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「尿の色が濃い」時に疑うべきこと。 医師が警告する、脱水症状だけではない「肝機能」のSOS

  • 2026.3.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「最近、尿の色がなんだか濃い気がする……」

そんなとき、「水分不足かな?」「疲れているだけだろう」と軽く考えて放置していませんか? 実はそれ、単なる水分不足ではなく、沈黙の臓器と呼ばれる「肝臓」からのSOSかもしれません。

濃い黄色や褐色になった尿の正体は、血尿でも水分不足でもなく、肝機能の低下を知らせるサインの可能性があります。

今回は、「なぜ尿の色が濃くなるのか?」「どんな症状があれば危険なのか?」という疑問について、泌尿器科医の小内友紀子先生に詳しく解説していただきました。

肝臓の役割と、尿が「濃い黄色〜褐色」になる理由

---尿の色が濃くなる原因として「肝臓」が関わっていると聞きます。そもそも肝臓はどのような働きをしていて、なぜ尿の色に影響するのでしょうか?

小内友紀子さん:

「肝臓の機能は大きく分けて以下の3つがあります。

  1. 食べものの栄養素を分解・合成してエネルギーとして身体にためたり、使ったりする
  2. アルコールや薬剤・老廃物などを分解する
  3. 脂肪の消化や吸収を助ける胆汁(たんじゅう)を作って分泌する

肝臓の機能がおちると、血液の中に増えたビリルビンという黄色い胆汁の色素が尿にでてくることで、尿の色が濃い黄色〜褐色になることがあります。脂肪肝、アルコール性の肝障害、ウイルス性や薬剤性肝障害などで、重症になるとこの『ビリルビン尿』がみられることがあります。」

血尿との勘違いも。放置すると長期入院のリスク

---尿の色が濃いと「ただの水分不足」や、逆に赤っぽく見えて「血尿」だと思ってしまう人も多いと思います。そのまま放置するとどうなるのでしょうか?また、何科を受診すべきですか?

小内友紀子さん:

「先日、血尿がでたと勘違いして泌尿器科を受診した患者さんは、実はビリルビン尿でした。また、単なる濃い尿と思っていたらビリルビン尿ということもあるかもしれません。

ビリルビン尿が出ている場合は、早めに内科、消化器内科などを受診する必要があります。放っておくことで病気が重症化し、治るまで長期の入院が必要になるなどのリスクがあります。」

受診のサインと、日常でできるセルフチェック方法

---重症化を防ぐために、私たちが普段から気をつけるべきサインや、日常の習慣としてできることはありますか?

小内友紀子さん:

「自分ではしっかり水分をとっていると思うのに尿が濃い色のままである、皮膚や目の白目のところがいつもより黄色く見える、体のかゆみやだるさ、食欲がないなどの症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

日常的には、自分の尿の色は白い便器で確認する、顔を洗った時などに、鏡で自分の顔を確認することを習慣づけるとよいですね。」

トイレと鏡のチェックで、肝臓の悲鳴に気づこう

尿の色が濃い=水分不足という思い込みは、時に危険なサインを見逃す原因になります。とくに「しっかり水分を摂っているのに尿の色が戻らない」という場合は、内科や消化器内科への受診を検討しましょう。

沈黙の臓器と言われる肝臓ですが、実は毎日のトイレや鏡の中で小さなSOSを出してくれています。明日からはぜひ、用を足したあとの便器の中や、洗面所での白目・肌の色の確認を、毎日の健康習慣に取り入れてみてください。


監修者:小内友紀子
公益財団法人ときわ会 常磐病院 泌尿器科 診療副部長、東京女子医科大学病院 泌尿器科 講師、医師、医学博士 女性泌尿器科医師として、普段は女性によくある尿もれから、男性の前立腺癌をはじめとする泌尿器科領域の癌診療まで診療しております。【資格】医師 / 医学博士 / 泌尿器科専門医・指導医 / 透析医学会専門医・指導医 / 排尿機能学会専門医