1. トップ
  2. 「最近目がかすむ…」“パソコンの見すぎ”と放置→数年後、眼科に受診すると…40代男性に言い渡された“驚きの病気”【医師は見た】

「最近目がかすむ…」“パソコンの見すぎ”と放置→数年後、眼科に受診すると…40代男性に言い渡された“驚きの病気”【医師は見た】

  • 2026.4.3
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「最近目がかすむけど、パソコン画面の見すぎによる疲れ目だろう」
Jさん(40代・男性)は目の疲れを市販の目薬でごまかし、激務をこなしていました。

しかし、数年後、運転中に横からの自転車に全く気づかず接触事故を起こしかけます。眼科での診断は末期の緑内障でした。右目の視野はすでに大半が失われています。今はいつ左目も見えなくなるのかという暗闇への恐怖に怯え、一生続く点眼治療に悔しさを滲ませています。

皆様こんにちは。日々手術室で患者さんの全身状態を管理する麻酔科医の松岡です。今回はただの疲れ目に潜む失明の危機を解説します。

脳の「優秀な画像補正」が病気を隠蔽する

疲れ目だと思っていた症状が、なぜ失明につながるのでしょうか。日本人の失明原因第1位である「緑内障」は、眼圧(眼球の硬さ)などの影響で視神経が押し潰され、静かに視野が欠け落ちる病気です。

【疲れ目が失明に直結するメカニズム】
・眼圧などの影響で、目から脳へ映像を送る視神経がダメージを受ける
・傷ついた視神経が死滅し、その部分の視野(見える範囲)が黒く欠け落ちる
・脳が欠けた風景を周囲の色や形で自動的に塗りつぶして補正してしまう
・両目で見ているため、片目の見えない部分をもう片方が完璧にカバーする
・視神経の大半が死滅し、脳の補正限界を超えた時にはじめて見えないと気づく

眼圧が「正常」でも神経が潰れる恐るべき理由

パソコンやスマホを一日中見ていれば目がかすむのは当たり前です。さらに、寝れば治るから大丈夫とこれが習慣化することもよくあることです。

しかし、危険な落とし穴は、まさにその「見えているから大丈夫」「健康診断で眼圧が『正常』だったから自分は無縁だ」という感覚に潜んでいます。
実は、日本人の緑内障の大部分は、眼圧が正常範囲内であるにもかかわらず進行する「正常眼圧緑内障」です。だからこそ油断できないのです。

「圧力が正常なのになぜ神経が潰れるのか?」と不思議に思われるでしょう。それは、以下のような理由で「神経そのものが正常な圧力にすら耐えられない状態」に陥っているからです。
視神経の構造的な弱さ:血圧が普通でも血管が脆ければ破れるように、視神経そのものが生まれつき脆く、「普通の圧力」にすら押し潰されてしまう。

血流不足による栄養失調:低血圧や血行不良などの循環障害により、視神経に十分な酸素や栄養が届かず、神経が弱っている。

隠れ高眼圧:日中の診察時には正常でも、夜間や寝ている間に眼圧が急上昇している。

あなたの脳は非常に優秀です。視野が半分欠けていても、周囲の景色から推測して描き足してしまいます。そのため少し目が疲れる程度にしか感じません。階段を踏み外したり、横からの車に気づかず眼科に駆け込んだりする時には、すでに視野の大半が失われているのです。痛くないという安心感こそが、発見を遅らせる最大の罠となります。

手遅れになる前に、確認すべき3つのサイン

その疲れ目が単なる疲労か、視野が欠け始めているサインかは以下でチェックできます。

1.片目ずつカレンダーを見たとき、一部の文字が消えたり黒く抜けたりする

両目の補正を外し、片目ずつ確認するのが鉄則です。真ん中は見えるのに周辺が欠けるなら危険信号です。

2.よく物にぶつかったり、横から来る人や自転車にハッとしたりする

足元や周囲の視野がすでに欠け落ちており、空間認識ができなくなっている客観的な証拠です。

3.健康診断で「視神経乳頭陥凹拡大(ししんけいにゅうとうかんおうかくだい)」を指摘された

自覚症状がない初期の段階において、眼からの数少ないSOSです。自覚症状がなくても放置してはいけません。

まとめ

目の疲れを目薬でやり過ごすのは、誰しも経験があるでしょう。Jさんが受診を後回しにしたこともよくあるエピソードです。だからこそ、すぐにできるチェックを行いましょう。

まずは、片目でカレンダーを確認してみてください。緑内障は早期に発見し、目薬の治療を続ければ、失明を防ぎ現在の見え方を生涯維持できる可能性が高まります。その小さな行動が未来の光を守ることにつながりなります。ぜひ、目を使いすぎていると自覚したら一度確認してみましょう。

の記事をもっとみる