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マスク姿しか知らない子どもに【素顔を見せた日】──思いがけないひと言

  • 2026.4.28

仕事中はマスクが必須な職種の知人。職場でよく会う子どもに初めて素顔を見せたところ、心が洗われるひと言をかけられました。知人から聞いたお話を紹介します。

画像: マスク姿しか知らない子どもに【素顔を見せた日】──思いがけないひと言

調理員

私は30代のワーママです。
仕事は保育園の給食を作る調理員。
子ども好きという性格と、調理師の免許を持っているということで、この仕事を選びました。

調理室はガラス張りなので、子どもたちはしょっちゅう給食を作る様子を覗きにやって来ます。
「今日の給食なーに?」「おいしそう!」
など、声をかけてくれる子どもたち。

そんな交流が楽しかったですし、目の前の子どもたちが実際に食べると思うと、やりがいもありました。

ただ、こういった仕事ならではの環境が、子どもたちとの交流の障害になることがあったのです。

誰か分かってもらえない

それは、仕事中必須であるマスクと帽子を取ると、私だと気づいてもらえないということです。

街中でも、こちらが「○○ちゃんだ」と気づいても、向こうはまったくスルー。
「そりゃそうだよね。マスクと帽子をしている顔しか見たことがないんだもの」
そう思い、声をかけず見送ることがほとんどでした。

それと共に、少し寂しい気持ちを抱いていたのです。

素顔で会う

いつもどおり、給食の配膳が済んで片付けも終わった頃のこと。

白衣を脱いだ私は、帰宅の準備をしていました。
そのとき、「失礼しまーす」という声とともに職員室の扉を1人の子どもが開けました。
見ると、いつも調理室を覗きに来るB君です。

思わず「あら、B君」と声をかけましたが、B君は私が誰だか分からないようす。
しばらく経って、「あ、調理室の〇〇先生か!」と分かったようでした。

「マスクしてないのに、よく分かったね」
私がそう言うと、B君はこんなことを言ったのです。

「目で分かったよ。〇〇先生って優しい目しているんだもん!」

B君の言葉に、私の心には温かいものが広がっていきました。

純真な心

長く付き合っている人が初めてマスクを取ったとき、大人同士だと余計なことを考えがちな気がします。

私含め、「こういうお顔だったのね」「想像とちょっと違ったかも」など、どこか小さな悪意が心をよぎることも。
私自身、そんな自分の意地悪な心をどうにかしたいと思っていましたが、今回のB君の言葉でその思いを強くしました。

まだ気を使える年でもないB君。
だからこそ、彼の言葉は“本音”だと分かるのです。

子どもの純真さに、心が洗われた出来事でした。

【体験者:40代・女性パート従業員、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Junko.A
子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。

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