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『なぜか疲れが取れない人』には“食事に共通点”があった。管理栄養士が「なるべく避けて」と警告する、“NG食材”とは?

  • 2026.3.6
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「朝からだるい」「寝ても疲れが取れない」といった慢性的な疲労。実は、日々の食事や習慣に潜む「意外な落とし穴」が原因かもしれません。良かれと思って続けている食習慣が、知らず知らずのうちに回復を妨げている可能性もあります。

一体なぜ疲れが取れないのか、そして「疲れにくい体」を作るための食の整え方とはどのようなものか。

今回は管理栄養士の小池三代子さんに、慢性疲労のメカニズムや、ついやってしまいがちなNG習慣、今日からできる正しい食生活のポイントを詳しく伺いました。

この記事を読めば、あなたの疲れの原因が明らかになり、明日からの生活を見直す具体的なヒントが得られるはずです。心身ともに軽やかな毎日を取り戻す第一歩を踏み出しましょう

なぜかいつもだるい…その疲労、栄養素不足と食習慣の乱れが原因かも?

---毎日しっかり食事を摂っているつもりでも、なぜか疲れが取れません。慢性的な疲労感の原因として、まずどんなことが考えられるのでしょうか?

小池三代子さん:

「まず代表的なのが、エネルギー代謝に関わるビタミンB群(特にビタミンB1・B2・B6など)の不足です。これらは糖質や脂質、たんぱく質をエネルギーに変換する際に不可欠であり、不足すると十分に食事を摂っていても効率よくエネルギーを生み出せず、だるさを感じやすくなります。

また、鉄分の不足もよく見られます。特に月経のある女性では潜在的な鉄欠乏が多く、酸素を全身に運ぶヘモグロビンの働きが低下することで、疲労感や集中力の低下が起こります。さらに、たんぱく質の摂取不足も問題です。筋肉やホルモン、酵素の材料となるたんぱく質が不足すると、体の修復や代謝機能が十分に働かず、慢性的な倦怠感につながります。

食習慣の面では、炭水化物中心で野菜や魚、豆類が少ない偏った食事や、朝食を抜く習慣、過度なダイエットなどが共通点として挙げられます。特に精製された糖質の多い食事は血糖値の急上昇と急降下を招きやすく、その変動が強い眠気や疲労感を引き起こすことがあります。また、カフェインやアルコールへの依存も見られ、これらは一時的に覚醒感をもたらす一方で、睡眠の質を低下させ、結果的に疲労を蓄積させます。

このように、慢性的な疲労感の背景には単なる栄養素不足だけでなく、食事内容の単調さや食事リズムの乱れが複合的に関与していることが多いといえます。」

「良かれと思って」が逆効果? 健康食品の落とし穴に要注意

---健康のために選んでいるはずの食事が、かえって疲労の原因になっていることもあるのでしょうか?具体的な例があれば教えてください。

小池三代子さん:

「疲れが取れない原因として、『健康に良い』と思って選んでいる食品が、間接的に疲労回復を妨げている可能性は十分にあります。たとえば低脂肪食品は一見ヘルシーですが、脂質はホルモンの材料や細胞膜の構成成分として重要であり、極端に控えすぎるとホルモンバランスの乱れやエネルギー不足による慢性的な疲労・体力の低下を招きます。また、脂質を減らした分、味を補うために糖質が多く含まれている製品もあり、血糖値の急変動によってかえって倦怠感が強まることもあります。

エナジードリンクも注意が必要です。カフェインや糖分によって一時的に眠気を覚まし、集中力や活力を高める効果が期待できますが、その反動で血糖値が急降下したり、睡眠の質が低下したりすることで、慢性的な疲労が蓄積しやすくなります。特に夕方以降の摂取は体内リズムを乱し、疲労回復を妨げる要因になります。

サラダチキンのような高たんぱく・低脂質食品も、それ自体は悪くありませんが、一つの食品ばかりに偏ると栄養バランスが崩れます。疲労回復にはたんぱく質だけでなく、ビタミンB群、鉄分、マグネシウム、適度な脂質など多様な栄養素が必要です。特定の食品ばかりの食事ではこれらが不足しやすく、結果としてエネルギー産生が円滑に行われません。

このように、『健康的』というイメージだけで食品を選び、脂質や糖質を極端に制限したり、刺激物に頼ったりする食習慣は、短期的には良さそうに見えても、長期的には疲労回復を妨げることがあります。」

今日からできる! 疲れにくい体を作るための食習慣の整え方

---では、慢性的な疲労を解消し、疲れにくい体を作るためには、具体的にどのような食習慣を心がければ良いのでしょうか?

小池三代子さん:

「大切なのは特定の食品に依存することではなく、主食・主菜・副菜をそろえた多様でバランスの良い食事を継続することです。その上で、食事のリズムを整え、血糖値を安定させることが理想です。どれほど栄養価の高い食品を選んでも、食事の時間が不規則であったり、空腹時間が長すぎたりすると、体は安定してエネルギーを生み出せません。

まずは朝食を抜かないことが重要です。理想は、主食(ごはんや全粒パンなど)、主菜(卵・魚・肉・大豆製品)、副菜(野菜や海藻)を簡単にそろえることです。難しい場合は、納豆ごはんと味噌汁、あるいは全粒パンとゆで卵、ヨーグルトなど、たんぱく質を必ず組み合わせることを意識してください。

おにぎりだけ、サラダだけ、といった食事は血糖値の乱高下や栄養不足を招きやすく、疲労感を強めます。炭水化物だけでなく、たんぱく質と少量の良質な脂質(魚、ナッツ、オリーブオイルなど)を一緒に摂ることで、エネルギーが持続しやすくなります。

さらに、水分補給も見直しましょう。軽度の脱水でもだるさが生じることがあります。カフェイン飲料に頼るのではなく、水やお茶をこまめに飲むことが基本です。

特別なサプリメントや高価な食品よりも、まずは食事の土台を整えることが、疲れにくい体づくりへの第一歩となります。」

慢性疲労を乗り越え、活力ある毎日へ

「なぜか疲れる」「体がだるい」という慢性疲労の背景には、単なる栄養素不足だけでなく、無意識のうちに実践している食習慣の乱れや、「健康に良い」と信じ込んでいる食事が原因となっているケースがあることが分かりました。

特定の栄養素や食品に依存するのではなく、主食・主菜・副菜が揃った多様な食事を心がけ、食事のリズムを整えること。特に朝食を抜きがちな方や、おにぎりだけ・サラダだけといった単品食が多い方は、たんぱく質や良質な脂質を組み合わせる意識を持つことが、血糖値の安定と持続的なエネルギー供給につながります。

また、エナジードリンクやカフェイン飲料に頼りがちな方も、まずは水やお茶でのこまめな水分補給から見直しましょう。高価なサプリメントや特別な食材に手を出す前に、毎日の「食事の土台」をしっかり整えることが、疲れにくい体を作るための最も確実な第一歩です。

今日からできる小さな食習慣の見直しが、あなたの体と心のコンディションを大きく変え、活力ある毎日へと導いてくれるはずです。


監修者:かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子 管理栄養士×保育士|実務経験13年|現在はフリーランスの管理栄養士として、栄養相談や献立作成、記事執筆・監修を中心に活動中。「人に寄り添い、無理なく実現できる食生活のサポート」をモットーに、忙しい中でも続けられる、簡単でおいしい時短レシピを発信している。"