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家賃が3万円安い“消臭済み物件”に即決→入居90日後、30代女性を襲った40万円の大誤算

  • 2026.5.30
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

部屋探しでは「リフォーム済み」「クリーニング消毒済み」という言葉に安心して契約を進めてしまう方も少なくありません。

しかし、“見た目だけ綺麗”な物件が原因で、短期間で退去に追い込まれるケースがあります。

今日は、「消臭済み物件」を信じて入居したものの、壁の奥に染み込んだヤニ臭(タバコ臭)が消えず、わずか90日ほどで退去することになった30代女性の事例をご紹介します。

「クリーニング済み」に安心して契約

これは、私が賃貸仲介業を行っていた際に実際にあった話です。

相談者である30代前半の女性Aさんは市内で一人暮らしをしており、家賃を抑えるため相場より約3万円安い築古1Kへの住み替えを検討していました。そして目星をつけた物件は、次のような状況でした。

  • 壁紙交換済み
  • ハウスクリーニング・消臭済み
  • 即入居可

ただ実際には、クロス交換やクリーニングを行ったものの完全には臭いが消え切っておらず、室内にはうっすらとヤニ臭が残っていたのです。

Aさん自身も「多少古いから、このくらいの臭いは仕方ないかな」と感じていたそうです。さらに内見時は窓が開いていたこともあり、大きな違和感を抱くことはありませんでした。

実際、築古物件では多少の生活臭が残っているケースもあります。そのためAさんは「安いし、綺麗だし、十分かな」と判断し、そのまま契約を進めました。

しかし入居から数日後。Aさんから一本の連絡が入ります。

「なんだか部屋がずっとタバコくさいんです…」

雨の日になると“壁の奥”から臭いが戻ってきた

最初に異変を感じたのは、収納内部でした。クローゼットを開けると、モワッとしたヤニ臭が強く残っていたそうです。さらに、エアコンをつけた瞬間に臭いが一気に強くなっていきました。特に雨の日は深刻な状態に。

Aさんは「壁の奥から臭いが染み出してくる感じだった」と話していました。さらに問題は、生活への影響です。

  • 洋服に臭いが移る
  • 布団までタバコ臭くなる
  • 帰宅した瞬間に臭いを感じる
  • 友人から“部屋でタバコ吸ってる?”と言われる

徐々にストレスが積み重なっていきました。さらにAさんは、気分の悪さまで感じ始めます。そこで管理会社へ再度相談しましたが、返ってきたのは、

「すでにクリーニング済みです」
「クロス(壁紙)も交換していますよ」

という回答でした。

消臭剤でもエアコン洗浄でも改善しなかった現実

Aさんは「何とか住める状態にしたい」と考え、自費で対策を始めました。

  • 市販の消臭剤設置
  • 空気清浄機購入
  • エアコン内部洗浄
  • 除湿機の導入

しかし、あまり効果はありません。

実は、長年の喫煙によって、石膏ボード(壁内部の下地材)や換気設備内部まで臭いが染み込んでいた可能性が高かったのです。こうなると、表面のクロス交換だけでは完全に除去はできません。

特に築古物件では、見える部分だけリフォームされているケースも少なくありません。実際、不動産業界では“クロスは新品でも、壁の中は昔のまま”というケースは珍しくないのです。

そして入居から約90日後。Aさんは、ついに退去を決断します。しかし、ここでさらに大きな問題が発生しました。短期解約違約金です。

契約内容には「1年未満の解約は違約金1ヶ月分」という条項が入っていました。結果的に、違約金や引越し費用、新居契約費用などが重なり、最終的な負担額は40万円を超えました。

「なんのために住み替えたんだろう...」

Aさんは、強く後悔していました。

賃貸内見では“臭い確認”までしないと後悔する

築古物件では、臭い問題が“壁の奥”に残っているケースがあります。だからこそ、内見時には次のポイントまで確認することが重要です。

  • 収納内部を開ける
  • 換気扇まわりを確認する
  • エアコン吹出口の臭いを確認する
  • 窓を閉めた状態で数分滞在する
  • 雨の日や湿気が多い日の状態を確認する
  • 換気口周辺のヤニ汚れを見る
  • 壁紙だけ異常に新しくないか確認する
  • 不自然に強い芳香剤が置かれていないか確認する

特に注意したいのは、“芳香剤で臭いを隠しているケース”です。また、可能であれば「前入居者の喫煙状況」を管理会社へ確認するのも有効です。

実際、不動産の現場では「内見時は気づかなかった」という臭いトラブルは非常に多く発生しています。そして臭い問題は、入居後に気づいても、すぐに解決や退去ができるとは限りません。

契約後は、違約金や再契約費用、引越しコストが一気に発生するからです。

だからこそ、賃貸選びでは、間取りや設備だけでなく“空気・湿気・臭い”まで含めて確認する視点を、ぜひ忘れないでいただきたいと思います。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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