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管理栄養士「体臭を強める可能性が」→実は『加齢臭』の原因になってる…意外とやりがちな“NG食習慣”とは?

  • 2026.3.9
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出典元:phootAC(※画像はイメージです)

年齢を重ねるにつれて気になり始める「加齢臭」。毎日しっかりとお風呂に入って体を清潔にしているのに、なぜかニオイが消えない……と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

実は、加齢臭の原因は「皮膚の表面」だけにあるわけではありません。毎日の「食事」が、ニオイの発生に大きく関わっているのです。

「なぜ特定の食べ物が加齢臭を強めてしまうのか?」「ニオイを防ぐためには、どんな食事を心がければいいのか?」という疑問について、かきねキッチン 管理栄養士の小池三代子さんに詳しく解説していただきました。

加齢臭の根本原因とは?ニオイの正体と栄養バランスの関係

---毎日体を洗っているのに、加齢臭が気になるという人がいます。ニオイの根本的な原因はどこにあるのでしょうか?

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

「加齢臭の正体は、皮脂に含まれる脂肪酸の一種(パルミトレイン酸)が酸化・分解されてできる『2-ノネナール』という物質です。この物質の発生には、年齢による皮脂の質的な変化に加えて、日々の食事における『脂質の過剰摂取』と『抗酸化物質の不足』という栄養バランスの偏りが根本的な原因として関わっています。

まず大きな要因として挙げられるのが『脂質の過剰摂取』です。肉類やバター、スナック菓子などに含まれる飽和脂肪酸を摂りすぎると、原料となる皮脂の分泌量そのものが増加します。特に、中高年以降は代謝が落ちるため、加齢臭の原因となる脂肪酸(パルミトオレイン酸)も増加します。また、アルコールと糖質の過剰摂取も皮脂分泌を促進し、酸化の原因となる活性酸素を増やすため、臭気成分の生成を助長する要因と考えられています。

抗酸化物質の不足も重要な背景です。ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、カロテノイドなどは体内や皮膚の脂質酸化を抑える働きを持っています。野菜や果物、ナッツ、緑茶などの摂取が少ない食生活では、皮脂の酸化が進みやすくなり、結果として加齢臭の原因物質が生成されやすくなります。さらに、食物繊維不足も腸内環境を悪化させ、腸内で生成された腐敗物質(アンモニアや硫黄化合物など)が血流を通じて皮膚から排出されることで体臭を強める可能性があります。」

「肉類」や「揚げ物」が加齢臭を悪化させる理由

---脂質の過剰摂取が原因とのことですが、具体的に「肉や揚げ物」を中心とした食生活は、体の中でどのような影響を及ぼすのでしょうか?

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

「肉類や揚げ物を中心とした食事では脂質、とくに飽和脂肪酸の摂取量が増えやすくなります。脂質を多く摂取すると皮脂の分泌量が増える可能性があります。皮脂が多いほど、脂質の酸化が進みやすくなり、結果として臭気物質が生成されやすくなります。また、揚げ物調理の過程ですでに油が酸化していることが多く、摂取するだけで体内に大量の過酸化脂質を取り込むことになります。体内で過酸化脂質が増えると、皮脂に含まれる脂肪酸の酸化も促進され、体臭の原因物質が発生しやすくなります。

さらに、肉中心の食事では食物繊維の摂取量が不足しがちになります。食物繊維が不足すると腸内環境が乱れ、腸内でたんぱく質の腐敗が進みやすくなります。その結果、アンモニアや硫黄化合物などの臭気成分が生成され、それらの一部が血液を通じて体表から排出されることで体臭が強くなる可能性があります。このような腸内環境の悪化は、加齢臭だけでなく全体的な体臭の強化にも関係すると指摘されています。

また、肉や揚げ物が多い食事は、野菜や果物に含まれるビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化作用を持つ栄養素が不足しやすい点も注意が必要です。これらの栄養素は体内で脂質の酸化を抑える働きを持っているため、不足すると皮脂の酸化が進みやすくなります。」

明日からできる!加齢臭を防ぐ「食事の工夫」

---では、ニオイを防ぐために、日々の生活でどのような食事を心がければいいのでしょうか?無理なく取り組める方法を教えてください。

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

「意識したいのは、食事のバランスを少しずつ整えることです。
最も取り組みやすい工夫の一つは、『野菜や果物を一品追加する』ことです。野菜や果物にはビタミンCやポリフェノールなどの抗酸化成分が含まれており、皮脂の酸化を抑える働きが期待できます。また、食物繊維も豊富なため腸内環境の改善にも役立ち、体臭の原因となる物質の発生を抑える助けになります。コンビニで食事を買う場合でも、サラダやカットフルーツを1つ追加することで、バランス改善につながります。

次に取り組みたいのは、『揚げ物を食べる回数を減らす』ことです。いきなり完全にやめる必要はありませんが、週に何回かは焼き魚、蒸し料理、煮物などの調理法に置き換えてみましょう。とくに魚には良質な脂質が含まれており、肉中心の食事を一部魚に置き換えるだけでも脂質のバランスが整いやすくなります。

さらに、『間食や飲み物を見直す』ことも効果的です。甘いお菓子や砂糖を多く含む飲み物を減らし、水やお茶を中心にすることで、体内の糖質過多を防ぎやすくなります。糖質の過剰摂取は皮脂分泌や酸化ストレスを高める可能性があるため、飲み物を変えるだけでも体臭改善につながることがあります。

このように、加齢臭対策は小さな改善を続けて、食事のバランスを整えていくことが重要です。日々の積み重ねが皮脂の質や体内の酸化状態、腸内環境を少しずつ整え、結果として加齢臭の軽減につながっていきます。無理のない範囲で生活に取り入れ、長く続けることが最も効果的な対策といえるでしょう。」

小さな食事の改善が「ニオイ対策」の第一歩

「加齢臭対策」と聞くと特別なケアが必要に思えますが、実は毎日の食事がニオイの強さに直結していることがわかりました。

コンビニでサラダを1品追加する、おやつや甘い飲み物を控える、揚げ物を焼き魚に変えるなど、ほんの少しの工夫が皮脂の酸化を防ぐ大きな力になります。

体の内側からニオイを元から断つために、まずは今日から無理のない範囲で「食事のバランス」を見直してみてはいかがでしょうか。


監修者:かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子
管理栄養士×保育士|実務経験13年|現在はフリーランスの管理栄養士として、栄養相談や献立作成、記事執筆・監修を中心に活動中。「人に寄り添い、無理なく実現できる食生活のサポート」をモットーに、忙しい中でも続けられる、簡単でおいしい時短レシピを発信している。