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「410万円のプラド」に一目惚れした34歳男性→拭き上げだけで40分、洗車で直面した"想定外の誤算"

  • 2026.6.1
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

今回お話を伺った34歳男性が手に入れた、憧れのランドクルーザープラド。しかし待っていたのは、40分の洗車や駐車場探しなど、想像以上の不便さでした。それでも「買ってよかった」と語る理由とは。不便さも愛着に変わる、価値観が変化したカーライフの物語をお届けします。

釣りのため、という建前。本当はプラドに乗りたかった

まだ街が静寂に包まれている週末の早朝。冷たい空気の中、ロッドや長靴などを大きな荷室へと一つずつ積み込んでいく時間が、たまらなく好きだと彼は語ってくれました。

今回お話を伺った34歳の男性は、2024年に410万円でランドクルーザープラド中期型ディーゼルを購入しました。以前乗っていた車でも道具を積めないことはなかったそうですが、プラドに荷物を並べていくという行為そのものが、その日の釣行を少し特別なものに感じさせてくれるといいます。

周囲には「釣りが趣味で未舗装路を走るから」と購入理由を説明しているそうです。しかし、それはあくまで建前なのだと、彼は少し照れくさそうに教えてくれました。本当のところは、大きくて迫力があり、ただ単純にカッコいい車に乗りたかったという思いが、ずっと胸の奥にあったのだそうです。

合理的な車選びをやめ、410万円の決断に至るまで

そんな本音を抱えるようになる前、彼はステーションワゴンに乗っていました。燃費や日々の実用性を重視した、非常に合理的な車選びをしていたのです。日常使いもしやすく、荷物もしっかり積めるため、車としては十分に正解だったと感じていたといいます。

一方で、週末に趣味の釣りで霞ヶ浦周辺へ出かけるたびに、少しずつ不満や不安が顔をのぞかせるようになります。田んぼ道や湖畔の細い未舗装路を走ると、普通の乗用車では泥はねや飛び石が気になり、背の高い雑草が車体下部に擦れる音が響きます。対向車とすれ違うために傾斜側へ車を寄せるときなどは、下回りを擦ったりバンパーを割ったりしないかと、常に気を張らなければならなかったそうです。

もっと気を使わずに釣りへ行ける車が欲しい。その実用的な欲求は、悪路に強く車高が高いという、圧倒的な存在感を放つプラドへの憧れと次第に重なっていったそうです。長く乗れそうだから、壊れにくそうだからと、購入を正当化する理由はあとからいくらでも作れました。それでも、410万円という決して安易には踏み切れない大きな決断を後押ししたのは、実用性ではなく、心の中にずっとあった強い憧れだったようです。

霞ヶ浦へ向かう朝、視界の高さで気持ちまで変わった

そうしてついに迎えた納車の日。初めて運転席に座り、アクセルを踏んだときの感動は今でも色褪せないと彼は語ります。目線の高さ、車内の広さ、そして圧倒的な大きさの車を操っているという満足感は、これまでの車では味わえないものでした。見慣れたはずの道路が少し違って見え、視界が高いだけで自分の気持ちまで大きくなったような、不思議な安心感に包まれたそうです。

その安心感が最も発揮されるのは、やはり霞ヶ浦へと向かう週末の朝です。湖畔に近づくにつれて道幅は狭くなり、舗装されていない田んぼ道が現れます。対向車を避けるために道路脇の傾斜へ車を寄せる場面でも、プラドであれば下回りを擦る心配が減り、心に余裕を持って進むことができるといいます。

霞ヶ浦沿いに車を停めて釣り道具を降ろしたあと、ふと振り返って自分のプラドを眺める瞬間。朝日を浴びて堂々と佇むその姿を見るたびに、やっぱり買ってよかったと心が満たされるそうです。釣り場へ向かう道中の不安を和らげてくれるだけでなく、移動そのものを楽しい時間に変えてくれる相棒を手に入れた喜びが、言葉の端々から伝わってきました。

想像以上の不便さと、直面した現実的な維持費

しかし、高揚感ばかりが続くわけではないのも事実のようです。過度に美化するつもりはなく、プラドとの生活にはリアルな不便さが伴うと、彼は率直に話してくれました。

たとえば、洗車は大きな手間のひとつです。洗車機を通したあとの拭き上げだけでも約40分かかり、以前の車の倍近い時間が必要です。車体が大きいため、ルーフやフロントガラスの上部などは脚立がないと手が届きません。さらに、都内の立体駐車場には入れないことが多く、駐車場選びに苦労したり、相場より高い料金を払ったりする場面も少なくないといいます。また、車高が高いため、登り坂を上り切る直前に視界が上方向へ向き、地面が見えにくくなるという独特のクセにも、いまだに少し戸惑いを感じているそうです。

一方、維持費については、購入前の想定よりも現実的な金額だったと感じているそうです。車検は12万円ほどに収まり、保険は約10万円、燃料代は月に2.5万〜3万円程度。もちろん年齢や使用状況によって変わるため誰でも安く維持できるわけではありませんが、事前に把握していたこともあり、彼にとっては大きな負担感はなかったと振り返ります。

面倒まで含めて愛着に。所有感で選ぶカーライフ

プラドは決して万人にとって扱いやすい車ではなく、欠点もはっきりしています。それでも不便さが後悔につながらないのは、それを上回る圧倒的な所有感があるからだといいます。

洗車は大変でも、きれいになった車体を見ると報われる気がする。駐車場選びが面倒でも、遠くから自分の車がすぐに見つかる存在感は誇らしい。未舗装路ではこの上なく頼もしい。便利だから選んだのではなく、不便さをわかったうえで、それでもこの車に乗りたかったのだと、彼は力強く語ってくれました。

プラドを所有したことで、彼の車選びの価値観は大きく変わりました。燃費や取り回しといった合理性だけでは測れない満足感があり、多少不便でも乗るたびに気分が上がる車には、それだけの価値があると気づいたそうです。

今後同乗する人数が増えたとしても、この広い車内でゆったりと過ごしてほしいと考えているとのことです。この車と過ごしたいから選ぶ、その感覚を知ってしまった以上、次に車を選ぶとしても、きっと大きな車を選ぶことになるだろう。そんな彼の言葉からは、車とともに歩むこれからの豊かな日々が、自然と想像できました。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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