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「念願のオープンカーで最高の休日を!」のはずが…ロードスター購入で後悔しがちな、オーナーの思わぬズレ

  • 2026.4.13
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

日本を代表する名車、マツダのロードスター。走りの楽しさで多くの人を魅了する一方、購入後に後悔したという声も度々耳にします。しかし、それは決して車が悪いからではありません。ロードスターは走る楽しさや、オープンカーならではの開放感に特化して作られた車です。

そのため、荷物を積んだり多人数で移動したりといった日常の足としての万能さを求めて購入してしまうと、車が本来得意とすることと、実際の生活で必要とされる機能との間に大きなズレが生じてしまいます。この期待値のズレこそが、後悔の原因と考えられます。

本記事では、ロードスター購入で後悔しがちなポイントと、ミスマッチを防ぐための考え方を紐解きます。

憧れで選ぶとズレやすい!?ロードスター購入後に気づく"役割のミスマッチ"

美しい流線型のボディと、屋根を開けて走る圧倒的な開放感。マツダのロードスターをいつかは自分も所有してみたい、と密かな憧れを抱いている方は多いのではないでしょうか。

休日に風を切って走る姿を想像すると胸が高鳴りますが、いざ憧れのスポーツカーを実際の生活に迎え入れると、思い描いていた理想のカーライフと現実の間にギャップを感じてしまうケースがあるようです。

実は、そのギャップの原因は車の性能不足ではありません。日々の生活の中で車に期待していた役割が、少しずつ噛み合わなくなっていくことにあります。

マツダがロードスターの設計において最も大切にしているのは、人と車が一つになるような走りの楽しさです。この理念を実現するために、荷物をたくさん積む利便性や多人数での移動よりも、約1,000kgという一般的な乗用車と比べて非常に軽い車両重量や、運転席に座ったときの感覚を優先して開発されています。

つまり、実用性をある程度削ぎ落としてでも、ドライバーが意のままに操れる歓びを深く追求した車なのです。

一方で、車を購入するとき、私たちはどうしても毎日の通勤や週末の買い物といった日常の使い勝手も同時に想像してしまうものです。走行性能に特化した車に対して、日々の生活を支える利便性を無意識に求めてしまうと、そこに大きなギャップが生まれます。

このマツダの設計思想と私たちの期待値のズレこそが、後悔の正体といえるのではないでしょうか。では、具体的にどのような場面でそのズレを感じやすいのか、代表的な例をいくつか身近な生活シーンに照らし合わせて見ていきましょう。

万能車として期待してしまうオーナーと、実用性とのズレ

まず挙げられるのが、1台の車にすべての役割を任せようとしたときに感じる戸惑いです。

たとえば、週末に家族分の食料をまとめ買いしたり、大荷物で長期の旅行に出かけたりする場面を想像してみてください。ロードスターのトランク容量は約130リットルとされており、2人分の1泊程度の旅行バッグや日常の買い物袋がいくつか収まる程度の広さです。また、一般的な乗用車にあるような収納スペースも限られています。

これは決して不便に作られているわけではありません。1グラムでも車体を軽くして走りを磨くという、メーカーの執念の裏返しともいえます。

そのため、あらゆる用事をこなせる万能な足としてこの車を選んでしまうと、荷物が積めないという事実が日々のストレスに変わってしまうかもしれません。日常の買い出しや大荷物での移動が多いライフスタイルの場合、実用性への期待が高すぎると苦労することになりかねません。

休日はいつもオープン、という非日常へのズレ

次に、オープンカーならではの爽快感に対する期待と現実の違いについてお話しします。

晴れた休日に屋根を開けて、心地よい風を感じながら海岸線をドライブする姿は、誰もが思い描く理想のカーライフかもしれません。しかし、日本の四季折々の気候において、一年中快適にオープン走行を楽しめるわけではないのが実情です。

真夏の日差しは想像以上に過酷で、直射日光を浴び続けると熱中症への対策が必要になることもあります。春先には花粉が直接車内に舞い込んでくるため、せっかくの晴天でも屋根を開けるのをためらう日も少なくありません。さらに冬の寒空の下では、いくら暖房を効かせても冷たい外気が吹き込み、屋根を開けてはいられないと感じる日も多いでしょう。

オープンカーであればいつでも最高の開放感が得られるという期待が強すぎると、自然の厳しさに直面したときにがっかりしてしまうことがあります。理想の光景と実際の環境との間には、少なからず違いがあると考えておくほうがよさそうです。

最新スポーツカーに求める快適性のズレ

さらに、現代の車に対する一般的な快適性のイメージがズレを生むこともあります。

最新の車だから、高速道路を使った長距離移動も静かで疲れないだろうと期待する方は多いと思います。しかし、実際にロードスターに乗ってみると、風切り音やタイヤが路面をこする音が比較的大きく聞こえたり、段差の衝撃を直接的に感じたりすることがあります。

これも乗り心地が悪いということではなく、路面の状況をドライバーへ正確に伝えるための、あえてのセッティングです。加えて、車体を極限まで軽くするために遮音材も最小限に抑えられています。

静かで穏やかな移動空間を求める方にとっては、このダイレクトな運転感覚が逆に疲れの原因になってしまうことも考えられます。車と対話するような濃密な時間が、リラックスしたい場面では少し負担に感じられるかもしれません。

ライフステージの変化による役割のズレ

車そのものの特性だけでなく、乗り手自身の生活環境の変化がミスマッチを引き起こすケースもあります。

ロードスターは純粋な2人乗りの車です。ご自身一人での通勤や、パートナーとの休日のドライブを楽しめる時期であれば、この仕様はまったく問題になりません。しかし、結婚やお子様の誕生、あるいはご家族の送迎が必要になるといったライフステージの変化が訪れると、2人しか乗れないという事実が急に大きな制約となってしまいます。

これは車に欠陥があるわけではなく、生活の中で車に求める役割が変わってしまった結果です。将来的な生活の変化を見据えずに購入してしまうと、どれほど車を気に入っていても泣く泣く手放すことになりかねません。長く乗り続けたいと考えるのであれば、数年先のライフプランと照らし合わせて検討することが大切でしょう。

自分はこの車に何を任せたいのか

ここまで、ロードスター購入後に感じやすいズレについてお伝えしてきました。少し厳しい現実もお話ししましたが、決してこの車を否定しているわけではありません。

むしろ、荷物がたくさん積めなくても、少し車内が賑やかでも、ハンドルを握る時間の濃さを何より大切にしたいと考える方にとっては、これ以上ない最高の相棒になってくれます。不便な部分さえも、その車ならではの愛すべき個性として受け止められるはずです。

このように、ロードスターが最高の相棒になるのか、それとも後悔の種になってしまうのかは、車に何を求めるかによって大きく変わってきます。

だからこそ、インターネット上の評判やカタログの数値を見比べる前に、まずは自分が車にどのような役割を求めているのかをゆっくりと整理してみてはいかがでしょうか。日常の足として便利に使いたいのか、それとも非日常の運転を楽しむための趣味として割り切るのか。

その期待値を明確にすることこそが、購入後の後悔を防ぎ、心から満足できる車選びの第一歩になるのではないでしょうか。車との幸せな関係を築くためのヒントとして、ぜひ参考にしていただければと思います。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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