:HBCアナウンサー・梶原小春
文・編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の情報は記事執筆時(2026年5月6日)の情報に基づきます

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