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築10年マンションの4階に“漂う臭い”…40代女性が悩んだ3階住民の“勘違い”「問題ないと思っていた」

  • 2026.5.30
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出典元;photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場経験があり、マンション管理士の資格を持つライターのS.Kです。ご自宅の窓を開けたとき、どこからともなくタバコのにおいが漂ってきて不快な思いをした経験はお持ちではないでしょうか。

今回は加熱式タバコを巡る居住者同士の認識のずれから、マンションのルール改定にまで発展したエピソードを紹介します。

規約のすき間と加熱式タバコのにおいトラブル

築10年で80戸のマンションの4階に暮らす40代女性のCさんは、在宅勤務を中心とした生活を送っていました。ある日、真下の3階にあるバルコニーから、加熱式タバコ独特のにおいが頻繁に漂ってくるようになります。

加熱式タバコは紙巻きタバコのような副流煙は出ませんが、フレーバーを含む蒸気が周囲に拡散する仕組みです。暖かい空気は上昇するため、Cさんの自宅までにおいが届いていたのです。

困ったCさんが管理会社へ相談すると、担当者から規約の現状を踏まえて「現行の使用細則では火気の使用を禁止していますが、加熱式タバコは規定上カバーされていない状況です」と案内を受けました。

さらに担当者は、「理事会への議題化をご希望でしたら、提案書の作成や必要書類の準備はこちらでサポートします」と対応してくれました。

認識のずれと判例を用いたルール整備の道のり

Cさんからの相談を受けた管理会社の担当者が下階の居住者に状況を伝えると、相手は驚いた様子だったそうです。「自分のバルコニーで吸うのは問題ないと思っていた」「煙が出ない分、配慮できているつもりだった」と語り、お互いの認識にずれがあることが浮き彫りになります。

下階の居住者も家族に配慮して外で吸っていましたが、上階への影響までは意識が及んでいなかったのです。その後Cさんの希望により、管理組合の理事会でルールの見直しが議論されます。当初は理事の中にも加熱式タバコの利用者がおり、話し合いは平行線をたどりました。しかし、紙巻きタバコによるベランダ喫煙のにおい被害について判断を示した名古屋地裁の判例も参考にされ、議論が前進していきます。

お互いの歩み寄りと購入時の確認ポイント

最終的に総会での決議を経て、使用細則に「バルコニーでの紙巻き・加熱式・電子タバコ等の使用を控える」という一文が明記されました。下階の居住者は窓を閉めた室内で空気清浄機を併用しながら吸う形に切り替え、関係性は時間をかけて落ち着いていったそうです。

マンションのバルコニーは専有部分(個人が所有する部屋の内部)ではなく、専用使用権(特定の居住者が使える権利)のある共用部分にあたります。気になる状況があれば、管理会社や管理組合を通じて、当事者間の状況確認や規約整備を進めていくのが現実的です。

マンションを購入する際は、新築・中古問わず管理規約や使用細則を確認し、喫煙や騒音などの生活ルールがどう整理されているかを把握しておくと、入居後のトラブルを防ぎやすくなるでしょう。

参照:ベランダでの喫煙に対し、 損害賠償命令が出された事例/名古屋地方裁判所 平成24年12月13日(大阪市マンション管理支援機構)

※タバコは20歳になってから



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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