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「思わず声が出る」春の始まりに見つけるとうれしいものたち 「森の住人」が伝える楽しみ方

  • 2026.4.1

思わず声が出る…春の始まりの森で発見

連載「森に行こう! ~身近な自然におもしろさが詰まっている~」
札幌にある「滝野すずらん丘陵公園」の「滝野の森ゾーン」から、森の住人KENTAが、自然の魅力や楽しみ方を伝える連載です。

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北海道の長い冬がもうすぐ終わります。日差しが暖かくなり、空の色も明るくなってきて、日に日に春の訪れを感じながら過ごしている方も多いのではないでしょうか?

街中の雪はだいぶ溶けたと思いますが、森の中はまだまだ雪景色。筆者がいる滝野の森では、例年ゴールデンウィークごろまでは雪が残っているので、4月中旬くらいまではまだ冬の続き。緑の葉っぱもなく、森の中は白と茶色の地味な風景となります。

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4月上旬の滝野の森の様子

さて、今回はそんな一見何もないような「春の始まり」の森の楽しみ方をお伝えしていきます!

白と茶色しかないこの季節に、唯一と言っていいほど「色」を楽しませてくれるのが、春一番に開花するフクジュソウの黄色く輝く花たち。

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光を浴びてキラキラ光っている小さな花を見つけると、思わず声が出ます。

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フクジュソウの芽出し。雪が融けた場所からどんどん出てきます

フクジュソウは数ある野草の中でもダントツで早く咲きます。この次続くエンレイソウやエゾエンゴサクが咲くころにはほぼ花は終わって実をつけています。

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フクジュソウの実。中に甘いものをつけた種がありアリに運んでもらいます

ではなぜこんなにも早く花を咲かせるんでしょう??

なぜ早く花を咲かせるの?

ヒントはこちら。

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昆虫たちに大人気!

雪が融けて地面が見え始めると昆虫たちも動き始めます。でも昆虫たちからすると、外に出てきたものの花がなければ、花粉も集められず困ってしまいます。

しかもやっぱりまだ寒い!フクジュソウはそんな昆虫たちの事情を逆手にとって、春先のまだ寒い時期に花を咲かせる戦略を選んでいるんです!

フクジュソウの花は「パラボラアンテナ」とも言われ、太陽に向かって花の向きを変えていきます。そして太陽の光を一身に浴びて花の上の温度を上げて虫たちが集まりやすくしているんです。

虫たちにとっては寒い中でも「営業」してくれているありがたい花ですが、フクジュソウ側から見ると寒い時期でも花を温めることで花粉を運んでくれる「お客様=虫」を集めるができているんです。

とは言え、雪が残るこの時期は、昆虫たちにとってはまだ寒くてつらい時期なので見かけることは少ないのですが、こんな時期でも出てくる虫が他にもいるんです。

例えばこちら。

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これはカメノコテントウという大型のテントウムシ。背景の白いものは雪。雪と昆虫はなかなか貴重な光景!

テントウムシの仲間やカメムシの仲間は秋の内に建物の隙間などに入って越冬します。そして春が近づいて暖かい日差しが出てくると、どこからともなく登場します。夏の間はそれほど珍しい虫ではないんですが、生き物が少ないこの時期に見るとうれしくなります。

雪が残る森にチョウチョが!

さらに春を感じさせてくれるのがまだ雪が残る森に出てくるチョウチョたち!

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エルタテハ

タテハチョウの仲間は成虫のまま冬を越して、地面が見え始めるころになるとひらひらと飛び回り始めます!ちなみに写真に写っているのはエルタテハ。羽を閉じると地味で木の幹に止まってると完全に擬態してしまいますが、羽を開くとなかなかおしゃれ。

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羽を開いたエルタテハ。日が出てる時は羽を開いて体を温めます

この時期に見られる植物や生きものたちは、過酷な環境を生き抜くための個性的な戦略を持っています。数も種類も多い夏の時期には見過ごしてしまいそうな生きものたちの「生きる知恵」を発見できるのも「春の始まり」の楽しみ方です!

4月から5月にかけて、雪解けとともに毎日森の中の様子が変わっていきます。同じ場所でも別の日に行ってみると新しい発見があります。「何もない」と思いがちなこの時期だからこそ、小さな発見を楽しんでみてください!

※滝野すずらん丘陵公園(滝野の森)は4月1日~4月18日まで春季開園に向けて閉園しています。春の開園は4月19日からです。

連載「森に行こう! ~身近な自然におもしろさが詰まっている~」

文:森の住人 KENTA
国営滝野すずらん丘陵公園 自然環境マネージャー。1978年札幌生まれ京都育ち。約6年間のサラリーマン生活を経て、森についての知識・経験ゼロの状態で滝野の森ゾーンの担当になり、様々なイベントの企画や広報、森づくりなどを担当。公園内にヒグマが侵入した際は専門家と一緒に現場の最前線で調査を担当。滝野の森staffXにて監視カメラを使った野生動物たちのリアルな様子などを発信中。

編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の内容は記事執筆時(2026年3月)の情報に基づきます。

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