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医師「見落としてはいけない」→実は『胃がん』が進行しているサインかも…知らないと手遅れになる「3つの危険な変化」

  • 2026.3.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

40代を過ぎると増える「胃もたれ」や「消化不良」。仕事のストレスや加齢のせいだと考え、市販の胃薬で済ませてしまうことはありませんか?しかし、実はその「なんとなくの不調」の陰に、胃がんが隠れているかもしれません。

胃の痛みを感じたときには、すでに進行しているリスクが高いという事実は、あまり知られていません。では、なぜ胃がんは発見が遅れてしまうのでしょうか。また、早期発見のために私たちが日常で気をつけるべきことは何なのでしょうか。

消化器内科を受診する目安や、今日からできる対策について、医師の知見を基に解説します。

なぜ「胃がん」は発見が遅れるのか?不調に慣れることの危険性

---胃がんの初期症状は気づきにくいと聞きます。なぜ発見が遅れてしまうのでしょうか?

松岡 雄治さん:

「その通りです。

年齢的に、ストレスによる不調や、食べすぎによる「胃もたれ」など他の症状が選択肢として考えられることが、発見が遅れる大きな原因になっています。胃がんの初期は、病変が胃の粘膜表面にとどまるため、痛みが出ません。

胃の内側は、痛みを感じる知覚神経が非常に少ない構造をしています。刺激物などさまざまなものを消化しなければならない胃にはその方が、都合が良いのです。
一方で、初期の胃がんは、この表面の粘膜に発生します。そのため、がんができても痛みを感じることはありません。
多くの人が経験する「なんとなく胃が重い」「消化不良のような気がする」といった曖昧な不調として現れます。40代になれば、脂っこいものを食べた後に胃がもたれるのはごく自然な体の変化です。仕事のストレスや加齢のせいだと考え、市販の胃薬で様子を見るのは誰もがとる当たり前の行動です。
しかし、この「不調への慣れ」が発見を遅らせています。

【胃がんが進行して痛みが出るメカニズム】
初期(粘膜内):神経が少なく無症状。または軽い胃もたれ程度にとどまる。
進行(粘膜下層から筋層へ):がんが深く根を張り、神経や血管を侵食し始める。
結果:ここで初めて、強い痛みや吐き気、出血といった明確な症状が現れる。

症状が出てから受診したのでは、すでにがんが深く進行しているリスクが高まります。胃の違和感を単なる食べすぎや年齢のせいだと片付けない視点を持つことが、早期発見の第一歩となります。」

「いつもの胃もたれ」と何が違う?見落としてはいけない危険な3つのサイン

---では、単なる食べすぎや胃炎と見分けるポイントはありますか?

松岡 雄治さん:

「早期発見のポイントは3つあります。「症状の持続」「食事量の変化」「便の色の異常」です。

いつもの胃もたれと見分ける明確な基準を知っておくべきです。
胃の不調を感じたとき、市販薬を飲んで数日で治るなら過度な心配はいりません。
しかし、がん細胞は自然に消滅しません。原因ががんである場合、症状は継続するか徐々に悪化します。見落としてはいけない危険なサインは以下の3つです。

・2週間以上「みぞおちの鈍痛・不快感」が続く
市販の胃薬を飲んでも治まらない場合、一時的な胃炎ではありません。胃の粘膜に持続的な異常が起きている可能性が高いです。
・少量の食事で「すぐお腹がいっぱいになる」「胸がつかえる」
がん組織が胃の中で物理的に大きくなり、胃の広がりを邪魔している可能性があります。または、胃の出口付近が狭くなり、食べ物がつかえている状態です。
・便の色が「海苔の佃煮のように黒い(タール便)」
胃がんの表面から出血している強力なサインです。胃の中で出た血は、胃酸と反応して黒く変色します。それが腸を通って排出されるため、便が真っ黒になります。

これらの症状のいずれか一つでも当てはまる場合、単なる食べすぎではありません。少しでも違和感が続くときは、早めに消化器内科を受診してください。」

40歳を過ぎたら必須!胃がんのリスクを早期に見つける「ABC検査」とは

---胃がんを早期発見するために、私たちが具体的に実践できることは何でしょうか?

松岡 雄治さん:

「トイレで便の色を確認する習慣と、体重の増減を確認する習慣をつけてください。そして最も確実な行動は、40歳を過ぎたら「ABC検査」を受けることです。
まずは負担をかけずにできる客観的なチェック方法と予防策を確認しましょう。

・便チェックと週1回の体重測定
排便後、流す前に便の色を必ず目で見て確認します。また、ダイエットをしていないのに半年で5%(体重60kgの人であれば3kg)以上体重が落ちていないか確認してください。体重減少は、がん細胞が体内の栄養を奪っているサインです。
・高塩分食品を控える
いくらや塩辛などの「高塩分食品」は、胃の粘膜を直接傷つけます。「ラーメンの汁を飲み干さない」「漬物は小鉢に1つまで」などルールを決めてみましょう。

さらに早期発見に直結するのが医療機関での検査です。具体的に、最初に実践すべきは採血だけで済む「ABC検診(胃がんリスク層別化検査)」です。

【ABC検診の受け方と検査内容】
職場の「定期健康診断」や人間ドックの際に、自費オプション(数千円程度)として追加を申し込む(チェックボックスにチェック)。これでいつもの採血のついでに検査ができます。
・ピロリ菌:胃がんの最大の原因である菌に感染しているかを調べる。
・萎縮度:胃がんの土台となる粘膜の荒れを調べる。

この2つの結果から、リスクが高いと判定された場合のみ胃内視鏡(胃カメラ)へ進みます。バリウム検査は陰影をレントゲンで見るため、実は早期の病変の検出に不向きです。また、リスクもあり、バリウムが腸で固まって腸閉塞(イレウス)で緊急手術に至るケースもあります。
そして、必ずしも毎年胃カメラを飲む必要はありません。死亡率を減少させる効果が医学的に証明されている「2〜3年に1回」の間隔で定期検査を受ければ十分です。

初期の胃がんは、内視鏡による治療で完治が見込めます。次回の健康診断でオプション検査にチェックを入れるという小さな行動が、ご自身の健康な日常を守ります。」

胃の違和感を放置しないことが、健康な未来を守る

胃がんの早期発見を阻む最大の壁は、「加齢やストレスのせい」という思い込みです。しかし、体の声に耳を傾け、些細な変化を見逃さないことで、早期発見の可能性は大きく広がります。

まずは「便の色」と「体重」を日頃からチェックすること。そして、40歳を過ぎたら必ず「ABC検査」にオプションを追加すること。こうした小さな習慣と選択が、将来の大きな病気を防ぎます。胃の違和感を単なる食べすぎで片付けず、自分の体を客観的に見つめる一歩を、今すぐ踏み出してみませんか。


監修者:松岡 雄治
麻酔科専門医。総合病院、大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じ、幅広い周術期管理に従事。現在は急性期病院で麻酔科医として勤務する。日々、美容領域を含む各診療科の手術に携わっている。医師としての知識と経験を活かして医療系ライターとしても活動し、医療・健康・美容分野の記事執筆、医学論文の解説、商品監修、AI技術開発関連プロジェクトへの参加などの実績を有する。睡眠コンサルタント、睡眠検定1級の資格も保有。