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「注意が必要です」管理栄養士が警告。かえって『骨が脆くなる』原因に…良かれと思って摂りがちな“健康食品”とは?

  • 2026.3.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

骨粗鬆症が気になり始めると、「骨を強くしたい」という思いから、特定の食品やサプリメントを積極的に取り入れている方も多いのではないでしょうか。

しかし、「体にいいから」と毎日大量に摂り続けるその習慣、実は逆効果になっているかもしれません。なぜ、健康によいとされる食品でも摂りすぎはNGなのでしょうか?そして、本当に骨を丈夫に保つために必要な食事の工夫とはどのようなものなのでしょうか。

今回は、管理栄養士の工藤まりえさんに、骨の健康を守るための正しい食事の知識と、明日からすぐに実践できるシンプルで続けやすい習慣について詳しくお話を伺いました。

「体にいい食品」の摂りすぎが骨を弱くする?

---骨粗鬆症予防のために、カルシウムを意識して乳製品やサプリメントをたくさん摂るようにしている方は多いと思います。しかし、特定の食品を多く摂ることで気をつけなければならないことはあるのでしょうか?

工藤まりえさん:

「骨粗鬆症が気になり始めると、「骨にいい」と聞いた食品や栄養素を意識して取り入れている方は多いですよね。食事で骨の健康を守ろうとすることはとても大切です。ただ、骨はカルシウムをたくさん摂ればそれだけ強くなるわけではありません。骨は「作られる働き」と「壊される働き」をくり返しながら保たれていて、このバランスが崩れて骨密度が低下すると、骨粗鬆症につながります。

そこで気をつけたいのが、健康のためと思って特定の食品や健康食品を摂りすぎてしまうことです。

例えばカルシウム補給を意識して乳製品や栄養強化食品などを多く摂りすぎると、リンといったミネラルも同時に多くなり、体の中のバランスが崩れることがあります。リンが増えすぎると、カルシウムの吸収を阻害して骨密度の低下につながる可能性があります。

また、健康志向の方に人気のプロテイン飲料や栄養強化食品なども、製品によってはリンが多く含まれていることがあります。こうした食品を習慣的に多く摂ると、ミネラルバランスが偏り、長期的には骨の健康に影響する可能性もあります。

骨の健康のためにも、「体にいい食品でも摂りすぎない」ことが大切です。」

サプリメントや食物繊維にも要注意?バランスが重要な理由

---美容や健康のためにビタミンAや食物繊維のサプリメントを毎日摂っている方も少なくありません。「体にいいものを毎日続ける」習慣で、骨の健康に悪影響が出るケースもあるのでしょうか?

工藤まりえさん:

「骨の健康のために「体にいいものを毎日続ける」という習慣は大切ですが、特定の健康食品を大量に摂り続けることには注意も必要です。栄養は基本的に、多すぎても少なすぎても体のバランスを崩すことがあるからです。

例えば、美容や健康のためにビタミンAのサプリメントを習慣的に摂っている方もいますが、ビタミンAは脂溶性ビタミンで体に蓄積しやすい栄養素です。過剰に摂ると骨代謝に影響し、骨を壊す働きが強くなる可能性が指摘されています。ビタミンAの過剰摂取は、頭痛や吐き気、肝臓への負担など、骨以外の健康面にも影響が大きいため、注意が必要です。

また、健康のために食物繊維を多く摂ろうとして、食物繊維入りの食品やサプリメントを積極的に取り入れている方もいます。食物繊維は、腸内環境を整えたり、血糖値の急上昇を抑えたりと、生活習慣病予防の観点からはとてもメリットの多い栄養素です。ただし、特定の食品やサプリメントで過剰に摂ると、カルシウムなどのミネラルの吸収を妨げてしまう場合もあります。

健康食品に頼りすぎると、食事全体のバランスが偏ってしまうことも少なくありません。骨を丈夫に保つにはカルシウムだけでなく、ビタミンDやビタミンK、たんぱく質などさまざまな栄養素が関わっています。特定の食品を「体にいいから」と毎日大量に摂るよりも、いろいろな食品を組み合わせて食べることが大切です。」

明日からできる!骨を守るための「食べ合わせ」と生活習慣

---では、特定の食品に頼らずに骨の健康を守るためには、どのような食事の工夫や習慣を取り入れればよいのでしょうか?明日からすぐに始められる具体的なアドバイスをお願いします。

工藤まりえさん:

「骨粗鬆症予防や、骨の健康を守るために大切なのは、「骨にいい食品を増やす」というより、特定の健康食品に頼りすぎない食べ方に整えることです。実際、日本骨粗鬆症学会などでも、骨粗鬆症予防の基本は「特別な食品」ではなく、バランスのよい食事・適度な運動・日光といった生活習慣だとされています。

明日からできる食事の工夫としておすすめなのが、カルシウムを含む食品に、ビタミンDを含む食品を一つ組み合わせることです。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨に利用されやすくする働きがあります。例えば、納豆にしらすを少し加える、焼き鮭にきのこを添える、小松菜のおひたしにごまをかけるなど、普段の食事に一品組み合わせるだけでも十分です。

食事面だけでなく、骨を丈夫にするためには、適度な運動と日光を適度に浴びることが有効です。骨は「負荷」がかかると強くなる性質があるため、軽いジョギングやウォーキングは効果的です。また、ビタミンDは日光を浴びると体内で合成されるので、適度な日光浴も必要です。紫外線がどうしても気になる!という方には、きのこを日光浴させて取り入れてみてください。きのこに含まれるエルゴステロールという成分がビタミンDに変化し、ビタミンDの含有量がぐんとUPします!調理の前に、30分~1時間ほどベランダで日光浴してもらい、調理すればOKです!

骨の健康というと特別な食品を思い浮かべがちですが、実は大切なのは日々の食事の積み重ねです。「一つの食品をたくさんとる」よりも、「いろいろな食品を組み合わせて食べる」ことを意識してみてください。これが骨を守るシンプルで続けやすい習慣です。」

「特別な食品」よりも日々の積み重ねで骨を守ろう

骨を強くしたいと思うあまり、つい特定の食品やサプリメントに頼りたくなりますが、それが逆効果になる場合があるというのは大きな気づきでした。大切なのは「何をどれだけ食べるか」ではなく「どう組み合わせるか」です。

いつもの食事にきのこやしらすを一品添えるだけなら、明日から無理なく始められそうですね。さらに、軽いウォーキングや適度な日光浴といった生活習慣を取り入れることで、骨の健康はしっかりと守られていきます。

将来の自分のために、まずは日々の食事全体のバランスを見直し、いろいろな食材を楽しむことからスタートしてみてはいかがでしょうか。


監修者:工藤まりえ
大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。