1. トップ
  2. 「当て逃げされたのに、なぜ」スーパー駐車場で被害に遭うも…過失ゼロでも“等級ダウン”の大誤算

「当て逃げされたのに、なぜ」スーパー駐車場で被害に遭うも…過失ゼロでも“等級ダウン”の大誤算

  • 2026.5.11
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

「当て逃げされたのに、なぜ自分の保険を使わなければならないのか?」

そんな疑問や不満を感じたことがある人は多いのではないでしょうか。実際、被害者であるにもかかわらず自己負担が発生したり、保険を使うことで等級が下がってしまったりするケースも少なくありません。

それでは、当て逃げ事故でなぜこうした納得しにくい状況が起きるのか、その仕組みと注意点について見ていきましょう。

「当て逃げされたのに自己負担?」納得できない相談が後を絶たない理由

当社に来社されたAさんのケースです。スーパーの駐車場に停めた車に戻った際、バンパーに傷とへこみがあることに気が付きました。周囲に加害者の姿はなく、いわゆる当て逃げの状態です。警察への届け出は行ったものの、加害者は特定できず、そのまま時間だけが過ぎていきました。

「どうにかならないか?」と問われたので「車両保険を使って修理することは可能です」と伝えたのですが、Aさんは「相手がいる事故なのに、なぜ自分の保険を使うのか?」と納得がいかない様子でした。気持ちとしては当然です。しかし、ここに当て逃げ特有の仕組みが関係してきます。

当て逃げ事故での大きなポイントは、「加害者に請求できるかどうか」

通常の事故であれば、相手が特定できるため、修理費は相手側の保険や加害者の自己負担によって支払われます。しかし、当て逃げの場合は加害者がわからないことも多く、請求先が存在しません。つまり、損害を回収する手段がなくなってしまうのです。

結局、加害者が特定できず車の修理を行うには、自己負担か自分の車両保険を使うしかありません。

ここで問題になるのが「保険を使うと事故扱いになる」という点です。たとえ過失が一切なくても、車両保険を使用すれば1件の事故としてカウントされ、等級がダウンします。その結果、翌年以降の保険料が上がることになるのです。

Aさんもこの説明を聞いたとき、「被害者なのに負担があるのはおかしい」と強い不満を感じていました。しかし最終的には、「こういう予測できないリスクに備えるための保険なんですね」と理解を示していただきました。

この納得しにくさこそが、当て逃げ事故における最大のモヤモヤの正体と言えるでしょう。

車を守る!当て逃げを防ぐためにできる対策

それでは、こうした納得しにくい状況を少しでも避けるために、私たちは何ができるのでしょうか。完全に防ぐことは難しいものの、リスクを下げる工夫はいくつかあります。

まず意識したいのが駐車場所です。人通りや車通りが多く、見通しの良い場所を選ぶことで、当て逃げのリスクは下がります。逆に、死角になりやすい場所や人気のないエリアは狙われやすいため注意が必要です。

次に、防犯カメラの有無も重要なポイントです。店舗前や監視カメラが設置されている駐車場は、記録が残るだけでなく抑止効果も期待できます。「見られている可能性がある場所」は、それだけでリスク回避につながります。

また、駐車の仕方も意外と影響します。端や壁際に寄せすぎると、隣の車が出入りする際に接触されやすくなることがあります。できるだけ余裕のあるスペースを選び、周囲との距離を確保することが大切です。

さらに、近年は駐車監視機能付きのドライブレコーダーも有効です。衝撃を感知して録画するタイプであれば、証拠の確保につながるだけでなく、ステッカーなどによる抑止効果も期待できます。

加えて、保険内容の見直しも一つの対策です。エコノミー型の車両保険でも当て逃げを補償対象としている保険会社もあります。補償範囲と保険料のバランスを確認し、自分に合った内容を選んでおくことが重要です。

当て逃げ事故のモヤモヤを正しく理解しておこう

当て逃げ事故は、被害者であっても負担を感じやすく、「なぜ自分が」とモヤモヤが残りやすいトラブルといえるでしょう。しかし、その背景にある仕組みを知り、事前にできる対策を講じておくことで、いざというときのダメージは抑えることができます。

また、当て逃げは単なるトラブルではなく、道路交通法に違反する行為です。そう考えると、このモヤモヤも少し違った見え方になるかもしれません。万が一の際にはその場を離れず、きちんと対応することの大切さも、あらためて意識しておきたいところです。


筆者:河野みゆき(損害保険募集資格所有)

自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】