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「簡単に痩せられる」手軽にマンジャロを使った人の“末路”。寿命を縮めることになる“意外な落とし穴”【医師が解説】

  • 2026.3.9
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出典元:phootAC(※画像はイメージです)

ダイエットの手段として近年注目を集めている「マンジャロ」などの痩せ薬。「注射を打つだけで簡単に痩せられるのでは?」と期待を寄せる方は少なくありません。

しかし、「なぜ薬に頼るだけのダイエットは危険なのか?」「体重が減ってもリバウンドしてしまうのはなぜなのか?」といった疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。手軽さの裏に潜むリスクを知らないまま自己判断で使用すると、思わぬ体調不良や将来の健康被害を招くおそれがあります。

今回は、ダイエット薬に関する誤解と、薬に頼らず健康的に痩せるための正しいアプローチについて、医師の竹内さんに詳しく解説していただきました。

「注射だけで痩せる」という考えの何が危険なのか?

---「マンジャロを使えば簡単に痩せられる」と考える人も多いですが、なぜその考えが危険なのでしょうか? 注射だけに頼るダイエットのリスクについて教えてください。

竹内さん:

「マンジャロさえ使えば痩せる、という考えが危険なのは、体重が減っていても健康的に脂肪が減るとは限らないためです。

マンジャロのように食欲に影響する薬では、食欲低下にまかせて食事量を極端に減らすと、たんぱく質、鉄、ビタミン、ミネラル等が不足し、筋肉量の低下や貧血、だるさ、集中力低下を招くことがあります。

さらに、睡眠不足・運動不足・偏った食生活といった生活が続いていると、代謝が落ちやすく、見かけ上体重が減っても、体力や基礎代謝まで低下しやすくなります。

マンジャロでは悪心、下痢、便秘、食欲減退などの消化器症状もみられることがあるため、自己判断で不適切に使うと体調不良を悪化させるおそれがあります。体脂肪率を落として見た目を整えるための健康的なダイエットには、適度な運動やバランスの良い食事・睡眠など生活習慣の土台が重要です。生活習慣を変えずに注射だけを使用しても、必ずしも健康的な減量につながるとは限りません。」

リバウンドや将来の健康リスクも? 自己判断による使用の落とし穴

---食事改善や運動を伴わず、自己判断で「ダイエット目的」として薬を使い続けると、具体的にどのような問題が起こるのでしょうか?

竹内さん:

「「打てば痩せる」と誤解したまま、食事改善や運動を伴わずに使い続けると、まず心配なのは栄養不足と筋肉量低下です。

見かけ上の体重が落ちた場合でも、必ずしも体脂肪が落ちているとは限りません。落ちた体重の中身が筋肉中心だと、疲れやすさや冷え、基礎代謝低下につながり、薬をやめた後に体重が戻りやすくなります。いわゆるリバウンドと呼ばれる現象です。さらに、筋肉量の低下は将来の健康寿命にも悪影響を及ぼす可能性があります。

また、マンジャロでは悪心、嘔吐、下痢、便秘、食欲減退などが起こり得るほか、併用薬によっては低血糖に注意が必要です。胆のう・膵臓関連の有害事象にも注意喚起があります。適応や体格、合併症の確認なしに自己判断でダイエット目的に使うのは安全とは言えません。体重計の数字が気になるかもしれませんが、減量は「数字を下げること」ではなく、筋肉を保ちながら脂肪を減らし、続けられる生活を作ることが大切です。」

薬に頼らず健康的に痩せる! 明日からできるシンプルな工夫

---薬に頼るのではなく、健康的に痩せたいと考える読者に向けて、明日から、あるいは今日からすぐに始められる食事の工夫やアドバイスをお願いします。

竹内さん:

「薬に頼らず健康的に痩せるために、明日といわず今日から始めやすい工夫を一つ挙げるなら、「毎食で最初にたんぱく質を食べる」ことです。

たとえば朝なら卵、納豆、ヨーグルト、昼夜なら魚、肉、豆腐などを最初に口にすると、満腹感が得やすく、食べ過ぎ予防につながります。痩せるためには、食事による摂取カロリーと運動・基礎代謝による消費カロリーのバランスが大切ですが、摂取カロリーを単に減らすだけでは筋肉の維持に必要なたんぱく質も不足しやすくなります。そのため、毎食でたんぱく質を意識して摂ることは、筋肉を保ち、減量中の代謝低下を防ぐうえでも有効です。

難しいカロリーやPFCの計算をいきなり始めるより、まずは「主食だけで済ませない」「毎食にたんぱく質を1品足す」という単純なルールのほうが続けやすいでしょう。

無理な断食より、続けられる小さな改善を積み重ねることが、リバウンドしにくい体づくりにつながります。」

「数字を減らす」ことより「健康な土台づくり」を

「打てば痩せる」という手軽なイメージが先行しがちなダイエット薬ですが、その背景には筋肉量の低下やリバウンド、さらには体調不良といった大きなリスクが潜んでいることがわかりました。

体重計の数字を一時的に減らすことよりも、筋肉を保ちながら脂肪を落とし、生涯にわたって健康を維持できる生活習慣を作ることこそが、真のダイエットと言えます。

まずは「毎食の最初にたんぱく質を食べる」という、今日からできる小さな工夫を始めてみてはいかがでしょうか。無理のない確実な一歩が、リバウンドしにくい理想の体づくりへとつながっていくはずです。


監修者:竹内
医学部を卒業後、現在は皮膚科医として病院やクリニックで外来診療を行っています。
皮膚科医として専門的な内容をわかりやすく伝えることに重点をおき、WEB記事監修や執筆活動も行っています。