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医師「夏に発症リスクが高まる」→実は『尿路結石症』のサインかも…“夏バテ”と勘違いしやすい「身体の異変」とは?

  • 2026.6.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

夏の疲れからくる「だるさ」や「食欲不振」。「これは夏バテかな」と自己判断して、そのまま様子を見ていませんか?実は、起き上がれなくなるほどの倦怠感や発熱が、泌尿器科の病気のサインかも。

今回は、夏バテと混同しやすい泌尿器科疾患について、泌尿器科専門医の小内友紀子さんに詳しく解説していただきました。「なぜ夏に発症リスクが高まるのか」「どんな症状が出たら受診すべきか」「今日からできる予防法は何か」まで、ひとつひとつ丁寧に教えていただきます。

夏に急増する泌尿器科の病気とは?「夏バテ」と間違いやすい3つの疾患

---夏バテと勘違いしやすい泌尿器科の病気には、どのようなものがありますか?なぜ夏に発症リスクが高まるのでしょうか?

小内友紀子さん:

「夏バテと勘違いしやすく、起き上がれなくなるような症状を引き起こす泌尿器科の病気として急性腎盂腎炎、尿路結石症、急性前立腺炎があげられます。それぞれ夏に発症リスクが高まる理由も加えて、解説していきます。

急性腎盂腎炎は女性に多く、通常は膀胱炎がまずはじめに起こります。次に膀胱内の細菌を含んだ尿が腎臓に逆流して入り、腎臓の中(腎盂といいます)に炎症を起こします。症状としては倦怠感や発熱、食欲不振があります。夏に発症リスクが高まる理由としては、発汗による脱水で尿量が減り、細菌が繁殖しやすくなったり、冷房による身体の冷えで、免疫力や膀胱粘膜の防御機構が低下することがあげられます。

尿路結石症は男性に多く、腎臓でできた結石が腎臓の出口や尿管につまることで症状を起こします。結石による痛み以外に倦怠感、吐き気や嘔吐、食欲不振が起きることもあります。尿路結石症は夏がもっとも発症しやすい季節と言われており、その理由として発汗による脱水で尿が濃くなり、尿の中の結石成分が結晶になりやすくなることがあげられます。

急性前立腺炎は男性の病気で、夏バテと似た症状として高熱、全身倦怠感、関節痛や筋肉痛に似た不快感があります。こちらも急性腎盂腎炎と同じように、夏場の冷房などによる骨盤内の血行不良、免疫低下などが原因となります。」

「夏バテ」と何が違う?それぞれの病気に特有の症状とは

---夏バテと区別するために、それぞれの病気に特有の症状を教えてください。どんなサインが出たら注意が必要でしょうか?

小内友紀子さん:

「急性腎盂腎炎では夏バテと似た症状以外に、頻尿や排尿時の痛み、血尿や残尿感、腰から背中にかけて(右か左)の痛みなどがあります。頻尿や排尿時痛といった、膀胱炎の症状が初期サインになるので、そこできちんと治療したいですね。

尿路結石症では突然の激しい脇腹から下腹部にかけて痛みがでる、疝痛(せんつう)発作や血尿がみられることが多いです。結石が尿管に詰まってしまった場合は、血尿が見られないこともあります。

急性前立腺炎の場合は下腹部の痛みや尿が出にくい感じ、頻尿や残尿感がみられます。」

夏の泌尿器トラブルを防ぐために、今日からできる予防法

---これらの病気を予防するために、日常生活でとくに気をつけるべきことを教えてください。また、どのような症状が出たら泌尿器科を受診すべきでしょうか?

小内友紀子さん:

「もっとも気をつけたいのは水分補給です。尿量を測ることは難しいかもしれませんが、1日の尿量を1.5~2L程度には保ちたいものです。そのためには水分摂取量を少し多めの2-2.5L(食事からの水分も含め)を目標にしてみましょう。一度に大量に飲まずにこまめに少量ずつ摂取すること、尿の色が薄い黄色になるくらいを目指すこと、屋外作業後や汗をかく運動後は経口補水液などを活用することもおすすめです。

その上で「夏バテかな?」と思う症状があっても、排尿に関する症状、例えば頻尿、血尿、排尿時の痛み、尿のにおいがいつもと違うなどや、高熱、腰背部痛、突然の激しい痛みがある場合は、早めの泌尿器科の受診を検討してください。」

「なんとなくだるい」を放置しないために——まとめ

夏の体調不良をすべて「夏バテ」と片づけてしまうことの危険性が、今回の取材を通してよくわかりました。急性腎盂腎炎・尿路結石症・急性前立腺炎はいずれも、発汗による脱水や冷房の影響で夏に発症リスクが高まる病気です。倦怠感や発熱といった夏バテそっくりの症状に加え、頻尿・血尿・排尿時の痛み・突然の激しい痛みなどが重なっているときは、体からの大切なサインかもしれません。

今日からできることは、まず「こまめな水分補給」です。尿の色が薄い黄色になるよう意識しながら、1日2〜2.5Lを目安に水分を摂る習慣をつけましょう。そして「なんか変だな」と感じたら、自己判断で様子を見るのではなく、早めに泌尿器科を受診することが、重症化を防ぐ一番の近道です。


監修者:小内友紀子
公益財団法人ときわ会 常磐病院 泌尿器科 診療副部長、東京女子医科大学病院 泌尿器科 講師、医師、医学博士 女性泌尿器科医師として、普段は女性によくある尿もれから、男性の前立腺癌をはじめとする泌尿器科領域の癌診療まで診療しております。
【資格】医師 / 医学博士 / 泌尿器科専門医・指導医 / 透析医学会専門医・指導医 / 排尿機能学会専門医

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