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出産後ジムに入会。「太るから…」脂質を“1日20g以内”に制限→3ヶ月後、40代女性を襲った“恐ろしい異変”【管理栄養士は見た】

  • 2026.3.6
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こんにちは。管理栄養士として、日々さまざまな相談に向き合っている工藤まりえです。

今回は、ダイエットや健康維持のためにジムへ通い始めたものの、「徹底した低脂質ダイエット」によって体に不調をきたしてしまった42歳女性・Aさん(仮名)のケースをご紹介します。

「油は敵」と信じ、ストイックに油を抜いた日々

食事相談の際に、「ダイエットのために、どんな食生活を心掛けていますか?」私からの問いかけに、

「揚げ物はもう何年も食べていません」

そう話してくださったのは、42歳女性・Aさん(仮名)。

産後にダイエットを続けてこられ、お子さんが幼稚園に通い始めたタイミングできた自分時間で、ジムに通い始めました。

最初のカウンセリングで拝見した食事記録は、一見とても“優等生”でした。

メインの食事は蒸した鶏肉に温野菜、ノンオイルドレッシングを合わせて食べています。

「脂質は太るから、できるだけ避けています」と、少し誇らしげにおっしゃったのを覚えています。

食事のボリュームは少な目だったので、「炭水化物も摂りましょうね」と適量がどのくらいかを指導し、すんなり受け入れて頂けたので安心して見させて頂いていました。

実際、ジムに通い始めてから「炭水化物をとっても大丈夫と言ってもらえたので、空腹感もあまりなくダイエット続けられています!」と好感触。

しかも、体重も順調に減っていき、周囲からは「痩せたね」「努力してるね」と言われたり、体力がついたりと自分でも手応えを感じていたそうです。

「痩せたのに、きれいじゃない」彼女の本音

しかしその一方で、ジムに入会して3ヶ月が経過した頃、「肌の乾燥がひどい」、「抜け毛が増えた」、「生理周期が乱れている」「PMSがひどくなった気がする」といった、体重以外の悩みも話して頂くことが増えました。

「年齢のせいですかね~?」と、冗談っぽくでも不安そうな表情おっしゃっていました。

「もしかして…」と思い、食事の内容だけでなく、調理方法をもっと詳しくお聞きして分析。

すると、フライパンで焼く調理でも油は使わず、脂ののった魚は茹でるなどの下処理をしてから調理して、徹底的に脂質を除いていました。

結果、1日の脂質摂取量は20g台前半。総エネルギーに対する脂質比率は明らかに不足していました。

なぜ脂質不足でホルモンは乱れるのか

脂質というと「太る」「避けるべき」というイメージが強いかもしれません。しかし、脂質は女性の体にとって極めて重要な栄養素です。

女性にとって大切なホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンは、実はコレステロールを原料として体内で合成されています。また、肌の潤いを守る細胞膜の構造にも脂質は不可欠です。

つまり、脂質を極端に制限しすぎると、ホルモンバランスや皮膚のバリア機能が乱れやすくなるのです。

その結果、この女性が訴えていたような、髪のパサつきや抜け毛、PMSや生理周期も乱れが出現するのです。

脂質は“抜く”のではなく、“選ぶ”

不調の原因がわかったところで、私が提案したのは、「脂質を抜く」のではなく「選ぶ」こと。

これまでの食事は続けつつ、調理の際には油を使うこと、サラダにはオリーブオイルを1日小さじ1~2杯。青魚を週2回。間食にナッツをひとつかみ、など、1日の脂質の摂取量を少し上げていくポイントをお伝えしました。1回の摂取量は多くなくても、質のよい脂質を少量ずつきちんと取り入れる食事に切り替えました。

これにより、これまで自分の食べる分だけ家族とは別に用意していたものを、一緒に準備できるようになり、家事の負担もぐんと減ったとのことでした。

脂質を適切に摂り始めてから。体重はほとんど変わらないまま、肌の乾燥は落ち着き、生理周期も安定。「少しは太ってしまうかな、と思っていたけれど、体重も変わらずにビックリです!」と、驚いていらっしゃいました。

数字よりも「体の声」に耳を傾けて

ダイエットは、本来“自分を大切にする行為”のはずです。けれど、極端な制限は、知らず知らずのうちに体を追い込んでしまうことがあります。

脂質や糖質は敵のように言われることがありますが、大切なのは、過剰でもゼロでもなく、“適量を選ぶ”こと。

体重という数字だけでなく、「肌の調子」「生理周期」「疲れにくさ」といった体の声に耳を傾けてみてください。それこそが、年齢を重ねても美しく健やかに過ごすための第一歩だと、私は日々の現場で実感しています。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。