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【60代介護】「遠距離介護になったらどうすればいい?」「経済的負担が不安」「親が介護サービスを嫌がったら?」介護で抱えがちな不安を専門家がアドバイス!

  • 2026.4.15

介護にまつわる悩みは多岐にわたり、そのなかにはなかなか人に相談できないものも。介護への向き合い方や、じつはよくあるお悩みについて、専門家に聞きました。

抱え込まず、プロを頼ってビジネスライクな介護を

介護への向き合い方について、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんに伺いました。

「介護においてまず大切なのは、それまでの生活を変えないこと。介護のために仕事をやめる人や趣味を手放す人がいますが、可能な限り諦めないでほしいのです。もちろん状況的に難しい場合もありますが、介護に専念するあまりそれ以外のものを手放すと、精神的な負担がさらに増してしまいます。その人にはその人の人生があります。大変な状況のなかでも、できるだけ同じ暮らしを続けるよう心がけてみてください。

あとは、相談相手を慎重に選ぶことも大切。介護をしている友人がいたら、つい悩みや困り事を相談したくなりますが、それは要注意。たとえば、同居介護をしている人が別居介護をしている人に『あなたは別居だからいいわね』と言ってしまうことも。しかし、別居介護の人にはその人なりの大変さがあるわけで、それを共有することは難しいのです。

介護の環境や状況は人それぞれで、なにを大変と思うかの基準もそれぞれ。相談することで自分が傷つく、または不用意に相手を傷つけてしまうケースも。『この人は必ず自分の味方になってくれる』という確信がない限り、知人への相談は慎重になったほうがいいでしょう。誰かに相談したい場合は、ケアマネジャーや地域包括支援センターなど、プロに頼るのがいいですね。

相談だけでなく、介護サービスなどプロの力を借りることは、介護において非常に重要。親がサービスを拒否しても、その言葉をそのまま受け止めず、説得を試みてください。

いまの時代、家族だけで介護を完結させるのは無理があります。まじめでやさしい人ほど周囲を頼ることができず、ひとりで抱え込みがち。これが、昔から変わらない介護の大きな問題点です。時代が変わって介護のサービス自体は充実しても、介護の悩みは大きくは変わっていません。仕事のような感覚で割りきりながら、無理をしないこと。それが介護を続けるための秘訣ですね」

こんなお悩み、どうすればいい?

遠距離介護のポイントは?

遠距離介護では、距離があるからこそ早い段階でサービスにつなげることが重要です。地域包括支援センターやケアマネジャーと連携し、親にも納得してもらいながら支援体制を整えましょう。頻繁に通えないことに罪悪感を抱く必要はありません。また、交通費がかかるのも遠距離ならでは。飛行機を使う場合は航空会社の介護割引などを活用し、きょうだいがいる場合は負担方法を家族で話し合っておくと、無理なく続けやすくなります。

親がサービスを嫌がる場合

介護サービスを受けたり施設に入ったりすることに抵抗感を示す親は多いです。そんなときは、親が信頼するかかりつけ医やケアマネジャーなど、第三者に説得をお願いするのも手。また、この世代の親たちは長男など男性兄弟の意見を受け入れやすい傾向があるため、兄弟がいる場合はその役割を任せるのも一案です。理不尽に感じられるかもしれませんが、「親を説得できればいい」と割りきることが円滑な介護への近道となります。

介護が突然スタート。まずどうしたらいい?

多くの場合、介護は急に始まります。「最初になにをしたらいいの?」と慌ててしまいがちですが、まずは「親の住む地域の地域包括支援センターに相談すること」。プロの視点で、適切なサービスを提案してくれます。また、普段からできることとしては、いずれ施設に入ることを想定して、親に希望を聞いておくこと。どんなタイプの施設に入りたいか、立地の希望はあるかなど、これもあらかじめ話し合っておくことが大切です。

介護による経済的負担が不安

入院費や施設費など、介護にはいろいろとお金がかかります。それらの費用は、「本人(親)のお金でまかなってもらう」のが原則です。素敵世代は自分の老後も近づいており、親と自分の介護費を同時に負担するというのは現実的ではありません。そのためには早い段階で家族会議を開き、費用の考え方や支払い方法を共有しておくこと。お金については特に、親が元気なうちに詳細を取り決めておくことがトラブル防止にもなります。

義理の親の介護にはどう向き合えばいい?

夫の親の介護を妻が担っているというケースも少なくありませんが、基本的に介護は実の子が向き合うべきものです。「嫁がすべてを背負う」という考え方は捨て、「主となって動くのは実の子で、配偶者はそのサポート役」と覚えておきましょう。「夫は仕事をしているから、私が面倒を見なくてはいけない」という人は、事前に夫婦でよく話し合い、できることは夫にしてもらいましょう。外部サービスの利用も検討を。

構成・文/平井薫子 ※素敵なあの人2026年5月号「素敵読者の介護Stories」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

お話を伺ったのは  介護・暮らしジャーナリスト  太田差惠子さん

1993年ごろより老親介護の現場を取材。AFP(日本FP協会)の資格を持ち、「介護とお金」の分野に精通している。近著は『親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第4版』(翔泳社)。

この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

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