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40代で「食べる量を減らさなきゃ」と食事制限→しかし、一向に痩せず…。栄養のプロが明かす、ダイエットに潜む“落とし穴”

  • 2026.3.5
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「若い頃と同じように食事を減らしているのに、なぜか痩せない…」。40代になり、そう感じている方も多いのではないでしょうか。もしかして、「基礎代謝が年齢とともに落ちたから仕方がない」と諦めていませんか?

実は、その考え方には少し誤解があるかもしれません。基礎代謝は一律に右肩下がりになるわけではなく、別の要因が大きく影響しているのです。そして、間違ったダイエット法が、かえって代謝の低下を加速させている可能性もあります。

この記事では、管理栄養士の工藤まりえさんが、40代の身体で本当に起きていること、そして代謝を落とさずに健康的に痩せるための具体的な方法を解説します。あなたのお悩みを解決し、理想の体を手に入れるヒントがここにあります。

「基礎代謝の低下」だけじゃない!40代で痩せにくくなる本当の理由

---40代になると「同じように食事を減らしているのに痩せない」と感じる人が増えるのは、やはり基礎代謝が大きく落ちるからなのでしょうか?

工藤まりえさん:

「40代になると『同じように食事を減らしているのに痩せない』と感じる方が増えます。基礎代謝が落ちたから仕方がない、とあきらめていらっしゃる方もいるかもしれませんが、実は少し違います。

基礎代謝のイメージとして、『基礎代謝は10〜20代がピークで、あとは右肩下がり』と思っていませんか?実はそれは正確ではありません。 基礎代謝量は体格や筋肉量によって大きく左右され、各年代で一律に急降下していくものではありません。年齢を重ねるごとに落ちるというより、筋肉量や活動量の変化が代謝に影響を及ぼしているんです。

20~30代は多くの方が働き盛りで仕事に遊びにと、活動的な時期です。それ以外にも、子育て中の方なら、子供の送り迎えや公園遊びなど、日常的に身体を動かす機会が多い傾向があります。

ただ、40代になると、仕事や交友関係の変化、子どもの手が離れることなども加わって、無意識の活動量が減っていきます。この“ちょこちょこ動く時間”の減少が、消費エネルギーを確実に下げています。活動量が減る生活が続くと、徐々に筋肉量も落ちやすくなります。筋肉は基礎代謝の中心となる組織のため、筋肉が減れば代謝も低下していくという仕組みです。」

「もっと減らす」が逆効果!極端な食事制限が代謝を壊すワケ

---代謝が落ちたと思って、20代の頃のような極端な食事制限をしている人が多そうです。しかし、それはむしろ、代謝をさらに悪化させてしまうと聞きました。一体なぜなのでしょうか?

工藤まりえさん:

「40代になって『代謝が落ちたから、もっと食べる量を減らさなきゃ』と考えて、20代のころと同じような、またはそれよりも極端な食事制限をしなきゃと考えてしまう方は少なくありません。しかし、この発想こそが代謝の低下を加速させる原因になることがあります。

食事量を極端に減らしたり、食事の内容も低カロリーの食材ばかりにしてしまうと、身体はエネルギー不足となり、これを“飢餓状態”であると認識してしまいます。すると体は生命維持を優先するため、エネルギー消費を節約する方向へ調整が起こります。いわば省エネモードへの切り替えとなり痩せにくくなるのです。

さらに、食事量を減らしすぎたり野菜ばかりの食事内容は、たんぱく質不足を招いてしまいます。たんぱく質が不足すると、自分自身の筋肉を分解することにつながります。また、たんぱく質の摂取不足以外にも、炭水化物を極端に減らしてエネルギー不足の状態が続いた場合にも、体はエネルギーを補うために筋肉を分解します。

たとえ短期的に体重がスッと減っても、それは筋肉も落ちているということになってしまいます。すると、基礎代謝は確実に低下し、次第に体重が減らなくなってしまいます。そうなると、もっと食事を減らさなければいけないの?と途方に暮れてご相談にいらっしゃる方が多くいらっしゃいます。

40代のダイエットで何より大切なのは、『減らす』ことよりも筋肉を守り、代謝を落とさないことです。」

我慢は不要!40代の代謝を育てる「食べ方」と「動かし方」

---では、40代の私たちが健康的に代謝を上げていくためには、具体的にどのような食事と運動をすれば良いのでしょうか?

工藤まりえさん:

「まず基本は、1日3食を欠かさないこと。食事を抜くと身体は飢餓と判断し、省エネモードへ傾きやすくなります。きちんと満足感のある食事をとることで、結果的に間食や夜のドカ食いも減りやすくなります。

具体的な目安として、たんぱく質は1食20g以上。手のひら1枚分の肉・魚・卵・大豆製品を意識します。主食は抜かず、ごはんは握りこぶし1つ分は食べましょう。極端な糖質制限は筋肉の分解を招きやすくなります。野菜は1食片手山盛り、1日の合計で両手山盛り約350gを目標に。食物繊維が血糖値を安定させ、満腹感も持続します。

しっかりと食べることで、筋肉が分解されることから守り、守ったものは育てましょう!

筋肉を育てるためには運動です。いきなりランニングや本格的な筋トレをするのはつらいはずです。時間のあるときに15分散歩する、電車移動の時は1駅分歩く、エレベーターではなく階段を使うなどの小さな習慣から始めましょう。大切なのは継続です。『今日は1つ運動を取り入れることができた』と自分をきちんと認めることが、次の行動につながります。

我慢ではなく、整えること。それが40代の代謝を育てる、最も現実的な方法です。」

「痩せにくい」は思い込み!今日からできる「整える」ダイエット

40代の「痩せにくい」という悩みは、単なる年齢による基礎代謝の低下だけではないことが、工藤さんの解説でよくわかりました。活動量の減少や、かえって代謝を落としてしまう極端なダイエットが、多くの原因となっているのですね。

大切なのは、「減らす」ことではなく、「筋肉を守り、育てる」こと。1日3食しっかり食べ、特にたんぱく質を意識しながら、無理のない範囲で日常に運動を取り入れる。これらの習慣は、決して厳しい我慢を強いるものではなく、身体を「整える」ための優しいアプローチです。

今日からできる小さな一歩が、あなたの代謝を育て、健康的で理想的な体への道を開いてくれるはずです。まずは食事を抜かない、一駅歩いてみる、といったことから始めてみませんか?


監修者:工藤まりえ 大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。"