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「早くしろよ」コンビニで新人にキレる客。だが、次の客が放った一言で救われた話

  • 2026.5.27
「早くしろよ」コンビニで新人にキレる客。だが、次の客が放った一言で救われた話

バーコードが通らない。焦りが募るレジの前で

夕方、買い物の帰りに立ち寄ったコンビニで、その場面を目撃した。

レジに並んだとき、カウンターの前にいたのは研修中の名札をつけた若い店員さんだった。

商品のバーコードをスキャンしようとするのだが、角度が合わないのか何度やってもうまく読み取れない。ピッという音がせず、もう一度、また一度と試みるうちに、手元が少し震えているように見えた。

カウンターの真ん前に立っていたのは、40代くらいに見える男性客だった。

腕を組んだまま、舌打ちまじりに小さく吐き捨てた。

「早くしろよ」

声は大きくないが、店員さんの肩がびくっと跳ねたのがわかった。

空気が一気に固まり、手元の動きはますます小さくなっていく。

その男性客は会計だけ済ませると、舌打ちを残して足早に店を出ていった。

代わって列の先頭に進み出たのは、私のひとつ前にいた中年の男性客だった。声は低く、穏やかで、急かすような色は少しもなかった。

「ゆっくりで大丈夫、誰だって最初はそんなもんだよ」

店員さんの手がふっと止まった。それから、少し間があって、顔が上がった。

驚いたような、それでいてほっとしたような、その両方が混ざった表情だった。

空気が変わった瞬間を、私はレジの後ろから見ていた

店員さんは「ありがとうございます」と小さく言って、もう一度バーコードをかざした。今度はしっかりピッと鳴った。

その後の会計は流れるようにスムーズだった。焦りが抜けたのだろう、動作がさっきより落ち着いて見えた。

受け取った小銭を渡す手も、ちゃんと安定していた。お客さんへの「ありがとうございました」の声にも、さっきとは違う張りがあった。

お客さんはそれ以上何も言わず、釣り銭を受け取るとさっさと出て行った。大げさに褒めるわけでも、過度に気を使うわけでもない。ひとこと言って、それだけ。後を引かない潔さだった。

私の番になったとき、店員さんの顔つきが少し変わっていた。緊張の色が薄れて、ちゃんとこちらの目を見てくれた。

「ありがとうございました」

レジを離れながら、胸の中が温かかった。自分が言われたわけでもないのに、どこかほっとした気持ちになっていた。

あのお客さんがあの場であの言葉を選んだこと。それだけで、あの空間の空気が変わった。

焦っている人に「早くして」と言うのは簡単だ。でも「ゆっくりでいい」と言える人は少ない。こういう一言が言える大人でいたいと、帰り道にしみじみ思った。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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