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「お前がいると会議が長い」と言い放った日、俺が切り捨てたものに気づくまで

  • 2026.5.3
ハウコレ

あの言葉を言ったのは俺だ。正しいことをしたと思っていた。プロジェクトが崩れていくまでは。

「早く終わらせろ」という圧力

あのころ、上から「会議を短くしろ」「意思決定が遅い」と言われ続けていました。チームの時間を削ることに必死で、毎回議論を引き延ばす部下の存在が、どうしても引っかかっていました。

「この工程は誰が担当しますか」「スケジュールがこのままだと納期に間に合わないのでは」

彼女の指摘は的外れじゃない。それはわかっていました。でも、時間がなかった。

「わかりました」の一言

会議の後、俺は彼女を呼び止めました。「お前がいると会議が長い。みんな困ってるぞ」彼女は少し間を置いて「わかりました」とだけ答え、頭を下げました。

翌週から彼女は黙るようになりました。会議が早く終わり、上からの評価も上がった。でも何かが薄くなっていく感覚を、言葉にできないまま放置し続けていました。

崩れた夜

リリース当日に重大なバグが発生したとき、最初に思い出したのは彼女の声でした。「テスト期間が足りないのでは」。黙らせる前、一度だけ彼女が言いかけた言葉です。

クライアントへの対応に追われながら、ずっとそのことを考えていました。あのとき「それ、もっと詳しく聞かせてくれ」と言っていたら。

そして...

翌朝、彼女のデスクに行って頭を下げました。「前に言ってた、テスト期間のこと。正しかった。聞いておけばよかった」。彼女は何も言いませんでした。

俺が切り捨てたのは、会議の時間じゃない。チームを守ろうとしていた声だった。頭を下げながら、それがようやく見えた。遅すぎたが。

(40代男性・エンジニア)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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