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地上波でも“完全復活”の実力派女優「出番少ないのに」「一気に場をさらった」カンヌ受賞映画“後半約3分”見せた存在感

  • 2026.6.6

唐田えりかには、ほんの数分で映画の空気を変えてしまう力がある。「後半の3分くらいの出番で、一気に場をさらった」「出番少ないのに印象が強い」観た人がそう口を揃える映画が、『ナミビアの砂漠』だ。

第77回カンヌ国際映画祭の監督週間で国際映画批評家連盟賞を受賞した、山中瑶子監督の本格的な長編第一作。主演・河合優実の圧倒的な存在感とともに、わずかな出番でスクリーンを掌握した唐田えりかの魅力についても注目すべきだろう。

何者でもあり、何者でもない女の物語

山中瑶子が監督・脚本を手がけ、河合優実を主演に迎えて撮りあげた青春ドラマ。現代日本の若者たちの恋愛や人生を鋭い視点で描いた本作は、カンヌ国際映画祭での受賞を経て、第16回TAMA映画賞で河合優実が最優秀女優賞、山中瑶子が最優秀新進監督賞を受賞した。

21歳のカナ(河合優実)にとって将来について考えるのはあまりにも退屈で、自分が人生に何を求めているのかさえわからない。同棲している恋人ホンダ(寛一郎)は家賃を払ったり料理を作ったりして彼女を喜ばせようとするが、カナは自信家のクリエイター・ハヤシ(金子大地)との関係を深めていくうちに、ホンダの存在を重荷に感じるようになる。何かを強く欲しているようで、何も欲していないようにも見えるカナの揺らぎが、2時間17分にわたって画面を支配する。

唐田えりか・わずかな出番が映画を変える瞬間

唐田えりかはミステリアスな隣人・遠山ひかり役で出演。出番は、焚き火のそばに現れる隣人というほんのわずかなものだ。しかしその登場がスクリーンの空気をがらりと変える。その存在感は観客の記憶に長く残り続ける。「出番少ないのに印象が強い」というSNSの声は、唐田えりかという女優が持つ固有の魅力を的確に言い表している。

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唐田えりか(C)SANKEI

Netflixシリーズ『極悪女王』での演技が話題を呼んだ唐田えりか。10キロ増量、丸刈りという身体を張った役作りで長与千種を演じきり、「極悪女王とナミビアの砂漠で完全復活を証明した」という声も生まれた。
そして現在は、読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『君が死刑になる前に』に大隈汐梨役で出演中。スクリーンから地上波ドラマへ、その活躍の場はさらに広がっている。一瞬の登場で観客の記憶に刻まれるその存在感が、今や日本の映像シーンを牽引する力に変わりつつある。

カンヌが認めた、山中瑶子という才能

当時27歳の山中瑶子は、女性監督として史上最年少でカンヌ国際映画批評家連盟賞を受賞した。派手な演出も説教くさいメッセージもない。ただひたすらにカナという人間を、その不合理さも暴力性もひっくるめて映し続ける。そのラディカルな誠実さが、国境を越えて評価された理由だろう。

タイトル『ナミビアの砂漠』は、主人公・カナが動画配信サイトで視聴している“ナミビアの砂漠にある水飲み場のライブ映像”に由来している。広大で乾いた砂漠の映像を眺めながら、カナは何を考えているのか。その問いを抱えたまま映画館を出るとき、世界がほんの少し違って見えるかもしれない。


出典:映画『ナミビアの砂漠』公式サイトより

ライター:山田あゆみ
Web媒体を中心に映画コラム、インタビュー記事執筆やオフィシャルライターとして活動。X:@AyumiSand

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