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「年式のわりに3万km台」ネットで“極上車”を購入も誤算…数ヶ月後に判明した“走っていない車”の怖すぎる正体

  • 2026.5.10
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

「走行距離が少ない=状態がいい」

中古車を選ぶとき、そう思ってしまうのはとても自然なことです。見た目もきれいで、数字としてもわかりやすい“安心材料”。実際に私のもとへ来られるお客様の中にも、「できるだけ低走行の車を」と希望される方は多いです。

しかし、なかには「距離が少ないから選んだのに、結果的に後悔してしまった」と、修理に来られる方もいます。

ネットオークションで見つけた「3万km台」の一台

Aさんは、通勤用の車を探している中で、ネットオークションに出ていたコンパクトカーを見つけました。年式のわりに走行距離は3万km台と少なく、写真で見る限り状態も良好。「これはお買い得かもしれない」と感じたそうです。

実車確認ができないことに少し不安はあったものの、「距離が少ない=状態がいいはず」という安心感もあり、購入を決断されました。

納車後しばらくは快適そのもので、「いい買い物をした」と感じていたそうです。走りもスムーズで、特に気になる点はありませんでした。

数ヶ月後に現れた“違和感”とその原因

しかし、納車から数ヶ月が経った頃、Aさんがわたしのもとに来店されたのです。

「少し気になる音がするんです」とのご相談でした。

詳しくお話を聞くと、「ブレーキを踏んだときに異音がする」「エンジンの吹け上がりがどこか重い」といった違和感が出てきたとのことでした。さっそく点検していくと、原因が“経年劣化”による不具合だということがわかったのです。

まず、ブレーキ周りにはサビが発生しており、動きがスムーズではない状態でした。これは長期間あまり動かされていなかった車によく見られる症状です。さらに、エンジンオイルやブレーキフルードなどの油脂類も長く交換されていなかった形跡があり、本来の性能を発揮できていない状態でした。

加えて、足回りのゴム部品(ブッシュ)も硬化して裂けていたため、これが異音の原因のひとつになっていたのです。

Aさんは「まだ3万kmしか走っていないのに、こんなに劣化するんですか?」と驚かれていましたが、これは決して珍しいことではありません。車は、走ることで状態を保つ部分も多く、長期間放置されていた車は、距離が少なくてもコンディションが落ちていることがあります。

つまり、「走行距離が少ない=部品が新しい」とは限らないということです。

結果的にAさんは、ブレーキ周りの整備や油脂類の交換などが必要となり、購入後数か月で想定外の出費が生じることになりました。

「距離」だけで選ばないために大切なこと

今回のケースでお伝えしたいのは、「距離の数字だけで判断しないこと」の大切さです。

低走行車はたしかに魅力的ですが、それだけで状態の良し悪しは決まりません。むしろ、長期間あまり動かされていなかった車は、見えない部分で劣化が進んでいることもあります。

その中でも意識していただきたいのが、「走行距離」と「年式」のバランスです。たとえば年式が古いのに極端に走行距離が少ない車は、それだけ長い期間動かされていなかった可能性があります。こうした車は、距離のわりにゴム部品や油脂類の劣化が進んでいるケースも少なくありません。

逆に、年式に対して適度に走行している車のほうが、定期的に動かされメンテナンスも行われていることが多く、コンディションが安定している場合もあります。

さらに最近では、個人間のオークションなどで「現状渡し」の車を購入するケースも増えています。その場合、購入後の不具合は自己負担になることがほとんどです。だからこそ、走行距離というわかりやすい数字だけでなく、年式とのバランスやこれまでの使われ方まで含めて見ることが大切です。

「まだ走っていないから安心」ではなく、「この年式でこの距離は自然か?」と一歩踏み込んで考えること。その視点を持って、後悔しない中古車選びを実現しましょう。


筆者:河野みゆき(損害保険募集資格所有)

自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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