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未婚の我が子を持つ親、必読の【最新データ】恋愛経験なし・将来不安・SNSが招く結婚の壁とは

  • 2026.4.7

未婚の我が子を持つ親、必読の【最新データ】恋愛経験なし・将来不安・SNSが招く結婚の壁とは

「ちゃんと育てたはずなのに、いい年したウチの子がなぜ結婚できないの?」——そう悩む親たちが、いま子どもに代わって出会いの場を探す「代理婚活」に動いています。30代の独身息子2人を持つ母親でジャーナリストの石川結貴さんが、自ら「代理婚活交流会」に参加して見えた現実とは? 話題の新刊『ウチの子の、結婚相手が見つからない!』から抜粋してお届けします。第3回は、未婚者が独身でいる理由に迫ります。

なぜ「奥手」の若者が増えているのか?

恋愛結婚にせよ、結婚相談所などを利用した見合い結婚にせよ、男女双方が相手に好意を持つことは結婚への大前提と言える。二人でもっと一緒にいたい、そんな気持ちの高まりから性的関係を持つことも自然な流れだろう。

一方で未婚男女の恋愛離れは進んでいる。国立社会保障・人口問題研究所の第16回『出生動向基本調査』によると、18~34歳の未婚男女のうち男性72.2%、女性64.2%は「交際相手をもたない(異性の友人/恋人、婚約者のいずれもいない)」と回答。
特に30~34歳の婚活メイン層では男性の約8割、女性の約7割が、恋人どころか異性の友人もいないという状況だ。

同様に性的体験をもたない未婚男女も多い。先の調査では30代前半の未婚男性の4割近く、女性の5割近くは一度も性的体験がなく総じて「奥手」。これでは結婚へと踏み出す勇気も持ちにくいだろう。

親世代が過去を振り返ったとき、公衆電話から毎晩好きな人に電話していたとか、休日には交際相手とドライブしたとか、そんな思い出を持つ人も多いだろう。かつての若者にとって恋愛は身近にあり、高校生や大学生など若年のうちに性的体験を持つ人も少なくなかった。

そういう親たちに育てられ、かつSNSやマッチングアプリなど親世代よりはるかに多い出会いの場を持ちながら、なぜ現代の未婚男女はこうも奥手なのだろう。

「婚活」という言葉を生み出し、『パラサイト難婚社会』(朝日新聞出版)、『単身リスク』(同)などの著作を持つ中央大学・山田昌弘教授はこう指摘する。

「今の若い世代は総じて余裕がありません。奨学金とアルバイトでやりくりしながら大学に通う学生も増えているし、就職だって親世代とは比べ物にならないほど多くの時間や労力を費やします。社会人になってからは終身雇用が保証されるわけでもなく、資格取得の勉強をしたり、少しでも収入を増やそうと副業する人だっています。要はお金も時間も精神的余裕もない、だからそう簡単に恋愛できないんです」

とはいえ親側からすると「俺も貧乏学生だったが、交際相手はいくらでもいた」、「私は会社勤めをしながら習い事もして、それでも彼氏とのデートは欠かさなかった」などと首を傾げたくなるかもしれない。かつての未婚男女も限られたお金や時間をやりくりしていただろうが、決定的に違うのは精神的余裕だ。

親たちが若かったころは「今日より明日は豊かになる」、そんなふうに経済成長を実感し、実際に1980年代後半はバブル景気に沸いた。若い男性が無理をしてでも車を買い、女性をクリスマスディナーに誘っても、「来年には給料が上がる」などと思えば背伸びができた。片や女性は就職しても「腰かけ」で、数年の勤務のあとには寿退社が一般的。そこには当時の社会通念だけでなく、自分の将来が結婚相手の男性によって保障されるという安心感があっただろう。

今は大変でもこれからはよくなる、がんばればいずれ報われる、そうした希望があった親世代と、将来不安や閉塞感を覚える現代の若い世代では、恋愛への考え方はおのずと違う、そう山田教授は言う。

「性経験の乏しさについても同様です。そもそも日本では基本的に男性が女性を誘い、女性から男性に求めるという形は少ない。ところが今の若い男性は女性をリードできるほどの自信はないし、ヘタな真似をしてセクハラなどと言われるリスクも考えます。恋人がいるという人でも周囲には隠して、モテないふりをしたりする。SNSを多用する若い世代は、恋愛することで妬まれるんじゃないか、友達が離れてしまうかもしれないと周囲の反応を気にするんです」

LINEの未読スルーや既読スルーで「嫌われたんじゃないか」と気に病む若い世代にすれば、特定の異性と交際する楽しさよりも、相手の反応を窺う窮屈さのほうが想像しやすい。仮に誰かと恋愛したところで行き違いや意見の相違があれば、すぐに傷ついて自信をなくしてしまう。

「面倒なことになるくらいなら推し活に時間やお金を使ったほうがよほど楽しい、そんなふうに考える人も増えています。リアルの異性よりよほど格好いいし、かわいいし、同じ価値観を持つ仲間もできる。推しを応援するためにがんばろうと意欲が出たり、推しの笑顔に癒やされたりするんですから、わざわざ恋愛する必要性を感じないでしょう」

山田教授の言葉を未婚の我が子に当てはめ、確かにそうだとうなずく親も多いかもしれない。恋愛も性も奥手、何かにつけて周囲の目を気にしたり、些細なことで傷つきやすかったりする。リスクを取ってまで知らない世界に飛び込むより、身近な楽しみを見つけてとりあえずの満足を得られればいい。

それでは結婚など夢のまた夢とも思えてしまうが、「若い世代は必ずしも結婚離れしているわけではない」、そう山田教授は言う。前出の第16回『出生動向基本調査』によると、18~34歳の未婚男性の81.4%、女性の84.3%が「いずれ結婚するつもり」と回答し、いわゆる結婚願望は相当に高い。

「未婚者が独身でいる理由の最多は適当な相手に巡り合わない、次いで結婚する必要性を感じない、結婚資金が足りないというものです。つまり適当な相手が見つかり、結婚する必要性を実感し、結婚資金や生活資金があれば、彼らはいつでも結婚したいんです。でもその状況がなかなか手に入らない。親が面倒を見てくれる便利な生活を手放してでも結婚したいと思える相手に巡り合わないし、結婚してもやっていけると確信できるような経済的基盤もありません。未婚者の多くはみずから未婚を選んでいるわけではなく、結果的に未婚になってしまっているんです」

山田教授の言うように適当な相手に出会える機会と経済的基盤、両者がそろえば結婚が現実的になるとしたら、特に我が子の結婚を願う親にとっての関心は「出会い」のほうだろう。堅実な仕事に就き、相応の収入があり、真面目で優しい我が子にいい出会いさえあれば、そういう空気感は先の代理婚活のみならず、私の周囲にいる親たちからもひしひしと感じる。

一方で適当な出会いをどこに求めればいいのか、出会いの場があれば本当に結婚できるのか、そんな悩みもまた多い。マッチングアプリに結婚相談所、自治体が提供する婚活支援、さまざまな出会いの場があることは知っていても、実際どういう仕組みなのかよくわからないという声も耳にする。

それぞれの詳細については拙著『ウチの子の、結婚相手が見つからない! ~親の代理婚活でわかった「結婚の壁」』を参考にしていただきたいが、いずれの婚活システムも熾烈な競争と複雑な背景が存在し、親世代の想像を超えたあらたな現実が広がっている。

※この記事は『ウチの子の、結婚相手が見つからない! 親の代理婚活でわかった「結婚の壁」』石川結貴著(文藝春秋刊)の内容を、ウェブ記事用に再編集したものです。

※写真はイメージです

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