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「新築より2,000万安い」リノベ団地を購入した30代夫婦→数ヶ月後、夫婦関係まで悪化させた“床の違和感”

  • 2026.5.21
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

最近は、築40年以上の団地をおしゃれにリノベーションした物件が若い世代を中心に人気です。

「新築より安い」
「カフェみたいでおしゃれ」
「無垢風フローリングが素敵」

そんな理由で購入を決める方も少なくありません。ただ、実際の現場では、“見えない部分”が原因で、購入後に大きなトラブルへ発展するケースもあります。

今日は、築古のリノベ済み団地を購入した30代夫婦が、入居後に思わぬ異変に直面したエピソードをご紹介します。見た目では分からなかった問題とは何だったのか。中古リノベ物件を検討している方には、ぜひ知っておいていただきたい現実です。

「新築より賢い買い物をした」と喜んでいた30代夫婦

今から2年ほど前、筆者の大学時代の後輩である30代前半のご夫婦が体験したエピソードです。

夫婦は「新築マンションは高すぎる」と感じ、築40年以上の団地をリノベーションした中古物件を購入しました。物件は、無垢風フローリングやカフェ風キッチン、間接照明などを取り入れた“おしゃれリノベ済み物件”でした。価格も周辺の新築より2,000万円近く安く、夫婦は「かなり賢い買い物をした」と感じていたそうです。

内見時、奥さまも「ここなら新築じゃなくても十分です」と嬉しそうに話していました。

しかし入居から数ヶ月後。梅雨前の5月頃から、部屋に異変が起き始めます。

「床がフワフワする…」違和感の正体は“床下の腐食”

最初の異変は、リビングの床でした。歩くと一部がわずかに沈み、奥さまも「なんか、この辺だけフワフワしない…?」と違和感を覚えたそうです。

管理会社へ相談し、業者が床を剥がして調査したところ、床下では給排水管周辺が大きく腐食。漏水跡(漏れた水の跡)も広範囲に及び、下地材まで傷んでいました。

さらに、築古団地特有の古い規格の配管だったため、一部分だけの補修では対応できない状態だったそうです。結果的に、次のような大規模工事が必要となり、追加工事費は200万円を超えました。

  • 床全面の解体
  • 配管交換
  • 下地補修
  • 床材の再施工

「え…中古買った意味、なくないですか…?」

ご主人は絶句していました。

「誰が負担するのか」で管理組合・売主・夫婦が揉め始めた

さらに厄介だったのは、“責任の所在”でした。マンションの給排水管の責任範囲には、大きく分けて次の2種類があります。

  • 専有部分(自室の床下を通る横引き管など)
  • 共用部分(上下階を貫く縦管)

一般の方には分かりづらいのですが、どちらが原因かによって修繕費の負担先が変わるケースが多いのです。

今回、腐食が見つかったのは主に専有部分側だったため「所有者負担になる可能性が高い」と判断されました。一方で、共用部分との接続箇所付近にも漏水跡があり、

「本当に専有部分だけが原因なのか」
「共用部分からの影響はないのか」

という話になり、管理組合との協議が長期化。さらに、売主側も「リノベーション時には問題ありませんでした」と主張しました。

中古物件では、“引き渡し時に分からなかった不具合”を巡って責任問題になることがあります。しかし築古物件は経年劣化との線引きが難しく、責任の所在が曖昧になりやすいのが実情です。

結果として、

  • 工事申請
  • 管理組合の承認
  • 近隣住民への説明
  • 工事日程の調整

まで必要となり、対応は数ヶ月単位に及んだそうです。

ホテル生活で生活費が急増…夫婦関係まで悪化した

工事中、夫婦は部屋に住めなくなり、最終的にはビジネスホテル生活を余儀なくされたそうです。当然、次のような出費も増加しました。

  • ホテル代
  • 外食費
  • コインランドリー代
  • 通勤交通費

さらに築古団地では「配管を交換したら別箇所も傷んでいた」という追加工事が発生しやすく、工事も長期化。次第に夫婦の会話も荒れていったそうです。

「だから築古は嫌だったんだよ…」
「でも予算的に仕方なかったじゃん!」

ご主人も後に「内装のおしゃれさしか見えてなかったです」「見えない部分を甘く見てました」と振り返っていました。

リノベ済み物件は「配管履歴」まで確認しないと危険

リノベ済み物件は内装が綺麗でも、建物そのものの問題まで解決されているとは限りません。特に築40年以上の団地やマンションでは、以下のような“見えない部分”まで確認することが重要です。

  • 給排水管
  • 床下
  • 電気配線
  • 共用部分の修繕履歴

実際、リノベーション物件の中には「内装だけのやり替え」「配管は既存利用」というケースも珍しくありません。購入前には、最低でも次の点は確認してほしいと思います。

  • 給排水管の交換履歴
  • 専有部分配管の更新有無
  • 共用部分の大規模修繕履歴
  • 管理組合の議事録
  • 漏水履歴の有無
  • 工事範囲の詳細

また、価格が安い理由を疑う視点も重要です。

築古物件は、購入後に数百万円単位の追加工事が発生するケースがあります。「新築より安いから得」ではなく、将来どこにお金がかかる可能性があるのかまで含めて判断しないと、今回のように“あとから高くつく買い物”になりかねません。

団地リノベは魅力的ですが、「見た目」だけで判断せず、見えない部分まで確認することが非常に重要です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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