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築45年実家を相続した45歳兄と42歳弟→“とりあえず2年間”放置した結果…自治体から届いた通知にゾッ…

  • 2026.5.9
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社で10年以上現場経験を積み、現在は不動産ライターとして活動する宅地建物取引士のT.Sです。親から実家を相続したものの、遠方であることや費用の負担からそのまま放置している方は多いのではないでしょうか。

今回は、相続した実家を放置し続けた結果、自治体から勧告書が届き固定資産税が跳ね上がる事態に直面した兄弟のエピソードを紹介します。

解体費をためらい実家を放置した兄弟に届いた勧告書

首都圏在住で45歳の兄と中京圏在住で42歳の弟は、2023年春に亡くなった父から北関東にある築45年の実家を相続しました。地元業者による査定額は建物価値ゼロで、土地値のみの約450万円です。

さらに業者から「更地にしないと売れにくく、解体費は150万円以上かかる」と言われます。兄弟はともに遠方で忙しく「落ち着いてから考えよう」と結果的に2年間ほど放置してしまいました。

そんな2025年秋、自治体から「管理不全空家としての勧告」という書面が届きます。庭木の枝が近隣のトタン屋根に落ちている点や、外壁モルタルの一部剥離などが理由でした。実は数か月前に「助言・指導」の通知が届いていましたが、兄は「単なる注意だろう」と放置していたのです。

なぜ「6倍」ではなく「約4倍」?固定資産税の特例解除の仕組み

書面には「勧告を受けたことで次年度から住宅用地の特例が解除される」と明記されていました。住宅が建つ土地には、固定資産税の課税標準額が6分の1(200㎡以下の場合)になる特例があります。一見すると「特例が外れたら6倍になる」と思われがちですが、実際には約4倍に収まるのが一般的です。

理由は2つあります。1つ目は、固定資産税の課税対象には「土地」と「建物」の両方が含まれており、特例が適用されるのは土地部分のみという点です。建物部分の税額は元々特例なしで計算されているため、解除の影響を受けません。2つ目は「負担調整措置」と呼ばれる仕組みです。前年度比で税額の上昇幅が制限されることで、急激な負担増を抑える効果が働きます。

現在の年5万円が約20万円になると知った兄弟は、慌てて地元の業者に42万円を支払い、庭木の伐採と外壁の応急処置を依頼しました。この対応で勧告は解除され、特例除外は免れます。その後、解体費を買主負担とする条件で調整し、半年後に300万円で売却が成立しました。兄は「補修費や維持費を考えると、相続直後に動いていれば手元にもう少しお金が残っただろう」と振り返りました。

空き家放置のペナルティ早期化と早期決断のすすめ

2023年12月に施行された改正空き家対策特別措置法により、空き家への風当たりは厳しくなりました。倒壊の危険がある「特定空家」の一歩手前である「管理不全空家」の段階でも、自治体から勧告を受ければ特例解除の対象となります。放置による税金急増のリスクが顕在化するタイミングは、法改正前よりも格段に早まっているのです。

自治体の対応は「指導」から始まり「勧告」や「命令」へと進むため、指導の段階で動けば特例解除は回避できます。相続した空き家は管理するか売却するかを早期に決めることで、無用な税負担を避けられます。2024年4月からは相続登記も義務化されているため、登記の手続きと並行して実家の処分方針を早めに固めましょう。

参考:空家等対策の推進に関する特別措置法(国土交通省)



ライター:T.S(宅地建物取引士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして、住宅購入や相続に関する読者目線の記事を執筆している。


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