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「NHKドラマすごい」「何回でも観たい」ネトフリ配信決定で再注目!令和の“引っ張りだこ女優”代表作

  • 2026.5.24

6月よりNetflixにて配信が決定した『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』。令和の家族ドラマの代表作として、心に残っている人も多いのではないだろうか。

家族という普遍的なテーマがなんとも愛おしく、ときに切なく映るのは、ほとんどのエピソードが原作者・岸田奈美の実話に基づいているから。岸本家の日常を見ていると、誰かに自分の家族の話をしたくなる。 

家族の死、障がい、不治の病。それでも日々は続く

第1話のモノローグで、主人公・岸本七実(河合優実)が家族についてこう語っている。「家族の死、障がい、不治の病。どれかひとつでもあれば、どこぞの映画監督が世界を泣かせてくれそうなもの。それ全部、うちの家に起きてますけど?」。父は急逝し、弟はダウン症、母は大動脈解離で下半身不随。七実の家族の状況だけを聞くと、困難を乗り越える感動的な家族ドラマのようにも見える。でも、本作は単純な、泣かせる感動物語ではない。

本作で描かれているのは、紛れもない現実だ。弟に対する偏見に抱いた憤り、母の手術の前に震える手で書いた同意書へのサイン、母が車椅子生活で直面した現実、亡くなった父への後悔。一つひとつは悲劇に見える。でも、ずっと憂鬱なわけではない。弟が起こした珍事件があったり、母との生活に希望が見えたり、家族で沖縄旅行に行ったり、目指す進路が見えたり。ずっと辛いことがあるわけじゃない。笑ってしまうことも、感激することもある。

そうやって寄せては返す波のように嬉しいことと悲しいことが重なりあって、日々は続いていく。本作は、そんな日常の中にある家族の悲喜こもごもを温もりごと届けるように、丁寧にリアルに描いているのだ。

ドラマに映画と、活躍が止まらない女優の代表作

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河合優実 (C)SANKEI

本作の監督を務めるのは、『私をくいとめて』や『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』など、映画を中心に活躍する大九明子だ。面倒臭くて愛おしい登場人物たちを、独自のユーモアを交えて撮るのが特徴だ。『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』でも、ポップな効果音が流れたり、広角で全体を捉えた映像が多かったりと、随所に温かさの宿る映像になっている。一方で、登場人物の心情に寄り添い、場面によっては緊張感のある画面になっていたりと、ギャップがあるのも魅力だ。

そして、大九が撮る映像の中心で輝くのが、本作が連続ドラマ初主演となった河合優実だ。河合が演じる七実は、自分の悲しみや喜びを正面から表現しない、ちょっとひねくれた人物だ。意地を張ったような声色、ふとしたときに本心が覗く表情など、河合が演じることで、七実の面倒臭さがなんとも愛おしく映るのだ。本作以降、『不適切にもほどがある!』や『あんぱん』など、活躍が続く河合だが、彼女の代表作は『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』だと個人的には主張したい。

家族とは、“個の集合体”

本作を全話観て感じるのは、家族とは個の集合体であるということだ。立場や役割に関係なく、何を思い、感じているのか。互いを個として尊重した先に、自分たちらしい家族の姿があるのかもしれない。

家族だから助け合うのではなく、元気になってほしいから励ます、一緒に生きたいから幸せになれる方法を模索する。そんな岸本家の姿を見ていると、自分の家族はどんな集合体だったのかを見つめたくなる。

家族は、集まる個と時の流れによって、その姿を変える。本作で描かれているのは、岸田奈美の実体験を基にした岸本家の物語でしかない。だからこそ、本作を観ると、自分と母、自分と父、自分ときょうだいとの日々はどんなものだったのかを振り返りたくなってしまうのだ。

SNSでは「NHKドラマすごい」「笑って泣ける」「何回でも観たい」など、唯一無二の魅力に惚れ込んでいる人が多い様子。4月には、岸田家が『あさイチ』に出演。これをきっかけに、ドラマの面白さを振り返った人もいるようだ。「家族とは」を考えたい時、笑いと涙とユーモラスな温もりが欲しい時に、いつでも観返したくなる物語なのだ。


出典:NHK プレミアムドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』NHKアーカイブス

ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202

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