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「ネトフリ1位」「絶対見た方がいい」話題の『ちるらん』怪演俳優も!名監督が率いる"最強の布陣"で高評価な3年前の映画

  • 2026.5.9

TBSとU-NEXT制作のドラマ『ちるらん 新撰組鎮魂歌』で、色気と狂気をまとった芹沢鴨を怪演し、視聴者を震撼させている綾野剛。その圧倒的な存在感は、2023年公開の映画『最後まで行く』でも余すことなく発揮されていた。

本作は、2014年に公開された同名韓国映画を『余命10年』の藤井道人監督がリメイクしたクライムサスペンス。危篤の母のもとへ向かう道中で男性を車ではねてしまった刑事が、証拠隠滅を試みるも監察官に追い詰められていく96時間を描く。主演は岡田准一、共演には綾野剛、広末涼子、磯村勇斗、駿河太郎らが名を連ねている。『新聞記者』『余命10年』などの作品で日本映画界をけん引する藤井道人監督が、実力と興行力をあわせもつ岡田准一、そして藤井監督とのコラボで俳優として進化し続ける綾野剛という最強の布陣で挑んだ意欲作だ。

"マズい男"と"ヤバい男"が激突する、ノンストップの96時間

物語は12月29日、豪雨の夜に始まる。刑事の工藤裕司(岡田准一)は、母親の危篤を知らされ病院へ向かう途中、突然道路に飛び出してきた男性・尾田創(磯村勇斗)を轢き殺してしまう。パニックに陥った工藤は逮捕を恐れ、遺体を車のトランクに隠すという決断を下す。しかしその直後に飲酒検問に遭遇し、県警本部の監察官・矢崎貴之(綾野剛)が現れたことで状況は一変する。工藤は遺体を母の棺に隠して火葬しようと試みるが、「お前が人を殺したことを知っている」という謎のメッセージが届く。こうして“マズい男”工藤と“ヤバい男”矢崎による、一瞬も目が離せない追いかけっこが幕を開ける。

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岡田准一・藤井道人監督(C)SANKEI

本作が韓国版と大きく異なる点のひとつが、遺体の処理方法だ。土葬文化の韓国版では埋葬シーンが核となるが、火葬が一般的な日本版では、母の棺に遺体を隠してしまったことで、斎場で火葬するまでの一連のコミカルな場面が生まれた。この文化的な違いが、日本版ならではのブラックユーモアと緊張感を生み出している。笑いと緊張が交互に押し寄せる絶妙なテンポ感に加え、二転三転どころかそれ以上に展開が連続し終盤まで予断を許さない構成で、118分があっという間に過ぎる。

綾野剛の狂気と、Netflixでも広がった評判

本作の最大の見どころのひとつが、綾野剛演じる監察官・矢崎の凄みだ。「まるでホラー映画の殺人鬼のようだった」「怖すぎるけどクセになる」という声が多く見られたほど、底知れぬ狂気をたたえた矢崎の存在感は圧倒的だ。作品ごとに別人のように変貌し続ける綾野剛の俳優としての底知れなさは、『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の芹沢鴨でも健在だ。狂気の役でその凄みが際立つのは、日常を生きる人物を演じる繊細さがあってこそだろう。

SNS上では「ネトフリ1位も取ってた」という声が広がり、劇場公開後もNetflixを通じて新たな視聴者を獲得し続けた。「当時から、評判よい」という声も見られ、公開当時から口コミで高評価が積み重なってきた作品であることが改めて証明された。そして「絶対見た方がいい」という声が今も絶えないのは、笑いと緊張とカタルシスが一体となったこの映画が、一度観たら誰かに勧めずにはいられない引力を持っているからにほかならない。韓国映画の面白さを日本版として誠実に受け継いだ本作は、近年の邦画クライムサスペンスの中でも確かな存在感を放つ一本だ。


出典:映画『最後まで行く』(2023年)公式サイト

ライター:山田あゆみ
Web媒体を中心に映画コラム、インタビュー記事執筆やオフィシャルライターとして活動。X:@AyumiSand

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