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30年経っても“絶賛の声”絶えない【NHKドラマ】「何度も唸らされる」再放送のたび視聴者“夢中”に

  • 2026.5.23

1996年に放送されたNHK連続テレビ小説『ひまわり』。松嶋菜々子が主演を務めたこの朝ドラは、これまで度々再放送され、配信もされており、2026年4月からNHKBS・BSプレミアム4Kで再放送されている。SNSには「面白い!」「15分があっという間に感じる」「毎回、次の回が待ち遠しい」など、絶賛の声が後を絶たない。

※以下、本文には放送内容が含まれます。

人間ドラマが魅力の朝ドラ『ひまわり』

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松嶋菜々子(C)SANKEI

朝ドラ『ひまわり』で主人公・南田のぞみを演じる松嶋は、約2,000人が参加したオーディションで、ヒロインに抜擢された。本作は松嶋にとって初主演作となり、出演後は売れっ子俳優に。脚本は、ヒットドラマ『GOOD LUCK!!』や『白い巨塔』(両方とも2003年の作品)などで知られる、人気脚本家の井上由美子が担当している。

概要
念願の仕事への異動を内示され燃えていたのに一転して、リストラにより退職を余儀なくされる二十四歳のヒロイン。さまよい、自分を見失い、“自分探しの旅”の末に彼女が見つけた大目標は「司法試験」。思えば二十年前、同じように“自分探しの旅”に出た父は未だ帰ってこない。“形の無いもの”に人生を賭け日常性を拒否した父と、その父を許し、認め、待ち続けている母。その二人に各々の複雑な思いを寄せながら同居している祖母二人。そんな微妙なバランスのうえに成り立っている家族に、今波紋が投げかけられる…。
出典:『ひまわり』番組ホームページ/NHK ONE

井上の脚本は絶妙で、唸る朝ドラファンが続出。「人物造形が巧すぎる」「骨太の人間ドラマ」「何気ない会話の中に物事の真理が散りばめられている」「構成の巧妙さに何度も唸らされる」といった感想が上がっている。

登場人物1人1人の描写が秀逸

本作の最初の方には、ヒロインの会社での上司とのやり取りや、恋人とのデート風景など、バブル期前後の“トレンディドラマ”感があった。それは、ほかの朝ドラからは感じられないような“個性”だと思ったが、少し民放のドラマを観ている気持ちになった。ところが、回を重ねるうちに、南田家に巻き起こる、さまざまな問題が描き出されるようになる。主人公・のぞみをはじめ、家族1人1人の背景や内面が綴られていき、“朝ドラらしさ”を味わえる魅力が増していった。

南田家の家族構成は、とても複雑だ。のぞみの父・徹(寺泉憲)は、20年前に家を出たっきり。母・あづさ(夏木マリ)は、どこにいるか分からない夫を待ち続けている。彼女は、自宅の一角にある“南田動物病院”の院長をしており、一家の大黒柱のような存在。姑の薫乃(藤村志保)との関係は良好だ。のぞみの弟・達也(遠藤雅)は、あづさが産んだ子ではなく、徹とあづさの友人との間に生まれた子どもだが、あづさが自分の息子のように育てている。そんな南田家に、あづさの母・長沼うららが引っ越してくる。のぞみは、母と弟と2人の祖母、そして愛犬リキと一緒に暮らしているのだ。

のぞみは、恋人の関口純一郎(大鶴義丹)と結婚する予定だが、南田家が複雑すぎるため、純一郎の両親は結婚を反対している。リストラされたのぞみは、新たな就職先がなかなか見つからない中、次々とトラブルが発生。

“弁護士を目指す朝ドラ”としてスタートした『ひまわり』だが、そこに辿り着く前の、のぞみにまつわる物語も非常に面白い。会社員時代の上司で、“春日局”と陰で呼ばれている春日ひとみ(浅野ゆう子)と、のぞみとのやり取りは、“バリキャリ”感たっぷり。マルチ商法まがいの勧誘と気づかず、犬飼サチ(沢田亜矢子)の甘い誘いに引っ掛かりそうになったりしたことも。徹とのニアミスや、達也の出生問題、そして純一郎との恋愛の行方など、毎回ハラハラドキドキしながらも、元気いっぱいの のぞみの言動からは笑顔をもらえる。松嶋の初々しい快演は、観ているだけで清々しい気持ちにさせてくれる。

斬新な“スーパーのぞみタイム”とは!?

『ひまわり』の音楽は山下達郎が担当し、主題歌『ドリーミング・ガール』も手掛けている。毎エピソード、そのイントロが流れると、SNSで“スーパーのぞみタイム”と呼ばれて楽しまれている、短い映像が映し出される。本編に関係した映像ではあるが、別に撮影されたものだ。のぞみがおでこでゆで卵を割っていたり、カレーに醤油をかけていたり、時には涙していたりなど、キュートでコミカルな表情や、センチメンタルな一瞬が切り取られている。これは、斬新な試みだったのではないだろうか。筆者は“松嶋菜々子のショートPV”と心の中で呼んでいたが、“スーパーのぞみタイム”という呼び名が最高だと思う。

のぞみが長身であることを、周囲の人がよく言及するのだが、松嶋の魅力が活かされていて、本当に彼女はヒロインにピッタリだったと実感する。明るく前向きで、悩むことがあっても引きずらない。“手応えのある仕事がしたい”と熱望しており、ひたむきに奮闘する。キャリアも結婚も諦めないのぞみだが、1990年代の社会は、現代よりも女性がキャリアを積むのは大変だったことが描かれている。そんな状況の中、やがてのぞみは弁護士になるという夢を見つけ、邁進していく。

弁護士編には奥田瑛二や上川隆也が登場

『ひまわり』のナレーションは、萩本欽一が担当している。南田家の飼い犬・リキの心の声が“語り”という設定になっているのだが、リキはのぞみに恋心を抱いていて、純一郎をライバル視しているのが面白い。萩本は、獣医師・五木役としても登場する。

“弁護士編”に入ると、奥田瑛二が弁護士・赤松元基役で、上川隆也が記者から弁護士への転身を目指す星野雄治役で、新たにキャストに加わる。2人は、のぞみの人生に大きく関わるキャラクターを演じており、ここから物語が大きく動いていく。

朝ドラファンが再放送に夢中になるくらい、見どころの多い『ひまわり』を、ぜひチェックしてみてほしい。


出典:NHK 連続テレビ小説『ひまわり』〈第54作〉NHKアーカイブス

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X:@KumikoShimizuWP

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