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「父が遺言書を残していれば…」3兄弟の仲が壊れた“相続トラブル”。遺産2,300万円をめぐった“悲惨な結末”【お金のプロは見た】

  • 2026.4.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。家計や相続に関するご相談を日々お受けしている、マネーシップス代表の石坂です。

相続は家族の問題だから、大きなトラブルにはならないと考える方もいらっしゃいます。しかし、遺言書がないまま相続が発生すると、財産の分け方をめぐって家族の意見が分かれることがあります。

今回は、実家の扱いをきっかけに兄弟の関係が悪化してしまった家庭の事例を紹介します。

遺言書がないまま相続が発生し、実家の扱いで意見が対立

相談に来られたのは、60代前半の男性です。

父親が亡くなり、相続の話し合いがまとまらなくなったことから相談に来られました。

父親は地方の戸建て住宅に住んでおり、亡くなった時点での主な財産は、実家の土地と建物、預貯金約900万円でした。

実家は地方都市の住宅地にあり、不動産会社の査定では土地と建物を合わせて約1,400万円ほどの評価でした。相続人は長男、次男、長女の3人の兄弟です。母親はすでに亡くなっており、遺言書も残されていませんでした。

父親の財産を合計すると

  • 実家 約1,400万円
  • 預貯金 約900万円

合計で約2,300万円になります。

法律のルールに基づいて3人で分ける場合、1人あたり約760万円ずつ受け取る計算です。

問題になったのは、実家の扱いでした。次男と長女は県外に住んでおり、「空き家になるなら売却して分けた方がよい」という意見でした。一方で長男は地元に住んでおり、「将来的に自分が住む可能性があるため実家を残したい」と考えていました。

仮に実家を売却すれば、1,400万円を3人で分けることになるため、1人あたり約460万円を受け取ることになります。

しかし、長男が実家を引き継ぐ場合、評価額1,400万円の財産を1人で取得することになります。本来の取り分は約760万円のため、約640万円多く受け取る形になります。

預貯金900万円を3人で分けると、1人300万円ずつになります。

この場合、長男は

  • 実家 1,400万円
  • 預貯金 300万円

合計で約1,700万円の財産を受け取ります。

本来の取り分は約760万円のため、約940万円多く受け取る計算になります。

この差額を調整するため、長男は次男と長女にそれぞれ約470万円ずつ支払う必要がありました。しかし、長男はすぐにその資金を用意することが難しく、実家を残すのか売却するのかについて、兄弟の話し合いは長引くことになりました。

相談者の方は「父が遺言書を残していれば、ここまで話がこじれることはなかったと思う」とも話していました。(※プライバシー保護の観点から内容を一部変更)

遺言書がないと相続の話し合いが長引くこともある

相続では、遺言書がない場合、相続人全員で財産の分け方を話し合う必要があります。これを遺産分割協議といいます。しかし不動産が含まれる場合、現金のように簡単に分けることができません。

誰かが住み続けるのか、売却して分けるのかといった判断が必要です。兄弟がそれぞれ別の場所に住んでいる場合、実家の扱いについて意見が分かれるケースも少なくありません。その結果、話し合いが長期間続くこともあります。

もめない相続を実現するためのポイント

相続トラブルを防ぐためには、まず財産の全体像を把握し、家族で共有しておくことが重要です。特に、不動産は分け方によって負担や不公平感が生じやすいため、事前に方向性を整理しておく必要があります。

また、遺言書を作成しておくことで、財産の分け方を明確にでき、相続発生後の話し合いを円滑に進めやすくなります。相続は発生時期を予測できないため、家族関係を守る観点からも、早い段階で準備を進めておくことが大切です。

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