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GW直後に車と接触、一時停止で「ちゃんと止まった」はずが…過失割合を大きく左右した“数秒の油断”

  • 2026.5.14
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

「一時停止ではちゃんと確認したはずなのに…」

事故後、お客様からそうした声を聞くことは少なくありません。特に、住宅街の交差点では、「相手の車が速かったのでは?」「こちらは止まったのに…」という不満につながるケースも多くあります。

しかし実際には、見たつもりや確認したつもりが原因で、一時停止側の過失が大きく判断されることも多いです。

「ちゃんと確認したのに…」納得できなかったAさん

ゴールデンウイークが終わってすぐ、住宅街で事故に遭ったAさんが来社されました。事故現場は、見通しがあまり良くない交差点。Aさん側には一時停止の標識がありました。

Aさんは停止線で一度しっかり停止したつもりだったそうです。そして左右を確認し、「大丈夫そうだ」と判断して交差点へ進入。しかしその直後、横から来た車と接触してしまいました。

Aさんはかなり納得できない様子でした。

「ちゃんと止まったし、確認もしたんです。相手の車が思ったより速かったのでは?」

確かに、運転している本人としては確認した感覚があります。ですが、事故では「確認したつもりだったか」ではなく、安全に進行できる状態だったかが重視されるのです。

一時停止側は「より強い安全確認義務」がある

交通事故では多くの場合、一時停止側により強い安全確認義務があると判断されます。つまり、「停止したかどうか」だけではなく、

・左右の安全確認が十分だったか
・見えにくい場所で慎重な行動を取っていたか
・相手車両を発見できる状況だったか

などが総合的に見られます。

住宅街や見通しの悪い道路では、建物や塀、駐車車両などで視界が遮られていることも多く、一度見ただけでは不十分とされるケースも少なくありません。

Aさんも後からドライブレコーダー映像を確認すると、停止後に左右を見たものの、発進のタイミングでは十分に再確認できていませんでした。

本人としては「見た」という認識でも、安全確認不足と判断されてしまったのです。その結果、Aさんの過失割合の方が大きくなり、最初は不満を漏らしていましたが、最終的には「ルール上そうなるなら仕方ないですね…」と受け入れておられました。

“見たつもり”を防ぐためにできること

一時停止事故は、ほんの少しの油断や思い込みで起きてしまいます。特に、慣れた道ほど、「いつも車は来ない」「大丈夫だろう」という感覚が強くなりがちです。だからこそ、次のような意識が大切になります。

必ず完全停止する

まず大前提として、一時停止では完全に車を止めることが必須です。タイヤが完全に止まり切っていない状態は、停止したつもりでも一時停止違反と判断されます。

また、ブレーキを軽く踏みながら進むだけでは、安全確認が不十分になりやすいため、しっかり踏み込んで停止するよう意識しましょう。

「二度見」を意識する

一度確認しただけで発進せず、もう一度見る意識も重要です。発進直前は、歩行者や自転車、右左折してくる車が急に現れることがあります。

「確認した」ではなく、「本当に安全か」を最後にもう一度見るだけで、事故リスクは大きく変わります。

見通しの悪い場所ほど慎重に

塀や電柱、駐車車両がある交差点では、相手からもこちらが見えていない可能性があります。そのため、停止後すぐに飛び出すのではなく、ゆっくり前に出ながら再確認しましょう。

「自分の車は相手から見えているだろう」「相手はこちらを見ているだろう」という思い込みは危険です。

焦らない運転を心がける

事故が起きる場面では、「急いでいた」「早く行きたかった」というケースも少なくありません。時間に余裕がないと、安全確認がどうしても雑になりがちです。

数秒を急いだ結果、事故や保険料アップにつながってしまっては本末転倒です。ハンドルを握ったら焦らない運転を心がけてください。

一時停止は「止まった」だけでは足りない

一時停止事故で多いのは、「ちゃんと確認したつもりだった」という第一声です。しかし実際には、完全停止と十分な安全確認の両方が求められます。なかでも、基本的には一時停止側は責任が重く判断されやすいため、「見たつもり」「大丈夫だと思った」では不十分とされることも珍しくありません。

慣れた道ほど油断せず、完全停止と二度見を意識すること。

それが、事故だけでなく「納得できない過失」から自分を守る大切なポイントです。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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