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理想の結婚のみを求めたためにハマってしまった地獄…パーティーや相談所など現場を取材して描かれた現代婚活のリアル【書評】

  • 2026.3.18

【漫画】本編を読む

容姿、人柄、価値観、そして年収や家族構成など、結婚相手に求める条件は人それぞれだ。情緒のない言い方をすると、出会いから結婚に至る流れはその条件のひとつひとつを互いが確認していきながら結論を導く過程である。『結婚さえできないわたし 29歳からの婚活地獄』(魚田コットン/KADOKAWA)は、「理想の結婚」を求めてしまったがゆえにその泥沼にハマってしまった29歳女性の物語だ。著者の魚田コットン氏が綿密な取材をもとに描いたセミフィクションで、現代の婚活事情を赤裸々に映し出している。

主人公のアスカは高校時代から10年間付き合っていた彼氏と2年前に別れた。その理由は「まだ結婚を考えられない」という彼からの申し出だったのだが、別れた後すぐに元彼は別の女性と結婚してしまう。さらに仲のいい友人も婚約を決めたと聞いたアスカは真剣に結婚を考えるようになる。手始めに婚活パーティーに参加するが良い出会いはなく、続いて婚活アプリで出会った男性は、最初は優しかったのに体目的だったために失敗。次なる手段として安くない入会料を払って結婚相談所に入会。そしてついにハイスペック男性に真剣交際を申し込まれ、彼の両親に挨拶に行くところまでこぎつける。幸せ絶頂のアスカだったが――。

本書の冒頭にある結婚相談所のアドバイザーの「婚活は自分探し」という言葉は重い。失敗が重なり、ときに傷つけられもしたアスカは、ただただ理想だけを追い求めてしまい、世間的な自分の価値、そして自分だけが持つ価値を見失ってしまうのだ。

もうひとつ、このアドバイザーの言葉で刺さるものがあった。「結婚はゴールではない。パートナーとの修羅場のはじまり」だ。「結婚=幸せ」と真逆のことで驚くが、アスカのように目先の願望と理想だけを求めて苦しむ人を星の数ほど見てきたからの言葉なのだろう。「結婚すること」だけを目的に婚活をしている人に、少しだけ立ち止まり、自分が本当に求めていることは何なのかをあらためて考えさせてくれるはずだ。

文=nobuo

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