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GW旅行から帰宅した30代夫婦「なんだか部屋が…」水漏れで120万円被害も…保険金が全額下りなかったワケ

  • 2026.5.14
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わってきた、マンション管理士のS.Kです。長期の旅行で家を空けている間に水回りのトラブルなどが起きると、発見が遅れることで被害が深刻化することがあります。

今回は、連休明けに自宅の寝室が水浸しになり、上階からの漏水で多額の被害に遭ったご夫婦のエピソードを紹介します。

旅行からの帰宅後に発覚した水漏れと120万円の被害

築15年の中規模マンションの7階に暮らす、30代のCさん夫婦の事例です。ご夫婦は共働きで、ゴールデンウィークの後半に4泊5日の国内温泉旅行を楽しんでいました。

連休最終日の夜に帰宅して玄関のドアを開けると、微かな湿気を感じます。夫が「なんだか部屋が湿っぽくないか」と首を傾げながら寝室へ向かうと、天井のクロスが大きく膨らみ、ポタポタと水滴が落ちていました。すぐに、管理会社の24時間緊急コールセンターへ連絡します。

駆けつけた設備業者が調査した結果、原因は上階からの漏水だと判明しました。上階の居住者も連休で帰省していましたが、床下にある給水管に極小の穴が開くピンホール現象が起きていたのです。

築15年を過ぎた頃から起こりうる現象で、数日間にわたって水が漏れ続けていました。寝具一式やベッドフレームなどの家財が90万円、天井やフローリングの補修に30万円かかり、被害は合計で約120万円に達します。

保険会社からの提示は70万円。時価払いと新価払いの違い

専有部を通る配管から発生した漏水は、原則として加害住戸である上階の責任となります。今回のケースでは、マンションの管理組合がマンション総合保険に「個人賠償責任特約(包括契約用)」を付帯しており、居住者全員が対象となるこの特約から補償を受けることになりました。

しかし、保険会社から提示された金額は約70万円でした。実はクロスやフローリングなどの修理費は実費に近い金額が出る一方、家財は経年劣化を差し引いた現在の価値である「時価」で評価されるのが原則です。そのため、購入価格と補償額の間に大きな差が開いてしまうのです。

なお、補償内容や保険金の支払条件は、加入している保険会社やプランによって異なります。必ずしもすべてのケースで同様の判断になるわけではないため、ご自身の契約内容を確認することが大切です。

自分の保険での自衛と長期不在前の水回りチェック

不足する家財の買い替え費用などについては、Cさん自身が加入している火災保険の「水濡れ補償」を利用してカバーすることになりました。ご自身の契約内容によっては、家財も現在の新品価格で補償される新価払いの特約が付いているケースがあります。万が一の事態に備えて、水濡れ補償の内容を一度見直しておくのがおすすめです。

近年は保険料値上げを背景に、管理組合が包括契約の特約を外すマンションも増えています。その場合は、加害住戸が個人で加入する個人賠償責任保険で対応することになるため、各居住者が個別に契約状況を確認しておくことも重要です。

長期不在にする際は、自分が加害者にならないための予防習慣も重要です。出かける前には、洗濯機や食洗機の止水栓を閉め、給湯器の電源も可能な限り落としておきましょう。ただし、冬季や寒冷地では電源を落とすと凍結防止機能が作動せず、配管破裂の原因となる場合があるため、取扱説明書等で確認してください。

マンションの漏水は、自分が被害者にも加害者にもなりうる厄介な問題です。特に連休前には水回りのチェックを徹底し、留守中の漏水トラブルを未然に防ぎましょう。



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。

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