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『燃費約10km/L・走行距離11万km』の中古車でも後悔なし…北海道の23歳男性が旧型エクストレイルで手に入れた“自由の正体”

  • 2026.4.11

 

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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

維持費の安さや新しさを気にする方も多い、20代前半の車選び。先日お話を伺った23歳の男性が初めての愛車に選んだのは、走行距離11万kmの2009年式エクストレイルでした。北海道の冬道や車中泊への憧れからSUVを探す中で出会った、今の車には少ないカクカクとした無骨さ。

この記事では、実用性とデザインに惚れ込んで選んだ古い一台が、いかにして彼の行動範囲を広げる相棒となっていったのか、彼から聞いたお話をお届けします。

23歳、初めての愛車選び。なぜ11万kmの旧型だったのか

先日、北海道で暮らす23歳の男性から、愛車選びにまつわる興味深いお話を伺う機会がありました。初めて自分の車を購入するにあたり、彼は当初から明確な目的を持っていたそうです。厳しい雪道でも安心して走れる4WDであること、そして以前から憧れていた車中泊ができること。その2点が、絶対に外せない条件でした。

その条件を満たすため、彼は自然とSUVに絞って車探しを始めます。最初は洗練されたデザインが魅力的な最新のクリーンディーゼルSUVも候補に挙がっていたとのことです。

しかし、複数の中古車店を回るうちに、クリーンディーゼル車は短距離走行の繰り返しによって不具合が出やすいという現実的なアドバイスを受けます。自身の日常的な使い方をあらためて見つめ直した結果、その車種は泣く泣く候補から外すことにしたそうです。そうして条件を整理し直しながら探し続けた先に浮上してきたのが、日産のエクストレイルでした。

決め手は最新機能ではなく、無骨なギア感だった

数ある中古車の中からエクストレイルを探すうちに、彼はある特定のモデルに強く惹かれていったと語ってくれました。現行型ではなく2009年式の旧モデル、いわゆるT31型と呼ばれるモデルです。最近のSUVは街乗りに似合う流線型のスタイリッシュなデザインが主流になりつつありますが、この旧型エクストレイルは四角くて無骨なフォルムが特徴で、どこかアウトドア道具のような頼もしさを漂わせています。今の車には少ないこのカクカクしたギア感のある見た目に、彼は「これだ」という直感を覚えたそうです。

もちろん、見た目だけで決めたわけではありません。実用面でも彼の希望にしっかりと応えてくれる機能が備わっていました。とくに決め手となったのが、後席を倒すと完全なフルフラット空間を作れる点です。身長170cmの彼が身体を曲げずにゆったりと横になれるこのスペースは、車中泊を想定していた彼にとって非常に魅力的でした。前後の世代のモデルも幅広く比較したものの、このフルフラット性の高さが最終的な後押しになったと教えてくれました。

とはいえ、走行距離11万kmの古い車に対して不安がなかったわけではないそうです。そこで彼は購入前にインターネットで注意点を調べ、素人ながら下回りのサビやエンジンの異音などを確認。これなら大きな問題はなさそうだと、自分なりに納得した上で購入を決めたそうです。

さらにこの決断を後押ししたのが、約50万円という手の届きやすい価格帯と、中古車市場での豊富な流通量でした。複数の店舗を見比べながら状態の良いものを選びやすかったことも、購入のハードルを下げてくれたようです。若さゆえの勢いだけでなく、必要な条件を冷静に見極めた上での決断だったことが伝わってきました。

所有してわかった、車中泊と雪道での圧倒的な頼もしさ

念願のエクストレイルを迎え入れ、実際に乗り始めてみると、期待を上回る活躍を見せてくれたそうです。何よりも彼の心を躍らせたのは、やはり車中泊のしやすさでした。完全フルフラットになる荷室にマットを敷き、寝袋を用意すれば、そこはもう自分だけの快適な部屋になります。荷物を積んだまま行きたい場所へ行き、そのまま寝転がれる自由さは、車中泊を単なる憧れから実現可能な趣味へと変えてくれました。

北海道の厳しい冬道や未舗装の悪路でも、この車は大きな安心感をもたらしてくれているとのことです。路面状況に合わせて2WDと4WDを切り替えられる機能はとても便利で、加速時の力強い走りにも満足していると笑顔で語ってくれました。万が一のトラブルに備えてスペアタイヤとジャッキが標準装備されていることも、遠出の際の心強い支えになっているそうです。

この車を手に入れてから、休日の過ごし方は大きく変わったといいます。エクストレイルという相棒がいるからこそ、北海道各地へ気軽にドライブに出かけられるようになりました。自分の空間を持ち運びながら、これまで足を運べなかった場所へ行き、見たことのない景色に出会える喜び。それは、彼の行動範囲を大きく広げてくれた体験だそうです。

燃費や後席の不満も。それでも手放せない理由

魅力あふれるエクストレイルですが、古い車ならではの弱点もあると彼は正直に教えてくれました。実燃費は約10km/Lにとどまり、昨今のガソリン価格の高騰を考えると維持費の面で負担を感じる場面もあるそうです。また、後部座席の足元がやや狭くリクライニングの自由度も低い点や、後席中央にヘッドレストがないため友人を乗せての長距離移動では同乗者に申し訳ない気持ちになることもあるといいます。そのため、実質的には4人乗りとして割り切って使っているとのことでした。

それでも、この車を選んだことを後悔したことは一度もないと力強く語ってくれました。燃費の悪さや後席の狭さを差し引いても、趣味と日常を両立できる楽しさと、無骨なデザインへの愛着がはるかに上回っているからです。

今回のお話からは、車選びとは新しさやカタログのスペックだけで決まるものではないとあらためて気づかされます。欠点があったとしても、自身の感性やライフスタイルに深く馴染む一台に出会えれば、それはかけがえのない相棒になるはずです。若いうちに自由を広げてくれる一台を選べたことへの感謝を胸に、彼はこれからも旧型エクストレイルとともに北海道の広大な景色を走り続けていくのでしょう。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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