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2年連続“主演男優賞”「国宝の前にも受賞してた」「同じくらい素晴らしい」俳優として“底力を証明”した傑作映画

  • 2026.6.7

邦画実写歴代興行収入No.1を記録した、映画『国宝』がAmazon Prime Videoで配信開始となり、改めて注目を集めている吉沢亮。しかしその一年前、彼はもうひとつの傑作に静かに命を吹き込んでいた。「国宝と同じくらい素晴らしい」「極上の傑作だと思う」SNSにそんな言葉が並ぶ映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』だ。

ふたつの世界を行き来する青年の物語

五十嵐大のノンフィクションを原作に、『きみはいい子』などの呉美保監督が映画化した人間ドラマ。幼い頃から母の言葉を代わりに伝えることが日常だった大は、やがて周囲からの特別な目線に居心地の悪さを覚えるようになる。その違和感を抱えたまま東京へ出るが、都会での暮らしの中でも答えは見つからない、という物語だ。

本作が描く“ふたつの世界”とは二つの意味を持つ。ひとつは、音が聴こえる世界と聴こえない世界、ろう者の両親と、健聴者として育った息子の間に横たわる見えない境界線だ。もうひとつは、宮城県の小さな港町で家族と過ごす穏やかな時間と、東京での忙しない暮らし。その二つの世界の間で揺れ動く大の葛藤と成長が、105分という尺の中に丁寧に刻み込まれている。共演は忍足亜希子、今井彰人、ユースケ・サンタマリア、烏丸せつこら実力派が脇を固める。

吉沢亮という俳優の底力

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吉沢亮(C)SANKEI

第34回日本映画批評家大賞にて、吉沢亮は本作での演技が評価され主演男優賞を受賞。同作は作品賞も受賞した。「国宝の前にも受賞してたんだ」というSNSの声は、『国宝』の圧倒的な存在感に隠れがちだった本作の評価を改めて照らし出している。さらに翌年の『国宝』でも同賞の主演男優賞を受賞しており、2年連続での受賞という快挙を成し遂げた。

手話をゼロから習得し、ろう者の俳優・忍足亜希子からその手話を絶賛されたという吉沢の役作りの真摯さは、スクリーン越しにも伝わってくる。手話という言語を通じて、聴こえない世界と聴こえる世界の間に立つ大の孤独を、吉沢は過剰な感情表現を排した佇まいで体現した。華やかな歌舞伎役者を演じた『国宝』とは対照的な、内向きの静けさを纏った演技が本作の核心を支えている。「国宝と同じくらい素晴らしい」という声が示す通り、吉沢亮という俳優の振り幅の広さを証明する一本だ。

ふたつの世界が交わるとき

田舎の風景、家族の食卓、手話で交わされる会話。本作はセリフよりも、画面に映し出される日常の細部で語る映画だ。都会の喧騒の中で感情を持て余していた大が、帰郷をきっかけに両親の深い愛情に気づいていく。その過程はけして劇的ではない。しかしだからこそ、観終えたあとに静かにじんわりと広がる余韻がある。「極上の傑作だと思う」という言葉が、この映画を最も正直に言い表しているかもしれない。


出典:映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』公式サイトより

ライター:山田あゆみ
Web媒体を中心に映画コラム、インタビュー記事執筆やオフィシャルライターとして活動。X:@AyumiSand

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