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「やっぱりハズレない」「登場した瞬間に安心感」新・月10ドラマ、メインキャストの“ハマりぶり”に反響の声

  • 2026.5.3

カンテレ制作のテレビドラマ、月10『銀河の一票』は、企画の概要を知った時点から、いかにも"攻めた一本"と感じさせた作品だ。政治は難しい、自分の生活には関係ない──選挙のたびに投票率の低さが指摘されながら、改善の兆しが見えない日本社会。そこに真正面から切り込む"選挙エンタメ"である。

『エルピス―希望、あるいは災い―』でテレビ報道のあり方をエンターテインメントとして世に問いかけた佐野亜裕美プロデューサーの最新作とあって、今期のテレビドラマの中でもとりわけ注目を集めている。大物政治家の娘であり秘書でもある主人公が、父のスキャンダルに気づき、政治のあり方と自身の生き方を問い直すために、政治素人のスナックのママとともに東京都知事選に挑むという“選挙エンタメ”だ。

ピンクのスーツと政治

そんな中、父宛てに差出人不明の封筒が届く。中には医大の学部長の転落死に関する切り抜き記事と、「あなたが殺した」と書かれた手紙が入っていた。父の過去を調べ、不審な事実を突き止める茉莉。しかし、そのことに気づいた父は茉莉を解雇してしまう。折しも現職都知事が辞職し、東京都知事選が行われることに。父は、茉莉の幼馴染である日山流星(松下洸平)を擁立する。

仕事と目標を失い、家も出た茉莉が偶然出会ったのが、スナックのママ・月岡あかり(野呂佳代)だった。茉莉はあかりに都知事選への出馬を打診し、自らの政治生命をかけた戦いに踏み出す。

印象的なのは、ピンク色の華やかなスーツをめぐるエピソードだ。女性に対する差別的な慣習が残る政治の世界で、茉莉は会食のためにそのスーツを着る。「女を武器にしている」と同性からも言われるが、本当は自分に似合うと思って買った一着だった。にもかかわらず、いつの間にか「おじさん受けを狙う」という打算的な理由でそれを纏うようになっていた自分に気づいた茉莉に、「似合っているよ」とやさしく声をかけるのがあかりだ。そのあかりの飾らない人間力に、茉莉は本来政治があるべき姿を見たのか、素人である彼女と一緒に選挙戦を戦う決意をするのだ。

黒木華と野呂佳代、名コンビの予感

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月10ドラマ『銀河の一票』第2話より(C)カンテレ・フジテレビ

本作最大の見どころは、やはり黒木華と野呂佳代の組み合わせだろう。

黒木華は、常に大物政治家の父を立て、敷かれたレールを歩いてきた茉莉が、政治家としての信念に目覚めていく過程を繊細に演じている。国民を幸福にしたいと心から願いながら、差別の残る政治の世界では我慢も必要だと言い聞かせて日々を送る。その芯の強さと、悔しさをため込んだ表情が絶妙だ。

そのバディ役となるあかりを演じる野呂佳代は圧倒的にはまり役だ。気が利いて、包容力があるが、政治のことはわからない社会全体のことには大きな関心がない存在。しかし、目の前に困っている人がいたら放っておけない。そんな地に足の着いた人物を確かな存在感で演じている。

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月10ドラマ『銀河の一票』第1話より(C)カンテレ・フジテレビ

この2人と都知事選でライバルとなりそうなのが、松下洸平演じる流星だ。茉莉の幼馴染として味方のように振る舞うシーンがある一方で、その実、茉莉の父とつながり、彼女が解雇される原因を作ってしまう。味方なのか敵なのか、松下洸平の誠実そうでいてどこか信用のおけない佇まいが、物語に絶妙な緊張感を与えている。

SNS上でも、キャストのハマりぶりに熱い反応が寄せられている。「登場した瞬間に安心感」「はまり役すぎる」「野呂佳代出演作品、やっぱりハズレない」といった声が相次ぎ、黒木華の演技力の高さにも称賛が集まっている。

「これはあなたと私の話なんです」

第1話で最も印象的だったのは、政治と生活の距離感を描いたシーンだ。解雇され失意の茉莉は、あかりのスナックで常連客に「何か困っていることはありませんか」と問いかける。しかし客たちは一様に、困りごとはありすぎて自分の生活で精一杯だと答える。

茉莉の信条は、宮沢賢治の言葉の引用で、全体が幸福でなければ個人も幸福になれないというものだ。だからこそ政治の世界で全体を良くしようと奮闘してきた。その茉莉が「これはあなたと私の話なんです」と語りかける場面には、個人の暮らしそのものが政治なのだという確信がにじむ。全体は個人の集合体であり、個人を幸せにすることが全体の幸福につながる──本作はそんな理想を物語の推進力にしていくのではないかと予感させる第1話だった。

野呂佳代演じるスナックのママなら、政治を遠いものに感じさせないだろう。政治を"自分ごと"に引き寄せるエンタメとして、本作がどう展開していくのか。最後まで見守りたい一本だ。


カンテレ制作・フジテレビ系 月10ドラマ『銀河の一票』毎週月曜よる10時〜