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「これ見てください!」職場のグループに新人からのメッセージ。急務かと思い、急いで見た結果【短編小説】

  • 2026.3.25

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

新人からのメッセージ

午後3時。

オフィスを支配するのは、無機質なキーボードの打鍵音と、誰かの重苦しい溜息だけ。

大型案件の締め切りを数日後に控え、チーム全員の神経は今にも切れそうなほど張り詰めていました。

その静寂を破ったのは、デスクの上で短く震えたスマートフォンの振動音。

画面を覗くと、通知には今月配属されたばかりの新人から、「これ見てください!」という勢いのあるメッセージが届いていました。

普段は大人しく、仕事ぶりも真面目な彼。

そんな新人が、部長も参加している「業務緊急連絡用」のグループチャットに、この殺気立ったタイミングで投稿するなんて、よほどのこと。

「重大なミスでも発覚したのか?」

「それとも、クライアントから緊急のトラブル連絡が……?」

最悪の事態が頭をよぎり、私は嫌な汗をかきながら、祈るような思いで画面をタップしました。

しかし、目に飛び込んできたのは、予想を根底から覆す光景。

画面に映っていたのは

画面いっぱいに表示されたのは、お腹を出して無防備に眠る、真っ白でふわふわな子猫の画像でした。

添えられた一言は、「あまりに可愛かったので共有します!皆さん、これで癒やされて午後も頑張りましょう!」という、あまりに無邪気で場違いなエール。

その瞬間、私の思考は停止しました。偶然にも後ろを通りかかり、一緒に画面を覗き込んでいた先輩も、資料を握りしめたままフリーズしています。

先ほどまでの緊迫感はどこへやら、代わりにマイナス40度の寒波がオフィスを包み込んだかのような、カチコチの静寂。誰一人としてスタンプすら返せず、ただただ青白い画面を凝視するほかありません。

その氷のような沈黙を切り裂いたのは、当の本人の弾んだ声でした。

「あ、皆さん見ました? あの猫、たまらないですよね!」

椅子をくるりと回転させ、満面の笑みを見せる彼。どうやらこのグループが「一分一秒を争う業務連絡専用」であることを、1ミリも理解していなかったようです。

上司の眉間には見たこともないほど深いシワが刻まれ、私は「……今は仕事に集中しようか」と、引きつった笑顔でフォローを入れるのが精一杯。

新人の度を越した天然ぶりに戦慄しつつも、今でも猫の画像を見るたびに、あの日の凍りついた空気を思い出して胃のあたりがキュッとなる私なのでした。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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