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「下痢や便秘の原因に」かえって『腸内環境』を悪化させている…“良かれ”と思って食べがちな食品とは?【医師が解説】

  • 2026.5.30
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「お腹が張って苦しい」「便秘や下痢を繰り返す」……。 特別な病気ではないけれど、日常的に続くお腹の違和感に悩まされてはいませんか?腸は「第二の脳」とも呼ばれ、全身の免疫や心の安定にも深く関わっている重要な臓器です。

私たちが健康のために良かれと思って食べているものが、実はあなたの腸にとっては大きな負担になっているかもしれません。今回は、腸内環境を乱し、不調を招く原因となりやすい食べ物について詳しく見ていきましょう。自分の腸に合った「正解」を見つけるヒントがここにあります。

【本記事は、伊勢呂哲也・著、関口絢子・栄養監修『食べてはいけないもの×いいもの: からだの不調は食べもので解決できます』(Gakken)より一部抜粋して掲載しています。】

肉類と消化の負担

【牛肉】食べすぎは健康リスクの可能性も

健康のために必要な動物性タンパク質ですが、食べすぎは腸内フローラのバランスが崩れる原因になります。牛肉に多く含まれる飽和脂肪酸が腸内の炎症性細菌を増やすという報告もあります。 牛肉に限らず、豚や羊、馬などの赤肉(赤身肉ではありません)が大腸がんのリスクを上げるというエビデンスが多数報告されています。肉をべるときは一緒に野菜も十分とって、バランスのよい食事になるよう心がけましょう。

【イカ・タコ】消化の悪さが胃腸に負荷をかける

低脂肪・高タンパクでタウリンも豊富なイカやタコ。健康にいい食べものでもありますが、タンパク質は消化に時間のかかる栄養素でもあります。胃腸の粘膜を保護するなど、よい面もありますが、食べ方や量によっては消化の負担になることも。できるだけ小さくカットして、しっかりとかんで食べましょう。

甘味料と発酵食品の意外な落とし穴

【ハチミツ】果糖がお腹を緩くする

ハチミツの主成分は、体内で素早くエネルギーに変わる果糖やブドウ糖です。善玉菌のエサになるオリゴ糖なども含まれていますが、過剰な水分を引き寄せる作用を持つため、腸内で便をやわらかくしすぎます。それが過剰であれば下痢のような症状を引き起こすことにもつながります。

【チーズ】種類によっては腸に負荷をかける

発酵食品として腸内環境によさそうなチーズですが、種類によってはマイナスにもなります。たとえばチェダーチーズやカマンベールチーズなどの発酵チーズ(ナチュラルチーズ)には、乳酸菌が生きたまま含まれ、腸内細菌を整えるサポートをしてくれます。 一方で、プロセスチーズや高脂肪のチーズは飽和脂肪酸が多く、腸内の炎症性細菌を増加させるという報告があります。特にプロセスチーズは控えめにして、発酵チーズを選ぶことをおすすめします。

加工食品と現代人を悩ませる成分

【加工肉】大腸がんリスクを上げる

加工肉は、世界保健機関(WHO)から「大腸がんの発がんリスクを確実に高める食品」に指定されています。発色剤や保存料などが多量に添加されていることにより、腸内細菌の状態を乱すことが主な理由です。まったく食べてはいけないということではありませんが、できれば無添加のものを選び、たまに少し楽しむ程度にしましょう。

【小麦】グルテンは腸に溜まりやすい

パンやパスタ、うどん等に含まれるグルテンは、食品の粘り気や弾力の素となるタンパク質の一種です。この粘り気が腸内にとどまり、便通を妨げたり腸壁を傷つけたりすることがあります。 特に「グルテン不耐症」の人が過剰に摂取すると、腸の壁が傷つき、有害物質が血液中に流れ出す「リーキーガット症候群(腸もれ)」を引き起こす可能性があります。体調がすっきりしない場合は、パスタやうどんの頻度を減らしてみるのも一つの手です。

嗜好品と乳製品の影響

【アルコール】腸粘膜を傷つけて腸内環境を乱す

アルコールも腸内フローラのバランスを悪化させ、腸のバリア機能を低下させます。これにより、未消化物や有害物質が血管に漏れ出すリスクが高まります。

【コーヒー】飲みすぎは腸を刺激する

カフェインは腸のぜん動運動を乱して下痢や腹痛の原因となるので、1日3杯以内にしましょう。

【牛乳】人体で消化されにくいタンパク質を含む

牛乳に含まれるタンパク質の80%ほどを占めるのが、難消化性タンパク質のカゼインです。また、日本人に多い「乳糖不耐症」は、下痢や便秘の原因になります。牛乳を飲むとお腹が緩くなる人は、量を調整するか、体調と相談しながら取り入れましょう。

自分の腸の声に耳を傾けよう

腸の健康を守るためには、巷で言われる「体に良いもの」を闇雲に摂るのではなく、「自分の腸が嫌がっているもの」を減らしてあげることが先決です。

  • 消化に時間のかかるもの(赤肉、イカ、タコ)は、よく噛んで適量を。
  • 腸を刺激・炎症させるもの(加工肉、アルコール、多量のカフェイン)は控えめに。
  • 「体質」を見極める: グルテンや牛乳、ハチミツなど、人によって合う・合わないがはっきり分かれる食品については、食べた後の体調を観察する習慣をつけましょう。

腸内環境が整えば、お腹の調子だけでなく、肌のコンディションや心の状態まで前向きに変わっていきます。まずは一週間、特定の食品(例えば小麦や牛乳)を控えてみて、自分の体の変化を感じてみることから始めてみませんか?


【本記事は、伊勢呂哲也・著、関口絢子・栄養監修『食べてはいけないもの×いいもの: からだの不調は食べもので解決できます』(Gakken)より一部抜粋して掲載しています。】