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「片づけなさい!」整理整頓の鬼だった母が、亡くなる直前まで隠し持っていた『ゴミ同然の宝物』に涙

  • 2026.4.17

たとえ家族でも、整理整頓への価値観が違うと一緒に暮らすのは大変ですよね。片付けを強いる側と、物を大切にしたい側。この埋まらない溝に悩み、衝突してしまうことも少なくありません。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。

画像: 「片づけなさい!」整理整頓の鬼だった母が、亡くなる直前まで隠し持っていた『ゴミ同然の宝物』に涙

「片付けなさい!」が口癖の母

子どもの頃から、私は毎日のように「また散らかってるじゃないの」「早く片付けなさい!」と母に叱られていたものです。

物を捨てるのが苦手で思い出を抱え込みたい私に対し、母は驚くほど潔い性格で「丸一年使わなかったものは今後も使わないよ」が口癖。
リビングはいつも整然としていて、必要がなくなったものはどんどん処分してしまいます。

「お母さんは冷たい。思い出なんてどうでもいいんだ」
そんな反発心を抱えたまま、私は大人になりました。

母が好きな「無駄がなく、整った家」は、当時の私にはどこか血が通っていないようにさえ見えていたのです。

遺品整理で見つけた箱

そんな母が昨年亡くなり、私は遺品整理をすることになりました。
予想通り、母の持ち物は驚くほど少なく、部屋はどこまでもすっきりと片付いていました。

ところが、クローゼットの最上段に、その整った空間とはあまりに不釣り合いな、古びたお菓子の空き箱がいくつか並んでいるのを見つけたのです。

埃をかぶったその箱だけが異様な存在感を放ち、私は思わずその場で立ちすくみました。

詰まっていた小さな宝物

不思議に思いながら蓋を開けると、そこには黄ばんだ画用紙に描かれた私の下手な似顔絵、運動会で拾ったただの石ころ、そして中学生の時に適当に書いて贈った「肩たたき券」。
そんな小さな宝物たちが、行儀よく並んでいました。

「捨てなさい」と私を叱り、あらゆる物を処分してきた母。
その母が、一見すればゴミのような物を何十年も、クローゼットの中で大切に抱え続けていたのです。

自分の物は躊躇なく捨てるのに、私との思い出だけは手放せなかったのかと思うと、胸が詰まりました。

母がこっそり守っていたもの

母は決して冷たい人間ではなかったのです。
もしかしたら、徹底して整理整頓をしていたのは、本当に大切なものを見失わないためだったのかもしれません。

もう直接は聞けないけれど、あの箱に触れたとき、初めて母の優しさを理解できた気がしました。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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