1. トップ
  2. エピソード
  3. 「この資料、誰が作ったの?」上司の一言で、何年も私の手柄を盗み続けた先輩が黙った会議の日

「この資料、誰が作ったの?」上司の一言で、何年も私の手柄を盗み続けた先輩が黙った会議の日

  • 2026.5.31
「この資料、誰が作ったの?」上司の一言で、何年も私の手柄を盗み続けた先輩が黙った会議の日

ずっと先輩のものになっていた成果

職場に、人の仕事をさりげなく横取りする先輩がいた。

最初に気づいたのは入社して数年目の会議だった。

自分が徹夜で仕上げた分析資料を、先輩がそのまま説明し始めた。

「この分析は私がまとめたもので」と割り込む間もなく、上司から「よくできてるね」と褒められたのは先輩だった。

最初は「そういうものかもしれない」と受け流した。

でも、それが毎回続いた。自分が夜中まで作り込んだデータをもとに先輩がプレゼンし、評価はそちらに積み上がっていく。

気づけば、自分の名前が成果として残ったことは一度もなかった。誰がどの仕事をしているか、上司には見えていないのかもしれないとさえ思った。

何度か「次は私が説明します」と言おうとした。

でも先輩は会議の直前に資料を手に取り、場の流れを作ってしまう。

声を出す前に先手を打たれる。直接言えばいいとわかっていても、何年もかけて根付いた構図は、簡単には崩せなかった。

その間も資料作りは続けた。なぜ作り続けたのかと聞かれれば、仕事だからとしか言えない。

でも、このまま終わるのは違うという気持ちも、確かに積もっていた。

前日に仕込んだ一手

ある会議の前日、ついに限界が来た。

直属の上司を廊下で呼び止め、個別に話した。

「明日の資料は私が作成したものです。会議中に、誰が作ったか確認していただけますか」

穏やかに、でもはっきりと伝えた。

上司は少し表情を変えたが、「わかった」と言ってくれた。

その夜は、どこか少し気持ちが軽かった。

翌日の会議が始まった。先輩がいつものように資料を手に取り、説明を始めようとした、そのタイミングで上司が口を開いた。

「この資料、誰が作ったの?」

会議室が、少し静まった。

先輩が答えを探す間が生まれた。

「補足します」の一言

先輩が答えあぐねているのを見て、私は静かに手を挙げた。

「補足します」

そう一言だけ添えてから、この資料を作った経緯と、データに込めた工夫を淡々と説明した。

感情は込めなかった。根拠と数字だけを積み上げた。先輩は途中から何も言わなくなった。

出席者が静かに耳を傾けているのを感じながら、最後まで話した。

説明が終わると、会議室にひとつ、静かなうなずきが広がった気がした。

会議が終わると、上司が近づいてきた。

「次は君が説明して」

短い言葉だったが、長く続いた理不尽が静かに終わった瞬間だった。

前日の根回しがなければ、今日もきっと同じ結果になっていた。あのとき上司に声をかけたことを、後悔はしていない。根回しも、あの一言も、やってよかったと思っている。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる