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スキンダイブが‟人生の質”を上げる。宮古島のインストラクターが語る本質、知っておくべきこと

  • 2026.5.24

迷いの30代、海で見つけた‟運命の瞬間”

宮古島の八重干瀬にて。

「海の底へ向かうとき、人は自分の内側へも潜っていく感覚と同じ」と、現在フリーダイビングのインストラクターそして水中カメラマンとして活躍するWILD BLUEの代表・岩城さんは語る。初めてのフリーダイビング講習で‟5分の息止め”に成功した瞬間、彼の人生は静かに、しかし劇的に動き始めたそう。

東京で10年ほど過ごしたものの、「本当にやりたいこと」が見つからないまま30代に入り、迷いながら模索が続いた日々。そんな時期にふと訪れた沖縄の海で、偶然にも人生を変える出合いがあった。それがフリーダイビング。座学で身体の仕組みを学び、試しに息を止めてみると…5分以上も。

「家で練習しても2分が限界だったのに。それができた瞬間、‟これを仕事にしよう”と直感したんです」

主催している「WILDBLUE」では、日本でも数少ないプロ資格保持者が指導にあたる。

そして、講習を受けた半年後には東京を離れ、沖縄本島を経て宮古島へ移住。理由は明確だったと振り返る。

「宮古島の海は、ビーチからすぐ深くて透明度が高い。フリーダイビングをするには、日本で一番の環境なんです」

行動力のある岩城さんは、フィリピンでAIDAのインストラクター資格を取得し、現在は宮古島で講習、水中撮影、海外ツアーまで手がけるショップ「WILD BLUE」を運営。海を中心にした生活が、自然と形になっていったそう。

水中撮影スキンダイビングツアーでは、地形ポイントや海中洞窟で撮影しながら案内。写真はインドネシアのラジャアンパット。ここの桟橋は、まるで海中庭園のよう。

宮古島へ移住し、海とともに生きる道を選んだ現在。スキンダイビングとフリーダイビングは、ただ深く潜るための技術ではない。身体と心を整え、自分と対話するための‟生き方”そのものといえるそう。

同時に海の魅力は、景色の美しさだけではないそうで――。

「フリーダイビングは、自分の身体を深く理解するスポーツ。リラックスできないと、深くも長くも潜れない」のだそう。呼吸、耳抜き、身体の癖。それらを知り、整え、対話することがパフォーマンスを決める。

さらに、海に潜ると起こる‟潜水反射(MDR)”。心拍が下がり、身体が守るように変化し、人は‟究極のリラックス状態”へと導かれる。「潜った後に‟頭がリセットされる”と感じる人が多いのは、そのためです」という言葉に納得。

スキンダイビングは海を楽しむアクティビティ。フリーダイビングは身体を探求する競技。その両方を知ることで、海の世界はより深く、豊かになっていくことがわかる。

自由な海だからこそ、スキンダイブには正しい知識が必要

ミジュンの大群と遭遇するシーンも逃さず撮影! 沖縄本島にて。

「やりたいことがなかった自分が、海で人生を見つけた」と語る岩城さん。海に潜ることは、仕事であり、生き方であり、自分を整え、前に進むための‟軸”になった。スキンダイビングもフリーダイビングも、特別な才能が必要なスポーツではない。必要なのは、身体と向き合うこと、そして正しい知識。

ただ、どれだけ海が優しく迎えてくれる日でも、水中は‟非日常の環境”であることに変わりはない。スキンダイビングが人気になる一方で、事故件数が増えているという現実もあるのだとか。「スキンダイブは自由度が高いぶん、‟なんとなく自己流でできてしまう”ことが一番のリスクなんです」と教えてくれる。

特に問題なのは、耳抜きができないまま無理に潜ったり、呼吸が整わないまま焦ってしまったり、浅い場所で油断してしまったり…といった、ほんの小さな‟ズレ”が事故につながること。さらに、スキューバのインストラクターがスキンダイビングの講習を行うケースも増えているけれど、両者はまったく別の技術体系なのだそう。

「スキンダイブは‟息を止めるスポーツ”。だからこそ、フリーダイビングの知識がないと本質的な安全管理ができないんです」

運命的な出会いのシーンを‟作品レベル”の写真で残せたら、一生の思い出になるはず。この写真は、岩城さん自身がモルディブでジンベイザメと遭遇したシーン。

海は美しい。でも、その美しさに身を委ねるためには、正しい知識と準備が欠かせない。彼が伝えることは、‟怖がらせたい”のではなく、‟もっと自由に楽しんでほしいからこそ、知ってほしい”ということ。

海に潜ることは、仕事であり、生き方であり、自分を整え、前に進むための“軸”になったと語る岩城さん。スキンダイビングもフリーダイビングも、特別な才能が必要なスポーツではない。必要なのは、身体と向き合うこと、そして正しい知識を持つこと。

海は誰にでも開かれている。ただし、正しく学べば、その世界はもっと美しく、もっと自由になる。そして、海の底で静かに呼吸を忘れる瞬間、人は自分の内側にある‟本当の声”に気づくのかもしれない。これからの季節は、海がより身近になるタイミング。岩城さんのメッセージと共に、新しい挑戦へ。そして存分に海を感じてみたい。

WILD BLUE

宮古島の透明度抜群の海を、AIDA(国際フリーダイビング協会)認定インストラクターが案内する専門店。 一般的なマリンショップと違い、素潜り(スキンダイビング/フリーダイビング)に特化している点が最大の魅力。 初心者から上級者まで対応し、少人数制・安全第一で丁寧なレクチャーが受けられる。

https://wildblue-miyakoislnd.myshopify.com/

Instagram @wildblue_underwater

TEXT=GINGER編集部

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