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本番一週間前に伴奏者が骨折…絶望した担任が、合唱祭当日に目撃した中学生たちの“驚きの底力”

  • 2026.4.24
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。
元教員ライターのkntです。

教師はやりがいの仕事、そんな風に言われることも多くありますし、実際にやりがいだらけです。

特に三大学校行事と言われる「運動会」「合唱祭」「宿泊行事」。

その中で本当にハッとした合唱祭の出来事をお話しさせてください。

本番一週間前、まさかの出来事

私たち地域の合唱祭は運動会と同時期に行われ、10月頃に行われることが多いです。

選曲は7月に行われ、もちろん行事ということもあり、9月に入ったら運動会と並行して猛練習を行います。

放課後や朝に練習するだけでなく、昼休みにクラスで自主練をするなど熱量はすさまじいものがあります。

さらに特有のルールがあり、それは、合唱曲でコンクールを行わない。といったものでした。

本来であれば、金銀銅賞をそれぞれ採点をし、優劣を競いますが、当時の赴任していた学校では順位をつけるのではなく、学年でいわゆる一つの作品を作り上げることで感動を生み出す。といったコンセプトになっていました。

ですので、1クラスだけモチベーションが低下してしまうことは許されなかったですし、学年での団結が必要になってくる時期でした。

もちろん、下級生に上級生としての凄みを発揮する、学年を一つにするために毎日本気で練習をしていました。

しかし、悲劇は突然に。

本番一週間前に、伴奏者である生徒が、腕に包帯を巻いて登校をしてきたのでした。

なんと、交通事故にあってしまい、利き腕を骨折してしまったとのことでした。

担任の私も含め、クラスは騒然としていました。

緊急の学級会

起きてしまったことは仕方ないし、まず生きていたことでほっとしました。

その日の朝、いつも通りホームルームなどできず、音楽の先生も混ぜての緊急学級会。

1時間目もお借りして、本気でどうするか話し合いました。

出せる案としては、

CDを流す、音楽の先生に弾いてもらう、アカペラで歌う。

この3つしかありませんでした。

全てのメリットデメリットを話していった中、学級委員の生徒がこう言いました。

「このピンチ、俺たちの力で乗り越えたらかっこよくない?だからアカペラでやろうよ」

中学3年生でこのマインド。

私は生徒を信じることとして、アカペラでの披露を容認し覚悟も決めました。

そこから一週間、もう一段階目の色が変わり、本番に向け練習を重ねてきました。

中学生のパワー、恐るべし

いざ迎えた本番。もう私は気が気でなかったです。本当にうまくいくのか、失敗したらどうしよう。

など負の感情を持っていました。

しかし舞台裏の生徒は違いました。

目が輝いていて、早く披露したい、そんな声まで聞こえてきました。

そして本番。

なに一つミスすることもなく、感動の歌声を届けることができました。

安堵から涙が溢れそうになりましたが、これは卒業式まで我慢と思い、なんとか堪えました。

大成功に終わった合唱祭。

逆境を乗り越えたクラスはより一層の団結力を持ち、卒業式を迎えました。

卒業式当日、最後の学活では、だれの発案かわかりませんが、アカペラの合唱を私に向かって歌ってくれました。

溢れる涙を堪えきれず、人生で一番泣いた日です。

そして教師っていいなと今でも思える最高の体験でした。


ライター:knt
中部の公立中学校で10年、生徒たちと向き合ってきました。
離れて気づいた教員の大変さであったり、現場の先生方への尊敬。現状などをみなさんにお届けします。


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